さてブログを書く時間がなかなか取れずにダラダラしているうちに夏も終わって秋になってしまいましたが、ボービントン戦車博物館本編の最終回、いよいよ第二次大戦後、現代までの戦車展示です。
まずは1984年公開「うる星やつら・ビューティフルドリーマー」、そして1976年より連載の「エロイカより愛をこめて」にも登場する、冷戦時代のヨーロッパを代表する西ドイツの主力戦車レオパルト I です。
日本にもファンの多いレオパルトですが、なぜか台座の上に鎮座しておりまして、見る分には非常に迫力はあるんですが、間近で細部まであまり良く見れないという難点のある展示方法になっております。
ちなみに「劇場版うる星やつら2」より、プールに沈むレオパルトです。
面堂終太郎「ボクのレオパルトが…・゚゚・(≧д≦)・゚゚・」
その隣におりますのは同時代の英国陸軍の主力戦車、チーフテンです。
ただこちらも台座の上に置かれて展示されておりまして、位置が高くてあまり細部まではよく見られないのです (^_^;)…。
その隣には!何と同時代のソ連の主力戦車であるT-62が展示されております。共産主義国家の戦車を一体どうやって入手したのかと思うのですが、恐らく英国軍の中東での国連平和維持活動において、ソ連が支援する勢力と接触した際に何らかの形で鹵獲したものかと思われます。
丸い形状の砲塔が何ともキュートな戦車ですが、前出のNATO軍の戦車とは異なってフロアーの上に直接置かれて展示されているので、こういったどアップの写真を撮ることもできるのです。
もしかしたらレオパルト I やチーフテンが高い台座に乗せられている理由は、私のような不心得者がこういった細部の写真を撮りにくくするのが目的かもしれません。双方とも英独では既に退役してますが、未だに現役で配備されている国もあるので、そういった国の仮想敵への情報漏洩の防止という多少の配慮なのかもしれないです ( でももしそうだとしたら、展示しないのが一番の良策だと思いますが… )
ちなみにその正面には、今回のネタにたびたび登場しているチャレンジャー I が展示されております。もはやレギュラー出演者☆。ただしなぜか台座には乗せてもらえず、床にベタ置きですが。まぁ1983年生産開始のまだまだ若手ですし。
そしてこちらのチャレンジャーも前回のT-34とパンター同様、T-62と対峙する形式で展示がされております。「湾岸戦争スタイル」とでもいうのでしょうか。
チャレンジャーの隣には、アメリカ軍の主力戦車を長らく務めたM-60パットンが展示されております。
円形砲塔と最近あまり見かけない主砲の先端のマズルブレーキ ( 横向きの短い排煙用の筒 ) が、レトロな感じでいい味を出しています。昔は子供が戦車の絵を描くと、丸い砲塔と意味も分からずマズルブレーキを必ず描いていたものですが、あれはこのM-60の影響だったのですね。
さらにその隣には第二次大戦直後の英国の主力戦車センチュリオンが台座の上に鎮座して展示されております。
例によって近くに寄ってじっくり撮影することは出来ないのですが、入り口からのスロープの上から見下ろすように見学は出来ます。実は The Tank Story 展示室に入って最初に見えるのがこのセンチュリオンなのです。
そして展示室の中央あたりではあるものの、少々見にくいところに展示してあるのが、なななんとソ連のベストセラー戦車☆私の大好きなT-72です!
NATO主要加盟国の英国の博物館でソ連の主力戦車を長らく務めたT-72が見れるとは!おそらく湾岸戦争の際にイラク軍の装備品を鹵獲したものでしょう。遠くロシアはモスクワのクビンカ戦車博物館にでも行かないと見れないと思っていた車両が、よもやここ英国で見れるとは☆これだけでもこのソールズベリー平原の片田舎にやってきた甲斐があるというものです。
しかしながら★かつての ( 現在でも? ) 敵陣営の戦車であるせいか、なんだか西側諸国の戦車と比べて扱いが悪いです。このT-72も展示室のほぼ中央という絶好の位置にありながらその実、柱の陰に配置という見学しにくい場所に展示されております。
なおかつ台座に鎮座したレオパルト I とチーフテンに見下されつつ狙われながらの展示です。さきほどのT-62も展示室の隅っこでチャレンジャーに狙われながらという侘しい展示でしたし、T-34もパンターの隣で歩道橋の上の見物客に見下ろされながらの展示です。ある意味東西冷戦時代の遺恨の名残りがこういった形の展示方法として現れているのでしょう。
と、これでボーヴィントン戦車博物館に展示されている戦車すべてを紹介いたしました。…と、言いたいところですが、出国前に見たこの博物館を紹介したブログによると、もっと多くの種類の車両が展示されているはずなのですが…。三号突撃砲などの、主に第二次大戦当時のドイツが生産した「無砲塔戦車」の豊富なコレクションがそっくり無くなっているのです。
三号突撃砲 初期「カバさんチーム」仕様
この時は実物の戦車をたっぷり堪能した後で、帰りのバスの時間もある事なので早々に退出いたしましたが、あとでロンドンに戻って持ち帰ったパンフなどを見ていると、私が今回見物した The Tank Story とは別方向の The Trench Experience のさらに奥のほうに、広大な The Discovery Centre という展示室があったのです。
公式サイトを読んでもいまいちどういった展示がされているのかよく読み取れないのですが、もし The Tank Story がVI号ティーガーやM4といった正統派の戦車の歴史を紹介する場所として設定されているとしたら、無砲塔戦車や自走砲といった「戦車ではない戦闘車両」を展示するコーナーとして、The Discovery Centre が設定されているのではないかと思い立ちました。公式サイトの画像のように戦車のミニチュアを展示するだけの場所にしては、あまりにも広すぎると思うのです。
なにしろ実際に見学したわけでは無いので何ともいえませんが、あの「塹壕体験」の奥には一体何があったのか?今となっては知るべくもないですが、ボーヴィントンを訪れた他のブロガーの人たちの記事を見ればおのずと分かってくるかもしれませんが。
とにかく、現時点ではまだ戦車博物館の半分しか見ていない事になるので、またいつか英国を訪問する機会があったら、再度ボーヴィントンを訪れて残り半分を見てみたいと思います。
ではまたその時まで皆さん御機嫌よう(*^ー^)ノ。
ちなみに☆ボーヴィントン戦車博物館の公式ホームページはこちら↓
http://www.tankmuseum.org/
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