「女性向けサイト成功のコツ」 村山らむねさんの日経MJへの寄稿記事 | ラテン系企画マンの知恵袋

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親しくさせて頂いている村山らむねさんのMJへの寄稿記事「女性向けサイト成功のコツ」(3/14)。ご本人が集大成とおっしゃるだけあり、すばらしい記事です。コミュニティやCGMサイトのみならず、女性をターゲットにしたマーケティングに携わっている方必見です!

分析にあたり、女性ユーザーを利己的/利他的および支配的/協調的の2軸マトリックスで整理。

■利己的&支配的: 女帝

■利己的&協調的: 姫

■利他的&支配的: 女長官

■利他的&協調的: ばあや

らむねさんによると、「姫タイプ」を惹きつけることがサイトの人気、ひいては広告収入に直結するのだそうだ。「ちやほやされるのが好きで、全面的に肯定されることが居心地の良さにつながる。ちょっとしたサンプルやプレゼントをもらったりすることが大好き」というのが姫タイプの特徴で、「女子は急激に姫化しており、母親になっても主役感を捨てきれない姫ママもふえているので、女性をターゲットにしたマーケティング全般において姫への対応が鍵を握る」と説く。

「未就学児を持つ、都市型で経済的に余裕のある情報感度の高いママ」をターゲットにした雑誌SAKURA(小学館)は言うに及ばず、40~50代向けのHERS(光文社)でも「自分を可愛がる人が美しい」という姫的キャッチコピーを訴求している。

たくさんの姫を集めることがゴールとすると、設計時に欠かせないのが、いかに「ばあや」を集めるかという点。なぜなら、「無償で最良の情報を提供することを損と思わない」のが「ばあや」の特徴であるから。「ばあや」をいかに低コストで確保できるかがサイト成否を決めると言っても過言ではない。

逆に、女性向けCGMサービスでよくある失敗が、プレゼントキャンペーンなど姫たちが喜ぶ仕掛けを最初にやってしまうこと。情報やプレゼントを取るだけとってサイトに来なくなる。『最初はPVや会員数で伸び悩んでも、情報提供をしてくれる「ばあや」が雪だるまの芯を作るまで辛抱することが肝要』だそうだ。

アットコスメやクックパッドが、典型的な成功事例。「感謝による共感」をエンジンにサービスが自己増殖していく。「レビュアーの履歴は見えるが、あえて序列化しないことで、純粋に役立ちたい気持ちをリスペクトする」構造がアットコスメ成功の秘訣と見る。

また、女性向けコミュニティサイト「発言小町」は、敢えて「感謝」「評価」どちらのボタンもつけていないことで、「書き手の本音が炸裂し、女長官タイプの上から目線アドバイスが生き生きと繰り広げられる」という独自のポジションを獲得している。

本稿では触れられていないが、ベネッセ「ウィメンズパーク」も、「ばあや」と「女長官」に支えられた成功事例と思う。同サイトの場合、妊娠・出産・子育てという人生初の大イベントに直面し、「差し迫っている感」が尋常でなく高いところが、集客とサイト活性化に繋がっている。送客やSEOにお金を使わなくとも、3~4万人の新規会員を獲得できているところからして、真に必要とされているサービスであり、コミュニティのあるべき姿であると思う。