「おにぎり」のようなクリームパン 八天堂 | ラテン系企画マンの知恵袋

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最近、駅やデパートで販売しているのを良く見る、八天堂のクリームパン

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日経ビジネスに、現在のビジネスに辿り着くまでの軌跡が紹介してあった

和菓子店→洋菓子店→パン屋と業態を変えつつ、
「売れる商品」を作りつづけ、広島県内に10店舗を展開
約100種類のパンを扱うようになった

ところが、売れても、儲からない
気がつけば、全店赤字で債務超過に陥る

そこで、「良い商品を心をこめて提供する」
という原点に立ち返った

ブームになる商品ではなく、多くの人が長く支持してくれる
スタンダードな商品を志向し、スタンダードとしての
さまざまな切り口を提案していく戦略へと方向転換した

商品を絞り込んでいった結果、
「クリームパン専門店」へと行き着いた

嗜好が強く出る特徴のある商品ではなく、
日常的に多くの人が食べても飽きのこないクリームパン
たとえてみれば、「おにぎり」のようなパン

『特徴のある新商品を開発し続けようとすると、
アイデアが枯渇し、場当たり的な開発になってしまう』

消費者との対話を重ねながら、
独自性はあるが味が濃いクリームパンではなく、
とにかく飽きずにシンプルな味になるよう改善を重ねた

『色んな食材を付け加えていくのではなく、
引き算していくことで飽きられない味を目指した』

店舗展開も、広島で展開するのではなく、
三原の次は一気に東京と神戸に出店することで、
効率良く認知を拡大していくしたたかさも持ち合わせている

ちなみに、広島から、毎朝、空輸で東京の店舗へ運んでいるそうです

売上を上げようとラインアップを無理に拡大すると、
結局分散して、利益だけではなく、売上も減ってしまうというのは
自分自身でも経験しているので、とても共感できる内容です

あと、つい一口目のインパクトを追求した商品を目指してしまう
というのも食品メーカーが陥りがちな罠であり、
『引き算の発想で、食べ続けられる味の追及』
は、まさしくその通りと思います

価値伝達の仕組みも良く考えられており、示唆深いです

と書いているうちに、食べたくなってしまいました(笑)