不況もお構いなし 恐るべしスタジオアリスの儲かり商法! | ラテン系企画マンの知恵袋

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(なお、本ブログは個人の責任で書いており、所属企業とは無関係です)

先日、娘の1歳を記念して、スタジオアリスに撮影に行きました

http://www.studio-alice.co.jp/


きっかけは、「撮影料半額券」を知り合いから頂いたこと


もちろん、記念すべき1歳なので、なにか記念に残しておきたいね

というのは、誰しも思う


そこに、半額券なんてもらってしまうと、衣装もたくさんあるみたいだし、

行ってみようか?となる訳です


スタジオにいくと、スタッフのお姉さんがにこやかに迎えてくれる


「衣装はすべて『無料』。お子様が我慢できる限り何着着てもいいですよ」


まわりを見ると、おめかしした「お子様」が、立派なスタジオセットをバックに、

最高の笑顔で撮影中


スタッフの方々の笑顔を引き出す技が、とにかく、半端ない


赤ちゃんだと、ぬいぐるみやおもちゃで遊ばせ、それをそっと奪い、

「ほらほらぁ...」と話しかけながら、カメラに向けてぬいぐるみを

誘導していき、目線が来た瞬間、パチリ


子供だけでなく、両親、祖父母などにも気を使いながら、

本当に居心地のよい空間を演出してくれる


衣装を替え、セットを替えで、計6パターン程度の撮影

総撮影枚数は40枚程度


ここまでの撮影料金は3,150円。そして、更に半額


もちろん、これでは、まったく商売になりません


ここからが、スタジオアリスの真骨頂


夫婦でダブルスクリーンの極めて解像度の高いPCの

前で、次々と写真を選んでいくわけです


各パターンごとに「取り置き」画像を選んでいく

そして、最終的に、5枚程度選んだ写真を

様々なアルバムのパターンにはめ込んでいく


そうなんです。取り置き用に選んだ瞬間、

気持ち的には、もう、「自分の写真」になってしまうのです


そして、それが、ディズニーフレームのかわいらしい

フォトアルバムに入ったアルバムのデモを見せられた日には...


で、そのアルバムが、2万円とかする訳です


そして、必殺の殺し文句

『1歳は一度しかないから。一生の記念になるし』


これを、スタッフが言うのではなく、客に言わせてしまう

仕組みが、本当に恐るべし!!!


で、更に、

両家の両親に見開きタイプのアルバム(1万円程度)を買い、

更にオプションのキーホルダーとか付けたりしている内に、

あっという間に福沢さんが5人くらい出動してしまう訳です...


つくづく、良くできたビジネスモデルです


デジカメの時代になり、これだけ、マシンの性能が発達すると、

画像のクオリティーだけを求めるなら、正直、プロに頼る必要はない


どこに付加価値をつけているかというと


■設備の整ったスタジオ(気分が盛り上がる)

■50着を超える非日常のドレスが無料で何着でも楽しめる

■とても感じのよいスタッフ(ゲストとして気持ちよくもてなされる)

■とっておきの1枚の表情を引き出す技術

■撮影料自体は安くし、高額なアルバムで儲ける


そして、顧客の心理を知りつくしていると思われる、

財布の紐を緩める為の周到な設計はというと


■撮影料自体は安いので試しに撮ってみようという気になる

■しかも、撮影料の半額券を大量に配っている

 (今回も、最後に領収書と共に3枚ほどついてきました!!)

■衣装がすべて無料。しかも、何着着てもよいというお得感

■50枚程撮って、5枚程に絞り込んでいく「共同作業」を通じて、

 「自分事化」して、「自分のものだ」という感情を創り出す

 (⇒観光地で勝手に撮影して売りつける商売はうまくいかない

   のと対照的)

■高額出費に対する「記念日だから」というエクスキューズ

■「せっかくだから両親にも」と、ついで買いを促す仕組み


少子化とか、高機能デジカメの普及とか、普通に考えれば、

とてもアゲインストなビジネス環境のはずなのに


いあやぁ、とても勉強になった1日でした


あっ、写真&アルバムのクオリティーは文句なくすばらしいですよw