「男が知らない『おひとりさま』マーケット」や
「草食系男子『お嬢マン』が日本を変える」等の著者である
マーケティングライター牛窪さんの最新刊です
相変わらず、キャッチーなタイトルがついています
そして、
「リビングは、カレ領域と私領域に分けている。自分の世界を
荒らされたくなくて」
「1年以上、夫とは一緒に住んでいません。ていうか、一緒に住んだ
ことがない。夫が荷物を捨ててくれないから、自分の荷物が
運び込めないんですよね」
「最近、妻との会話はもっぱらツイッター。友達やツイ友にも
一度に連絡できて便利なんすよ」
「セックスは排卵日限定。ムダがないし、飲み会にもいけるから」
等々、いきなり衝撃的な生声がたたみかけてくる
なんて言うのだろう、こういう定性的な情報を凝縮して全貌を伝える
手法は女性ライターの強みであり、中でも、牛窪さんは、
本当に秀逸だと思う
男性が書くと、どうしても説明的になってしまう
あと、定量化に異常にこだわるとか
こういう手法は、定量的でない、論理的でない、デフォルメされている
等の批判に晒されているのを、たまに見かけるが、僕に言わせれば、
それは、読者が読み分ければ良いこと
牛窪さんの本は、時代や世代の感性を凝縮した生声の宝庫であり、
現時点では少数派の意見かも知れないが、その声が、今後の起こりうる
現象の先行指標である可能性は極めて高いのだ
この宝を活かすも殺すも、マーケターの腕次第
本書は、特に、第3章の「わさびをケチって、4万円のベーカリー
を買う理由」がお勧めです
『今の20~30代の高感度主婦は、「楽しくなければ面倒なだけ」
と考えやすい』
ホームベーカリーやクッキングトイ、ユニデコ等のヒットは、
この文脈によるところが大きい
それと、「良い主婦でありたい」という気持ちと、「楽したい」という
気持ちの間での葛藤は、普遍的なインサイトだと思う
よく、牛窪さんが例で引用される自動食器洗浄機の話
最初、なかなか売れなかった食洗機が、O-157の流行と共に
爆発的に売れた
自分が楽したいという理由で買うのは気がひけるが、
「家族を細菌から守る為に食器を殺菌するんだ」という大義名分が
あれば、堂々と買えるというもの
これは、食品や家電等、主婦向けの商品企画をする際に、
様々なヒントに繋がる示唆に富んだ考え方
エコ系商品なんかも、まさにそう
「実益」と「大義名分」のバランス、さじ加減
という感じで、ヒント満載の1冊なので、世のマーケター、
特に主婦向け商材を扱う男性マーケター必読ですよ!!
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