ボーヴィントン戦車博物館外伝★英国交通事情ウラウラ話 | 旅ログ~とある京都フミンの奇妙なおでかけ☆

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とあるフミンの「おでかけ」にまつわる四方山噺☆

前々々回で英国ボーヴィントン戦車博物館篇も一段落してブラジル篇に戻りました。
記事を読むぶんにはロンドンから戦車博物館まですんなりと到着できたような印象を受けますが、実際にはそこに至るまでけっこうドタバタ続きで、英国と日本との公共交通サービスの違いに結構手こずらされました。で、今回は戦車博物館篇外伝として、戦車博物館の最寄り駅ウールに至るまでのアクセス時の諸注意を書かせてもらいます。英国当局に憚ってブラジル篇に隠れてこっそりアップロードですよ☆


$(((旅ログ)))~とある京都フミンの奇妙なおでかけ☆-Bovington Bus Stop


まずはロンドン市内のホテルからウォータールー駅までのアクセス手段なのですが、主なものとしては…

①ダブルデッカー(二階建てバス)
②チューブ(地下鉄)
③ブラック・キャブ(ロンドンタクシー)
④徒歩


の、4つが挙げられます。せっかくロンドンに来たのだし、ここは①ダブルデッカーに乗って気分を盛り上げたいと思うところですが、私個人の意見としてはダブルデッカーは最も「おススメできない」交通手段であると言えます。ちなみに①②③④の順番は「おススメできない」順番です。

ダブルデッカーのおススメできない点は、何と言っても「路線が複雑でわかりにくい」という点でしょう。巨大なロンドンの街を網に目のように走るバス路線の中から、滞在中のホテルからウォータールー駅まで辿り着ける路線を見つけ出す事がまず大変でしょう。気になる方はロンドン市交通局のバス路線図サイトにジャンプ!路線図を見ただけでアタマが痛くなる事必至です。


$(((旅ログ)))~とある京都フミンの奇妙なおでかけ☆-London Bus Map
London Bus Map


②チューブ(地下鉄)はロンドン市内をくまなくカバーして便利ではあるのですが、滞在先のロケーションによっては、路線を何度か乗り換えなければならないという不便さがありますが、ただバスやタクシーと違って道路事情に煩わされないので、時間が読みやすいという利点はあります。

ちなみにウォータールー駅にはジュビリー線・ノーザン線・ベイカールー線・ウォータールー&シティ線の4路線が乗り入れています。

大概のガイドブックには路線図が載っているし、切符は自動券売機で買えるので、たとえ英語が話せなくても手軽に利用できるのですが、19年振りにロンドンを訪れたら料金が爆裂的に値上がりしていたのでびっくりしました☆( ̄□ ̄;)☆。
たしか当時はウォータールー駅のあるゾーン1 ( 市内中心部エリア ) 内の移動で片道1ポンド ( 200円ぐらい? ) だったのが、2013年現在では4.5ポンド ( 約720円 ) と、約3.5倍も値上がりしているのです!!

この値上げは、ロンドン公共交通機関共通のプリペイドカードである「オイスター・カード ( Oyster Card ) 」( 日本で言うところの「ICOCA」や「Suica」) を普及させるための、ロンドン市当局の陰謀でもあるのです ( さすがは腹黒紳士の国★ )。ちなみにオイスター・カードだと、作成手数料3ポンド( 約480円・旅行者用 )でカードを作ってしまえば、あとは運賃2.1ポンド ( 約336円 ) と半額以下で乗車できます( それでも高い★ )。


$(((旅ログ)))~とある京都フミンの奇妙なおでかけ☆-Oyster Card


③ブラック・キャブは…実はまだ私は利用した事がないのです(^o^;)。利用するにあたって「道路事情に煩わされる・英語が話せないと運転手とコミュニケーションが取れない・チップが面倒」という様々な欠点はあるのですが、手を上げてタクシーを止めて車内に乗り込んだら、あとは運転手に「WATERLOO STATION」と書いた紙きれを見せれば、あとは黙って座っていれば目的地まで連れて行ってくれるので、ラクといえばラクでしょう。
ロンドンタクシーの運転手になるには運転技術もさることながら、ロンドン市内の道路事情に関する深い知識が要求されるなど、ロンドン市当局の厳しい審査があるので、まぁ任せておけば安心です。どっかの街のタクシーのように「渋谷ってどうやって行けばいいんですかね?」みたいな事を逆に質問される事もまず無いでしょう。


