現在、天然型黄体ホルモン(プロゲステロン)膣錠は数社から以下のような薬剤が販売されています。

ルティナス膣錠

ウトロゲスタン膣錠

ルテウム膣錠

今後、黄体ホルモン膣ジェルという製剤も販売される予定とのことです。


各薬剤で、剤形や黄体ホルモンの含有量は異なりますが、天然型黄体ホルモンとしての基本的な作用は同じです。


ルティナス膣錠は他の薬剤よりも先行して日本で発売されたため、当院でもルティナス膣錠を主に処方してきましたが、それぞれの薬剤の特性を考慮し、患者様の使用感も含めた処方の検討を始めています。

ウトロゲスタンはピーナッツアレルギーのある方には使用禁忌となっていますが、膣分泌物が減少している方には溶解しやすいのではと考えています。

ルテウム膣錠は、剤形がもっとも大きいということがありますが、他の薬剤が基本的に1日3回投与のところ、1日2回投与でいいというメリットがあります。


患者様が継続的に使用されることを考えますと、内服薬がもっとも使いやすいと思いますが、内服薬は内服後、肝臓で代謝されますので、内服時間はあまり大きくずれないよう注意が必要です。

膣錠も、投与の時間間隔はある程度決めていますが、膣内で溶解しながら徐々に吸収されていくため、時間経過による血中濃度の変動が少ないというデータもあります。


不妊治療は結果が大切なことは言うまでもありませんが、安定して治療を継続できるということも、結果につながる大切なことだと思います。


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不妊治療、特に体外受精においては黄体ホルモン(プロゲステロン)の管理が重要となります。

黄体ホルモンの補充には、黄体ホルモン製剤が使用されますが、黄体ホルモン製剤には大きく2種類あり、『天然型』と『合成型』があります。

不妊治療で使用される『合成型黄体ホルモン製剤』には、ルトラールやデュファストンなどの内服剤や、プロゲストンデポーといった注射剤があり、従来より使用されてきました。

『天然型黄体ホルモン製剤』は、日本にはプロゲストン注射といった注射剤しかありませんでしたが、海外では以前より天然型黄体ホルモン膣座薬が主流で、この1年の間に日本でも数社から『天然型黄体ホルモン膣座薬』が発売されました。

『天然型』と『合成型』の黄体ホルモンの使用による妊娠率の差については、現在のところまだどちらがよいという明確な差は報告されていません。
天然型は、体内に存在する黄体ホルモンと同じ構造であるという安全性と、膣座薬という特性から、子宮内腔の黄体ホルモン濃度を高く保てるという利点があるとされています。

一方、合成型につきましては、体内に存在する黄体ホルモンとは違った形で黄体ホルモン作用を示しますが、これまでの長年の使用歴より安全性に関して問題ないと考えられています。また、子宮内膜受容体への親和性が高いという利点も報告されています。

当院では、ルトラールやデュファストンといった内服の黄体ホルモン製剤を中心にしていますが、上記の膣座薬の特性から、子宮内膜の薄い患者様や、なかなか妊娠しにくい患者様など、患者様の状態を考慮しながら、黄体ホルモンの膣座薬の単独使用や、内服剤とのコンビネーション投与を行なっています。

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最近、不妊症の原因の中で、男性不妊が増えているということが取り上げられるようになりました。
男性不妊の中で、特に『精子の数の減少』が特に問題になっています。
WHOの基準でも、正常濃度値が引き下げられたように、これは世界的な問題とも言えますが、その原因として、ダイオキシンといった環境ホルモンの影響や、食生活の変化などが指摘されています。

その中で、先日「人工甘味料が精子数を減少させる」という記事を見かけました。
人工甘味料は多くの食品の中に入っていますが、特に「ノンカロリー」や「ノンシュガー」をうたう食品の甘み付けに使われています。
この件に関しては反論もあるようで、人工甘味料は「体内で通常の食品にも含まれる成分に代謝されるので特に危険はない」という記事もありましたが、大部分の記事は人工甘味料の危険性を訴えるものでした。

個人的に感じることですが、昔に比べると「個人の精子所見の変動が以前より大きい」ような気がしています。精子所見は禁欲期間などにも影響を受けるので、射精の都度、所見は変わるものですが、問題なかった男性の精子が突然悪くなったり、ということが以前より多くなったように思います。

人工甘味料は、砂糖の100-200倍の甘さを持ち、少量でも砂糖と同等の甘さを得ることができるため、ダイエットに用いられることが多くあります。
ダイエットは摂取カロリーを減らすことが大切ですが、人工甘味料を使ってカロリーを減らしても、その甘さにインスリンが反応して細胞内に糖を取り込んでしまうという報告もありますので、それほどダイエットにならない可能性もあります。

まだ検証の余地のある話ではありますが、気づかないうちに有害なものを体内に取り入れている可能性もありますので、偏った嗜好品の摂取には注意した方がいいのかもしれません。
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