いやあ、驚きました!

最新の『週刊現代』にて
あの伊東豊雄さんが新国立競技場問題に辛辣かつ真摯なご意見を出されているそうです。
この件で人類学者中沢新一先生と対談されています。
でしかも、最近の若手と言われる建築家とか評論家とか歴史家のような、
風見鶏的なむにゃむにゃどっちつかずの評論家的ポジションじゃなく、
はっきりと物申されています。


「残された時間を考えれば、一からコンペをやり直すのは現実的に難しい。ただ、今ある国立競技場を 改修してメインスタジアムとして使うならば、オリンピックまでに十分間に合います。たとえば、今の国立競技場の耐震性能を上げたうえで、オリンピック開催 計画の条件を満たす8万人収容に足りない2万人分の仮設のスタンドを用意する。個人的 には、そのほうが神宮外苑の環境を守れるし、経済的にもはるかに安くあがると思います。そもそも2020年の東京オリンピックは、既存の施設を利用する 『エコなオリンピック』というのが基本コンセプトですからね」

とのこと。
あの伊東豊雄さんですからね。
といっても建築業界以外の方々には、わからないと思うんですが、
伊東先生はどちらかというと、こうした社会的な発言とかされない、
むしろ徹底的にしない系の人だと思ってました。

すっごい意外です。意外過ぎて僕の中の何かの偏見が、
またひとつ雲散霧消して爽快な気分です。

伊東豊雄さんといえば先ごろフランスの「銀の定規賞」を受賞された、
妹島和世さんのご師匠でもある、世界的な建築家です。
いってみれば、妹島さんのお父さんみたいな建築家です。
しかも、このお二人は共にプリツッカー賞もお取りになっているという、
建築界では非常に珍しい師匠弟子の二世代が、
同時代に大活躍という方ですからね。
伊東さんは、建築家のお父さんとして、すっごく大勢の日本の建築家を育てた人なんです。みなさん第一線でご活躍中です。

なんか、いろいろ捨てたもんじゃないって気になってきました。

伊東先生との思い出は、残念ながらまったくありません。
僕は伊東先生とはどんな些細な接点も何もないんですが、
思い出してみるとひとつだけありますね。
また後で書きます。