昨年の10月、日本生命保険より「不妊治療保険」が発売されました。

加入後2年以上経過してからの不妊治療(特定不妊治療:体外受精、顕微授精、胚移植)でないと保険料がおりないという制約があるため、今の時点で、僕のところに保険会社の診断書の記載依頼が来ることはないのですが、どの程度周知されて、加入者がいるのかは気になるところです。

がんや脳卒中、心筋梗塞といった三大疾病もカバーされているとはいえ、まだ不妊症かどうか分からない女性にとって、体外受精まで行うことになるのかどうかは、三大疾病にかかることを心配するよりも実感がわきにくいことではないでしょうか。

加えて、体外受精の料金はクリニックによって異なり、保険は全額保証ではないため、保険に加入していたからといって、どの程度の自己負担になるかは分からないということも、この不妊治療保険の難しさではないかと思います。

自分は不妊治療を行うにあたって、よい治療結果を追求することは当然ですが、同時に、患者さんの身体的、時間的、経済的な負担についても気を置いてきました。

以前から不妊治療保険は作られればいいなと思っていましたのでよいことだと思いますし、不妊治療クリニックの料金体系にも患者さんの負担を軽減できる工夫の余地があると考えています。