今回のブログは、「ビジョン無き(仮称)大矢知中学校問題」追及の第3弾です。


これまで、「適正学級規模の引き下げ問題 (http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11312403405.html )」「国からの補助金が受けられない問題 (http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11297997290.html )」を指摘してきました。


今回は、(仮称)大矢知中学校新設が近隣中学校に与える更なる影響について、書いていきます。


 平成28年度に(仮称)大矢知中学校が新設された場合、生徒数減少の影響を大きく受ける近隣中学校は「朝明中学校」「富洲原中学校」となります。


 「朝明中学校」「富洲原中学校」の平成27年度から平成28年度の生徒数の減少(大矢知中学校新設の影響)は、以下の通りです。


・朝明中学校 708人⇒258人 〔450人減〕


・富洲原中学校 283人⇒230人 〔53人減〕


 ここまでの話は、これまでに何度もブログに書いているので皆さんご存知だと思います。



 今回のブログは、この状況を踏まえた上で、この(仮称)大矢知中学校新設問題が西朝明中学校にも大きな影響を及ぼす可能性があることに言及します。


 上記の通り、(仮称)大矢知中学校の新設の影響を最も受けるのは、「朝明中学校」です。


 (仮称)大矢知中学校の新設後、数年で既存の中学校適正規模ラインを下回り統廃合対象となる可能性が高い状況です。


朝明中学校の地元である八郷地区においては、この生徒数減少に対して大きな危機感を抱いています。


 八郷地区では生徒数が激減するこの状況に対応しようと、八郷地区で一つの中学校を創るという趣旨から、現在「西朝明中学校」に通っている「八郷西小学校」の生徒を「朝明中学校」に通わすという話が挙がっています。


(話を整理すると、「西朝明中学校」に通っているのは「下野小学校(下野地区)」、「八郷西小学校(八郷地区)」の生徒です。)


 仮に、八郷地区で一つの中学校をという話が進み、「八郷西小学校」の生徒を「朝明中学校」に通わすことになれば、「西朝明中学校」に通う生徒は「下野小学校」の生徒のみになります。


 この場合、「朝明中学校」は一定の生徒数を確保する事が出来小規模校のリスクを回避する事が出来ますが、「西朝明中学校」に「下野小学校」の生徒しか通わなくなる為、今度は「西朝明中学校」に小規模校となる可能性が出てくるのです。


 教育委員会の試算によると、「西朝明中学校」に「下野小学校」の生徒しか通わなくなった場合、平成31年度には「西朝明中学校」の生徒数が180人程度とされており、その後既存の中学校適正規模ラインを下回る可能性が発生し、統廃合の対象校となってしまいます。


 「(仮称)大矢知中学校」を新設すると「朝明中学校」が小規模校になり、「朝明中学校」の小規模化を回避しようとすると「西朝明中学校」が小規模校になってしまうという、何とも滑稽な小規模校の連鎖が生まれてくる訳です。



 しかし、これは笑い話ではありません。現実の話なんです。


 実際に、八郷地区の連合自治会から市長に、「八郷地区で一つの中学校をという事で、八郷西小学校の中学校区変更」の要請が出ています。


 そして、市長はその要望書に対して「行政区と学校区のとの整合についても適切な対応を行ってまいります。」という回答を行っているのです。


これは、事実上、八郷西小学校が朝明中学校に通う事を容認したとも捉える事が出来ます。


 (仮称)大矢知中学校新設で、朝明中学校に生徒数減少という悪影響を与え、それを回避する為に地元自治体からの要請に、大局的な判断無しに簡単にOKを出す。


 しかも、それが西朝明中学校の生徒数の大幅な減少を招くにも関わらずです。


 ちなみに、西朝明中学校の生徒数減少リスクについては、これまで議会では触れられておらず、6月定例月議会の村上議員の一般質問の参考資料で明らかになりました。。


 これは、朝明中学校の統廃合リスクが単に西朝明中学校に移っただけの話です。


 正に、場当たり的な判断と言っても過言では無いです。


 この市長から八郷地区連合自治会への要望書に対する回答が、空手形なのか現実味を帯びているのかは定かではありませんが、


四日市市北部の中学校に対する抜本的な学校区の見直しという大きな課題を先送りにし、小手先だけの対応で次々と小規模校の連鎖を生もうとする、市長(行政)の判断には開いた口がふさがりません。


 決められない政治とはこの事では無いでしょうか。


この様な事が進められている四日市行政、一議員として大きな葛藤を感じます。