【書評】統合知 山田まさる 著 | ラテン系企画マンの知恵袋

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インテグレートCOOの山田まさる氏の最新刊。本書で、弊社事例を取り上げて頂いた関係で献本頂きました。ちなみに、私自身も登場しています(笑)。

前作、「脱広告・超PR」が、PRの進化系であるこれからの統合コミュニケーションのあり方を提示した、極めてインテグレート社そのもののPR色の強い1冊であるのに対し、本書は、山田さんご自身の想いに忠実に書いた1冊であるというのが読後の第一印象です。

本書を要約すると以下の通り。従来の問題と解決策の関係が明快な「ターゲット思考のコミュニケーション」では解決できない「ややこしい問題」が増えてきて、「問題解決思考のコミュニケーション」が求められている。これには、パターン化された解決策は存在しないので、都度、「統合知」と呼ばれる英知を結集して解決することが必要となる。英知の結集の際、全人格的なコミュニケーション・リーダーシップが重要となり、また、リーダーシップの実践を通じて人間的な成長が期待できる。

個人的には、ここで提示されたフレームワークそのものよりも、事例紹介を通じて伝わってくる著者の「熱い気持ち」が本書の最大の魅力と思います。特に、ふくしま産食材のPRの仕事は、実にデリケート。実際、ネット上では多くのネガティブな反応も飛び交っており、「リスク」を考えると、躊躇する気持ちが先に立つところであるが、「大儀」を全うすべく、自らの知見を持ってなんとか貢献しようという姿勢にとても共感しました。人の琴線に触れ、人を動かすコミュニケーションの原点はここにありと、自らの反省も含め、大切な気づきを頂きました。

当社の「節電レシピ」プロジェクトも紹介されているので、ご一読頂けると嬉しいです。

統合知 (現代プレミアブック)/山田 まさる

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