建築エコノミスト 森山のブログ

マンガ建築考の森山高至が「たてものと生活と社会と文化」を考えています。
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次のような記事が出ました。

悪評紛々の新国立競技場で本気見せた大成、竹中の思惑
|Close-Up Enterprise|ダイヤモンド・オンライン "http://diamond.jp/articles/-/61615"

経済雑誌ダイアモンドのWeb版です。

「業界内では大成建設と竹中工務店が本命といわれてきた。この2社には本気で受注を狙うだけの十分な理由があった。」

と書かれていましたので、すわ!あの件すっぱ抜いたか!と思ったのですが、違ってました。
ただ、今の状況がうまくまとめられています。
ぜひ本文を読んでみてください。

一部抜粋しますと

「『あんなの絶対に受注したくない』『構造の複雑さからして、見るからに赤字になりそう』『うちは受注競争から降りた方がいい』──。ゼネコン業界関係者の間で悪評紛々なのが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる国立競技場の建て替え工事だ。計画は迷走に次ぐ迷走を重ね、五輪の歓迎ムードに水を差している。」


「解体工事の1回目の入札は不調。2回目は~談合情報が寄せられた。~談合疑惑については、国会で追及を受けた安倍晋三首相が「警察が調査している」と答弁するなど、予断を許さない。」


「そんな状況の中、JSCは建物本体の建て替え工事をスタンドと屋根の2工区に分けて発注するため、10月10日にゼネコン各社の技術提案を締め切った。ゼネコン関係者たちの間で本命として名前が挙がるのは、スタンド工区では大成建設、屋根工区では竹中工務店だ。この2社には、本気で受注を目指す十分な理由がある。」

ときて、さあさあ、どんな理由が暴露されるんじゃい!
と思っていましたら、、なんのことはない建築関係者なら周知の事実。


1.大成建設は前もやったから今回もやりたいだろう。

『大成は現競技場を手掛けた「元請け」。山内隆司社長は建て替え工事についても、これまでのインタビューなどで再三「今回も手掛けたい」と公言している。』

2.竹中はドーム屋根の実績あるし、中東で仕事やりたいんじゃない?


『~この困難なザハ氏の作品を完成させれば、今後も巨大な工事が見込める中東などに進出するための技術力のPRにはうってつけだ。竹中にとってリスクは高いが、魅力的な案件といえる。
全国各地でドーム球場を手掛けた竹中の技術力を、むしろ発注者側が求めている』

といった希望的観測的内容でした。

ただ、本来なら建築業界紙がもっともっと突っ込むべき報道に一般経済紙が踏み込んでいることは評価に値します。
しかも記名原稿ですから凄く偉いです。

今、この問題について賛否いずれにしても記名で何か言える人は全員根性のある文化人と僕は定義します。
これ書かれた「週刊ダイヤモンド」編集部の岡田 悟さん
にはエールを送りたいと思います。

さて、この記事の最大の見どころはですね
実はこの部分なんです。


『19年にラグビーW杯間に合わなければ元首相の顔に泥』

『実際に工事が始まりコストが計画を上回れば、3000億円をぶち上げた当時と同様の批判が巻き起こるだろう。工期が延びれば19年9月のラグビーワールドカップ日本開催に間に合わず、東京五輪組織委員会会長で日本ラグビーフットボール協会会長である森喜朗元首相の顔に泥を塗ることになる。』


これ、今いちばん懸念材料なんではないかと思います。
先週、あることが理由で私は国立競技場周辺に出向いていたのですが、同日森喜朗元首相も周辺を散策され誰かから説明を受けていらっしゃったようなんですね。


つまり、この報道がなされたということは、

『自民党無駄撲滅プロジェクトチーム(PT)の会合でJSCに対し、こうした点に関する質問書を出したが~、回答は得られていない。一方で文科省やJSCは、PT座長の河野太郎衆院議員に対し「計画通りの工期とコストでやり切る」と明言しているというから、よほど自信があるのか、単に無責任なだけなのか。』


この無駄撲滅PTのときに森喜朗元首相に関して、
次のような報道がありました。
http://www.asahi.com/articles/ASGB23TJJGB2UTFK001.html
朝日新聞DEGITAL(10月2日)

転記ここから

「自民党の諸君は何をやっているのか――東京五輪・パラリンピック組織委員会会長を務める森喜朗元首相が、自民党の無駄な事業を検証する部会が五輪の会場となる新国立競技場の建設を対象にしたことに、いら立ちの声をあげた。」

「 同党の行政改革推進本部(河野太郎本部長)が先月25日、競技場建設の事業主体「日本スポーツ振興センター」の幹部らから事情聴取した。」

「 これに対し森氏は2日、超党派でつくる「ラグビーW杯2019日本大会成功議員連盟」の会合であいさつし、「行革本部はなぜ新国立競技場を目の敵にしなければいけないのか。どんどん遅れて間に合わなくなる。色んなことを言って邪魔をすることをいつまでも許しちゃいかん。こんなんだったら議員を辞めるんじゃなかった」と怒りをぶちまけた。(小野甲太郎)」

転記ここまで

いやあ、これ読んで思ったことはですね。
森さんに伝わってんじゃね?ってことです。

新国立競技場がヤバイ、ゴチャゴチャ反対があるから滞ってんじゃなくて、コンペ審査や建築計画が始めからダメダメだったんでは?と森さんに伝わってんじゃね?ってことです。

おそらく森さんの心の中は、こうだったと思うんです。
(以下、妄想文責:森山)

2011年ごろ
外苑周辺の再開発計画というのがあってだね、東京オリンピック招致を組み合わせてみんかね、都知事。

2012年ごろ
どうせなら新しい建築をブチ上げてみたらどうかね、都知事。
世界の安藤忠雄さんにお任せしてみんかね、都知事。

2013年の10月ごろまで
なんだと?3000億円?そんな設計屋変えちゃえよ、安藤さん。
削れるの?ああ、削れるんだね?安藤さん。

2013年の末ごろまで
どうよ?ラグビーもオリンピックも決めたぞ!国民のみなさん。
こんだけの大仕事したんだから、もういいよね、都知事。
都知事!都知事!えっ?猪瀬くん辞めちゃうの?

