糖尿病の治療方針を A4にまとめて下さい その1 | ほぼ年中無休 もりぞの内科の「ホンネでぶつかる医療の話」

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専門は糖尿病ですが、内科一般診察しています。時に子供も。糖尿病で病院を迷われている方、介護施設を探している方、ご相談下さい。


MRさんから 原稿頼まれました。

「先生の糖尿病治療方針を A4にまとめて下さい」


ドクターによっては
 「こらぁ~~ 俺の治療方針が A4  1枚なんかで まとめられるかぁ~~」

と 怒鳴られるかもしれませんが。

私は 引き受けました。

A4 1枚でも
1冊の 本だとしても、 要望に応えないとね。


なんでも マニュアル人間が いけませんが
 ルーチン作業は マニュアル化することは 大事かな。 と最近思います。


で 私の 糖尿病治療を 項目別に まとめしょう。

 ブログにも アップできて 一石二鳥です。


まず 最初の 課題が。


1 薬物治療開始の基準


一般的には HbA1c6.5%とか HbA1c7%とか が基準となるかもしれませんが。

私は 違います。

HbA1c8%でも 薬使わなかったり HbA1c 5%台でも薬使う事もあります。

一番重要視しているのは、相手(患者さん)の性格です。

絶対薬飲みたくない、って患者さんが結構います。 っていうか、初めて糖尿病がみつかった患者さんの多くがそうです。

こんな患者さんには、まずは食事療法と運動療法で経過みます。 それは数字(血糖やHbA1c)ではないです。(もちろん1型は除きます)

さすがに HbA1c10%超えてたら、薬かインスリン使うことが多いですが。8%位までは 使わないこともあります。

次に 肥満度を重視します。 HbA1c10%でも、脂肪沢山肥満体型だと、薬使わずに食事療法と運動療法でかなり改善させることはできますが

痩せ形だとHbA1c7.5%位でも、インスリンか薬を使う事を強く勧めます。


その他、本当は若く発症した人ほど、薬物介入した方がいいですが、若い人ほど薬嫌がる傾向があります。


  


逆に、 あんまりいないんですが、境界型や軽い糖尿病でも、発症or進行予防のために なにかできないか? って感じの患者さんには
HbA1c6%前後から 薬物処方します。
 

実際 私自身 HbA1c5.2~5.5% で推移していますが、糖尿病発症予防に 糖質摂取時にαGIを内服してます。

過敏性腸炎で 毎日下痢なので、内服できないんですが、 もし便秘傾向だったら、メトフォルミンも併用してたと思います。
 

こんな 感じで HbA1c6%前後で、糖質制限してるけど たまに 糖質摂るときに αGI内服したい。 なんて患者さんにも、薬処方してます。
(ごくわずか、糖質摂る時にSGLT2阻害剤飲むって方もいます。 )



実際
患者さんの性格を考慮しなくて良いんなら、そして医療コストも考慮しなくていいんなら、糖尿病や境界型糖尿病と診断された時点で、αGIとかメトフォルミンを忍容性があれば 投与した方が、寿命を延ばすという点では プラスになるんじゃないかと考えています。

だって 永久に 食事療法と運動療法を継続できる人は 少数だから。


ここに、もしかしたら SGLT2阻害剤も 選択肢の一つに入ってくるのかもしれません。 それは 今後のデータ積み上げて 考えます。
 
ただし 軽症糖尿病にSGLT2阻害剤使うと 食欲亢進作用がでる ケースが 私の中では 多く、現時点では、積極的処方の薬とはなってません。
 
 
同様に、SU剤 インスリン は早期糖尿病には向かないで、 チアゾリジン系や グリニド系も まだ分かりませんが、早期に積極的に処方する薬ではないと、現時点では考えてます。






あら。 まだ あと 3個 お題があるのに 結構長くなってしまいましたね。 全部合わせてA4にするには ちょっと 削らないといかないな。


次のお題は また 明日に。

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