1月3日の綾波の部屋記事がたくさんの方々に読んでいただいたみたいで、
非常にビックリしています、みなさまありがとうございます。

いくつかいただいたコメントやご連絡で
いや、あれはサンゲツの打ち放しクロスではないか?
といったご指摘がありました、その線も考えたのですが

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シンジの右脇の入り口の角部分が何かをぶつけたように数箇所にわたり欠けていますよね、
この欠け具合のエグレ深さにより、厚9.5ミリのプラスターボードにクロス張りではないな、と判断しました。

また、PCではないのか?というご指摘についてですが、専門家以外の方にご説明しておくと、
PCとは「プレキャストコンクリート」の略で、プレ=あらかじめ、キャスト=鋳型に嵌めた、コンクリートという意味でして、コンクリートを工場でパーツ化し現地で組み立てる工法のことを言うのですが、PCは現場での工期短縮や施工精度の維持を目的とするもので、これも、PCなら構造部分を階層ごとにパーツ化するはずで、しかもパーツの緊結にボルトを使用しますから、そういった意味でこの内装の壁面が約600ミリ程度で目地割りされることはあり得んだろうと判断しました。
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プレキャストコンクリートの雄 黒沢建設株式会社のHP参照
http://www.kurosawakensetu.co.jp/tech/pca.html

その他、綾波の部屋にある備品についてコメントしておくと、
キッチンはマンション用の廉価製品として消費者には無名で業者間では有名な
マイセット株式会社製品、
http://www.myset.co.jp/

照明は工場や倉庫で使われるような蛍光灯むき出しのそっけない製品、三菱電機の施設用照明FB25022でしょう。

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この照明器具は天井埋め込みタイプですので天井仕上げもコンクリート打ち放しではなく、吸音石膏ボードのジプトーンをコンクリート色に塗装したものと思われます。
床はキッチンのあるところまでは300角のタジマのPタイルですが、室内は床の目地がもっと広い升目で表現されていますので、長尺のCFシートと思われます。

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玄関入り口のドアはいわゆる公団タイプのスチールドアですが、これはかつて各地の金属製建具屋さんで標準仕様で工場手作業作成していたもっとも廉価なOP塗装タイプで、現在は大手ドアメーカーの製造ラインからは入手不可能なものと思われますから特注になるでしょう。
取手はおそらく美和ロック株式会社製品です。
http://www.miwa-lock.co.jp/index.html
これも普及大量生産のBL認定品のレバーハンドル錠で、取っ手は51型を使用していると思われます。
ひとつ問題なのはレバーと鍵の上下が逆だということです、綾波の部屋のドアは鍵が取っ手よりも下になっているんです。なぜ上下逆使いなのか。

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スイッチ類はおそらく松下の普及品だと思います。

ということで、そのうち綾波の部屋をリアルに再現できるマンションリフォームの設計図と仕様書を作成してみます。





綾波の部屋は本当に打ち放しなのか?