先日のブログで、「健康寿命の延伸」について取り上げ、四日市市の健康寿命が三重県平均を下回っていることを取り上げました。

(⇒http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11573652724.html


 今回は『健康で生きられるまち四日市をつくる』ブログの第2弾で、胃がんリスク(ABC)検診について取り上げます。


 7月12日に群馬県高崎市に行政視察に行って来ました。


視察のテーマは、表題の通り『胃がんリスク(ABC)検診』についてです。


 現在、多くの自治体で「胃がん検診」として、バリウム、胃カメラ検診が行われています。


最近、この「胃がん検診」に加え、『胃がんリスク検診』を採用する自治体が増えてきました。


 高崎市は、『胃がんリスク検診』を定期検診に取り入れた先進的な自治体です。


 『胃がんリスク検診』とは何なのか。


これは、ABC検診とも言われ、血液検査を行い、胃の萎縮度やピロリ菌感染の有無を調べるものです。


 胃がんリスク(ABC)検診は、がんそのものを見つける検査ではありませんが、昨今の医療研究で「ピロリ菌の存在」と「胃の萎縮度」により、今後の胃がん発生リスクが分かる様になった事から、その発症リスクを調べるというものです。


 ABC検査は、ピロリ菌の存在と胃の萎縮度を調べることにより、受検者をA~D群に分類します。


研究によると、A群に分類された方はその後の胃がん発生率はほぼゼロであり、B,C,D群は順に胃がんの発生率が上昇していきます。


 従って、胃がんリスク検診によって自らの胃がん発生リスクを把握することにより、そのリスクに応じた対処が可能になるのです。


 高崎市では、B群に分類された方には2~3年に1度、C群には逐年の内視鏡検査を勧奨していおり、A群には内視鏡検診は実施していません。


 また、ピロリ菌と胃がんの因果関係が強い中、B~D群に分類された方はピロリ菌を除菌する事によって胃がん発症リスクを下げる事が出来るのです。


 将来の胃がん発症率を抑える為にも、事前に自らの胃がんリスクについて知っておくことは、非常に有効なことであります。


 高崎市は、この『胃がんリスク検診』の普及に市と医師会が一丸となって取り組んでいるのです。


 この背景には、高崎市医師会の強力な働き掛けがあります。


 胃がんリスク(ABC)検診は一般的に4,000円前後掛かりますが、高崎市は高崎市医師会の協力で胃がんリスク(ABC)検診を市内一律1,500円に抑えています。


 それに、市が1,000円の助成を行っている事から、市民の自己負担は500円だけです。


また、若い世代に胃がんリスクを把握してもらいたいという事から、「20歳のピロリ検診」を無料で行っています。


 事前に胃がんリスクを把握し胃がんの発症を抑えることが出来る事は健康寿命の延伸に繋がり、将来の医療費負担の軽減にもなります。


 四日市市においては市の推奨する検診に『胃がんリスク(ABC)検診』は入っておりません。


今後四日市市においても行政としてこの『胃がんリスク(ABC)検診』について公費助成も含めて検討していく余地は十分にあると考えます。