Zbigniew Namyslowski,Joachim Kuhn,Live at Kosmos | 灰色の脳細胞:JAZZよりほかに聴くものもなし

Zbigniew Namyslowski,Joachim Kuhn,Live at Kosmos

灰色の脳細胞:JAZZよりほかに聴くものもなし
Zbigniew Namyslowski,Joachim Kuehn
Live at Kosmos, Berlin

世にはすごい音源が眠っているもので、最近とみに注目を集めるようになってきたポーランドジャズの至宝、ナミスウォフスキのこのライブアルバムなど、約半世紀前のものとは思えないほどの瑞々しさ。

やはりweb上での数少ないコメントでも指摘されているように、数々のスタンダードのリフをヨアヒムが乱れ撃つなか、フリーキーでありながらモードぎりぎりのところで踏みとどまるナミスウォフスキのコルトレーンの感性及び奏法とブッカー・アーヴィンのリズム感、音程をないまぜにしたがごとき2枚目がすばらしい。おそらくクラシック出身であろうヨアヒムのどこか板橋文夫を想起させる強力かつ硬質なピアノもいうまでもなくよい。特に‘Piatawka’。ナミスウォフスキのソロで転調するのだが、その際のヨアヒムの入りとバッキングが本当にたまらない。ここだけで何度もいける。

ちなみにジャケの「コスモス」は1962年10月7日にオープンしたホールで、ヘルベルト・アウスト(Herbert Aust)とヨーゼフ・カイゼル(Josef Kaiser)によるもの(ちなみに同じマルクス通りにあるKino Internationalも両者が手がけている)。もちろんいまでも営業しているのだが、実に洒落ているのだ。以下、1962年のコスモス。モダニズム趣味がたまらない。

灰色の脳細胞:JAZZよりほかに聴くものもなし
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共産主義の威信を賭けて建築されたホールでの演奏なのだ。おそらくそこらのジャズ屋でやるのとは全く違った雰囲気でのライブだったであろう。しかしそこらのジャズ屋でやったとしても、すばらしくぴったりのモーダルとフリーのはざまを揺れる熱演なのである。

ちなみにこのItmというレーベルだが、非常に不良品が多い。買ったら即音飛びの点検をすることをお勧めする。といっても、もう廃盤のようだが。

Disc 1
1.Rozpacz 2.Bye Bye Black Cat 3.Balbina 4.Der Letzte Tag 5.Szafa 6.Blues Shmues
Disc 2
1.Piatawka 2.Straszna Franka
Zbigniew Namyslowski (alto saxophone)
Joachim Kuehn (piano)
Janusz Koslowski (bass)
Czeslaw Bartkowski (drums)
live at Kosmos in DDR on November 30, 1965.

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★★★★☆
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