アート・ペッパー・ライブ・イン・ヤマガタ’78, Not A Through Street | 灰色の脳細胞:JAZZよりほかに聴くものもなし

アート・ペッパー・ライブ・イン・ヤマガタ’78, Not A Through Street

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ノット・ア・スルー・ストリート~アート・ペッパー・ライブ・イン・ヤマガタ’78

酸いも甘いも何とやら、それまでの至高の音色を枯らし、よりアグレッシヴに攻めまくる後期アート・ペッパーの最高傑作。去年1980年のパリとロンドンでの未発表ライブが発売されたが、同メンバーでの本作のほうが上。というか、これはヴィレッジ・ヴァンガードを越えているかもしれない。

ピアノのレヴィエフが本当に素晴らしい。まことに申し訳ないが、レヴィエフはジョージ・ケイブルズを完全に凌駕している。その才気と美しさ、激しさはコルトレーンを消化した後期ペッパーにぴったりである。

リズム・セクションも何ていえばいいんだろう、とにかくすごいんだ。ペッパーがえらく気に入っていたというのも納得できる。特にマグヌソンのベースの鳴りはただ事ではない。

それにこのライブは観客の温かさ、興奮がもろに伝わってくる。いうまでもなくライブでの観客からのフィードバックは名演の最重要要素のひとつだが、ホールのくせにジャズ屋のごとき濃厚な反応が、ペッパーたちを乗せまくってるのだ。彼の日本好きは有名だが、日本人も本当にペッパーが好きなんだなあと。

かなりのレア盤だが、探す価値あり。ペッパーで一枚といわれたら、これを推す。

1. Ophelia
2. Besame Mucho
3. My Laurie
4. Caravan
5. The Trip
6. The Summer Knows
7. Red Car
Milcho Leviev on piano, Bob Magnusson on bass & Carl Burnett on drums.
recorded live at YBC TV Hall, Yamagata, Japan on March 14th 1978
★★★★★
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