$(((旅ログ)))~とある京都フミンの奇妙なおでかけ☆-Tokio Tipical Taxi


ちなみにロンドンタクシーの初乗り運賃は2.2ポンド ( 約352円 ) だそうです。地下鉄より安いやんかヽ(`Д´)ノ=3!


でもいちばんラクなのは④徒歩でしょう。ウォータールー駅の近くにホテルを予約してそこから歩けば0ポンドです。トラファルガー・スクエアやバッキンガム宮殿などの名所からもほど近いので一石二鳥です。


Waterloo Station 2013
Waterloo Station


…ちなみに私はかつて乗り馴れた②チューブ(地下鉄)を利用しました。ポンド立てなので料金が爆上がりしていると気づかず、ロンドン市交通局に大金を貢いでしまっていました。


Waterloo Station of Underground


さて、ホテルから公共交通機関を利用してウォータールー駅に到着して、これで一段落…かと思いきや、実はここから「本当の戦い」が始まったのです。


Watreloo Station Entrance


世界に先駆けて鉄道輸送システムを構築した英国ですが、現在その運用に関しては、百数十年前に技術を供与した当時の後進国・日本に、大きく水を開けられているといっても良いでしょう (逆に日本のほうが上手くシステムを作り過ぎか?) 。


まず切符の購入ですが、遠距離切符に関しては、日本のJRのみどりの窓口のような有人の切符売り場で購入するか、駅構内に散在する自動券売機で購入するかの二通りの方法があります。


Ticket Bureau


ところで☆ここは英国なので…駅の職員も含め、当然みんな英語しか喋れません(^▽^;)。

今から数年前にボービントンを訪問された人のブログをいくつか拝見すると、戦車博物館の最寄りのウール駅自体が鉄道会社の職員にあまり認知されておらず、何といっているのか解かってもらえなくて何回も「ウール、ウール、」と言わされたり、ウール駅の2駅前にあるもう少し大きな街の「プール駅」と勘違いされたりと大変だったようです。

ただ現在はガールズ&パンツァーなどの影響で、行動力旺盛な日本のアニヲタたちがボービントンまで「聖地巡礼」に訪れるせいか、一発でウール行きの切符を発行してもらえました。心配な方は「WOOL STATION」と書いた紙を職員に見せてみるのも良いでしょう。


girls und panzer 11-04


自分は英語が話せないし、だったら自動券売機で購入するほうがいいんじゃないか?と思われがちですが、実はこれが大きな落とし穴になるのです。


Comuting Royal Army
切符を買う英国兵士


英国の公用語は英語なので、券売機で表示される言語は当然、すべて英語となります。切符を買う際はこの英語による説明を読んで手順を理解しなければならないのです。


Ticket Vender_2


さらに日本に無いシステムとして、利用する時期によって運賃が変わるという料金体系があります。鉄道会社の規定する「繁忙期」と「閑散期」とで、料金がガラッと変わってしまうのです。また、日帰りで行きと帰りの切符をセットで購入すると、割引になるというサービスもあります。


Ticket Vender_1


多少英語の心得のある筆者は、自販機におけるこのトラップを察知して窓口で切符を購入しました。行き先を聞かれた際に大声で「ウール!!!」と答えたら、無事ウール行きの切符が買えました。


Ticket to Wool


そしてその時買った切符です。往復2枚セットで料金は59.7ポンド(約9,552円)でした。ちなみに片道切符だと55.3ポンド(約8,848円)もします。

日本ならほぼ同じ料金で、新幹線でわが地元京都から倍の距離の300km離れた広島まで行けます(10,280円・ただし片道ですが…)。繁忙期だと往復料金は99.8ポンド(約15,968円)と、オフピークのおよそ1.5倍です。かなりボッタクリです。


