真面目に働いても、偉くもなんでもない? | テンポス森下 商狂老人 百姓経営者 蒲田のドラッカー

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商売道を求めて、さまよい続け、やっと面白くなってきた。
今に見てろと激流に身を投じ50年!
故郷の村人は変わらずも、田畑荒れ、茶摘み、草刈りに帰るのみ。

真面目に一生懸命働くベテランのパート従業員に、「店で一番売れないメニューは何だ」と聞くと、皆声を揃えて答える。「あの、切干大根の煮付けが売れませんね」と。
声を揃えて「切干大根の煮付けが売れない」と言うのは、よっぽど売れていないということが分かるわけだが、答えた従業員にもう一つ聞いてみた。「売れないと分かっている料理を平気で店に並べていて、あなた達は嫌なパートだよね、あなたたちはそういう人間なの?」と。そうすると、従業員達は困ったような顔をするんだよな。しかし、お客さんが不味い料理を食べても平気な顔でいられる従業員ていうのは、ただ単に仕事を真面目に一生懸命働いているだけなんだ。“真面目に一生懸命働くこと”が良い事だと思っている。もし、お客さんに喜ばれる店にしようと思って働いていれば、「こんな大根の煮付けなんか売れませんよ」って誰か店長に言うんじゃないのか?誰一人何も言わないのは、真面目に一生懸命働いていればいいと思っているからなんだよね。その結果、「ひどい人だな」と言われて初めて、「え、私ってひどい事をやっていたんだな」と気づくんだ。だから、お客さんが喜ばないものを平気で店に並べられるひどい女になってしまったのは、お客さんに喜ばれる店にしようという考えそもそもがないからなんだ。では、お客さんに喜んでもらおうと思って仕事をすると、働き方はどう変わってくると思う?