1月27日(火) | 元木昌彦の「編集者の学校」

元木昌彦の「編集者の学校」

「FRIDAY」「週刊現代」「オーマイニュース」など数々の編集長を歴任
政治家から芸能人まで、その人脈の広さ深さは、元木昌彦ならでは
そんなベテラン編集者の日常を描きながら、次代のメディアのありようを問いただす

 14時から、銀座のルノアール・マイルームで、「エルネオス」の連載インタビュー。今回は、アメリカのマクロビオティックの「宣教師」ミナ・ドビックさん。

 ユーゴ出身の彼女は40代の時、ガンにかかり、あと2ヶ月の命と宣告された。その時、友だちが貸してくれた、マクロビオティックでガンを治すという本を読んで、化学療法を止め、アメリカに渡り、マクロの第一人者・久司道夫氏の指導で、玄米(もみがらを取り去っただけの精白していない米)や味噌汁、大豆などを主食とするマクロビオティックを始めてガンを克服したのだ。

 それ以来、マクロを広めるために世界中を公演して回っている。マドンナやトム・クルーズ、ニコール・キッドマンなどのコンサルタントもやっているそうだ。

 彼女は、初めて日本へ来たそうだが、日本に、ファーストフードが溢れていることにあきれるという。世界一体にいい日本食をなぜ食べないのか。世界中で、日本食こそ病気を予防する最高の薬なのに、日本人がそれを忘れ、ハンバーガーやフライドチキンばかりなぜ食べるのか。

 政府も、減反政策を即刻やめて、米をもっとたくさん作るべきだと、熱く語った。そのとおり。私の朝は、玄米と白米半々ずつで炊いたご飯、味噌汁、納豆、のり、漬け物だとはなしたら、それこそマクロビオティックだと、彼女にほめていただいたが、夜が酒浸りではいけませんと、きつく叱られた。ごもっともです。

 夜は文芸社の瓜谷綱延代表取締役たちと懇談。文芸社は昨年、草思社を傘下に入れ、血液型の「自分の説明書」で合計550万部を売った。出版不況のなか、唯一といってもいい増収増益出版社だ。

 しかし瓜谷さんは、年頭で社員に、今年はもっと飛躍しますと語ったという。私は、ぜひ、御社でノンフィクション雑誌を出してくれないかと提案した。ノンフィクションを書きたいアマチュアと、プロが、同じ雑誌で競い合う。そうした雑誌作りは、これまで例がない。いま勢いがある出版社でなくては、出せないものだ。

 草思社の社長さんは、興味深く聞いてくれていた。