Waterloo Station Rush Hour


そんなこんなで切符を手に入れて、あとは列車に乗るだけ…かと思いきや、ここで次なる難関が★。日本なら駅構内の案内表示に従って列車の到着するプラットホームに行って、列車が来るのを待っていればいいのですが、ここ英国ではそういう訳にはいきません。


Waterloo Electronic Bulletin Board_3


駅の構内には巨大な電光掲示板がありまして、日本であれば列車の行き先と発車時間、ホームの番号が必ず表示されているはずなのですが、ここウォータールー駅では、行き先と発車時間は表示されているのですが、ホームの番号が表示されていないのです。


Waterloo Electronic Bulletin Board_5


ホームの番号が表示されていないので、どこのホームで列車を待っていればいいのか分からないのです。ウォータールー駅が田舎の小さな駅ならばさほど問題は無いかもしれませんが、あいにくプラットホームが20ほどもあるロンドン市内最大級の駅であるのです。


Waterloo Electronic Bulletin Board_2


それでも電光掲示板の前で辛抱強く待っていれば、いずれは出発するホームの番号が表示されるのですが、その番号が表示されるのは列車が出発するわずか数分前なのです。


Waterloo Electronic Bulletin Board_1


なので乗客は、切符を買ったら次に行き先名を頼りに、自分が乗る列車がどこに表示されるのか、電光掲示板の前をウロウロ歩き回りながら探し、行き先名が表示されたら、その前で上の写真のように電光掲示板を見上げながら、列車の到着するホームの番号が表示されるのをじっと待ちます。

やがて出発時間間際になるとホームの番号が表示されますので、それを頼りにホームへと急ぎます。ホームの番号が表示される巨大電光掲示板は改札の外にあるので、なるべくホームから近い改札口へ移動してから自動改札を抜け、列車の到着するホームへと急ぎます。


Waterloo Station Platform


ちなみに…改札内の各ホームにも、行き先などを表示する電光掲示板があるのですが、個々のホームについての情報しか表示されなく、広い駅内の20ほどあるをホームを端から端まで見て回るだけでも数分はかかるので、1番ホームから行って帰ってきたら、既に列車が到着して出発した後だった…という事も有り得るので、改札の外の巨大電光掲示板の前で辛抱強く待つのが効率的です。

Waterloo Electronic Bulletin Board_4


この時、情報の遅さにしびれを切らした私は、駅員を一人つかまえて「ウール行きの列車はどのホームから発車するのか?」と尋ねたら、「○番ホームだ」と駅員が答えたので、改札を通って教えられた番号のホームで待っていたのですが、出発時間が来ても一向に列車が到着せず、別の駅員に同じ質問をしてみたら「ウール行きなら△番ホームからついさっき出発したよ」と、答えました。何と、駅員ですらどの列車がどのホームから出発するのかを完全には把握していないのです。日本の感覚からすると有り得ない話ですが、少なくともロンドンのウォータールー駅では「駅員に列車の運行について尋ねる」というのは止めた方が良さそうです。このせいで1本列車を逃してしまったので、ウールへの到着が1時間遅れました。


Waterloo Station Inside


この時は駅員に事情を話して、一旦改札の外に出してもらえたので、今度は他の英国人旅行者に混じって巨大電光掲示板の前に陣取って、辛抱強くウール行きのホームが表示されるまで待ち、1時間ほどして次の列車の出発するホームの番号が表示されたので、急ぎそのホームまで移動して列車に乗り込む事が出来たので、無事ボービントンの戦車博物館までたどり着く事が出来ました。


Wool Station 01


日本式の、なんでも職員をアテにして甘えてしまうという考え方で海外に行くと、とんでもないミスを冒してしまう事もあるんだと痛感しました。まさに「郷に入れば郷に従え」です。
今後、ゴールデンウイークやお盆の長期休暇を利用して、ボービントンの戦車博物館に行こうと考える方達も多いかと思いますが、あまりにも便利すぎる日本社会の感覚で海外に出ると、とんでもない事態に遭遇してしまう事もあるという事を心に留めて、海外を訪問するようにしてください。
ではまた次回~ (*^▽^)ノ☆