2014年になって
なんか野党の諸君がうるさいなあ。
建築関係の人も文句言ってんの?
生のカキをドロッと出した感じのデザインですよね


2014年7月くらいから
なにごちゃごちゃしてんだよ
9月までは、解体工事を早く始めろ!

2014年9月ごろ
設計がうまくいってないんだったら
ゼネコンに頼んだほうが確実なんじゃないのか
外苑再開発のことだってあるんだから

2014年10月
なぜ新国立競技場を目の敵にしなければいけないのか
こんなんだったら議員を辞めるんじゃなかった
だ、だ、談合?そこまでやれとは言っとらんじゃろう

で、今月になって
ちょっと実際に現地で確認してみようか、、
これなんかマズくないのか、、

(以上、妄想文責:森山)

とまあ、こんな感じなんじゃないのかと

この1年、出会う人、出会う人、森さんづくし、
先日などユリイカ誌の森博嗣特集で原稿まで書かせてもらう事態なんです。
そんな森ワールドの中に居る森山ですから、
森喜郎元首相の気持ちがなんか伝わってきてるんですけど。

その森さんに対し、今の都知事である舛添さんが会場の見直し論を言い始めたわけなんです。
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/329980/
東スポWEB
五輪会場計画の“見直し宣言”した舛添都知事に自民党から批判の声2014年11月05日 08時00分

ここより転載

東京都の舛添要一知事(65)が、2020年に開催される東京五輪・パラリンピックの会場計画を“見直し宣言”したことに、大きな波紋が広がっている。外遊先のロンドンで競技場などを視察した舛添知事は「民間の知恵を入れて最初からやり直す」と語り、今週中にも五輪組織委員会の森喜朗会長(77)に民間との協力態勢を求める意向だ。

 国際オリンピック委員会(IOC)に対する大会開催基本計画の提出期限は来年2月。会場計画の見直しに強く反対する団体が出ていることから作業は難航することが予想されている。

「舛添知事は『時間までに必ず終わらせる』と意気込んでいます。大会の開催基本計画は、今月末に詳細な案がまとめられる予定になっていた。新設する施設は工期などの問題があり、今月中に内容を固めないとIOCに提出する基本計画の期限に間に合わない」と都政関係者は語る。 

舛添知事が会場計画を見直す背景には、東京五輪・パラリンピックで使用した競技施設を、大会終了後に“負の遺産”にしない狙いがある。

 2012年のロンドン五輪は、大会の計画段階から競技会場の再利用、運動機会の普及、選手村の開発と分譲、都市再開発のグランドデザインが描かれた。「債務危機に陥ったギリシャは、アテネ五輪の“負の遺産”と言われる施設が残っている。舛添知事は日本も新しい競技会場をどんどんつくればギリシャの二の舞いを演じる危険があると判断したのでしょう」(同)

 五輪開催に当たっては、あらゆる角度から民間企業の知見を求めることが必要との判断に至った舛添知事。ところが、お膝元の自民党からは「むちゃすぎる! 時間がない」と批判の声が上がる。

「森さんが『はい、そうですか』と言うとは思えない。知事は連携が取れているのか。民間にアイデアを求めるというが、人脈があるのか。見直すなら、ロンドンに行く前に一報入れておくのが筋というものでしょう」
 舛添知事の見直し案は果たして前進するか。

転載ここまで

という最新記事があります。
ここでは森さんが「はい、そうですか」は言わない、と書いてありますが僕はなんだか、言いそうな気がしてきているんです。
もちろん「はい、知事のいうとおり」」とは言わないと思うんですが、ラグビーワールドカップを成功させるためには、「ラグビーの聖地は今後どうするんだ!」は言うんじゃないかと思うんです。
それは秩父宮ラグビー場も含めての話だと思うんですね。

ラグビーの聖地は3つあります。
「秩父宮」、「花園」、「国立競技場」です。
このうち高校生の聖地はいわずとしれた「花園」ですよね。

大学や社会人だと、「秩父宮」か「国立」かということになりますが、
やはり「国立競技場」だと聞きます。

とすると、森さんが本当にラグビーを愛しているなら、本当は「国立」のことを気にかけているんじゃないのか、


あの「生カキをドロっと出したもの」から、磯崎新さんによれば「列島の沈没を待つ亀のような鈍重な姿」に変更に変更を重ねつづけている今の新国立競技場計画。その推進者のひとりに名を連ねてしまうことは本意ではないんじゃないのか、、

と、森ワールドに住む森山には聞こえてくるわけなんです。

この記事で舛添知事のいわれる
東京五輪・パラリンピックで使用した競技施設を、大会終了後に“負の遺産”にしない」
は、まったく正しい意見です。

というのもですね、オリンピックの歴史をひもといてみると、この会場施設問題というのは常に表裏一体ついてまわっているようなんですね。


4につづく


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