こんにちは、昨日は建築知識さんの撮影でMS4Dの清水さんとがんばってました。
建築エコノミストの森山です。
今月はお盆を通じて帰省される予定のかたがたも多くいらっしゃると思います。
選挙も予定されていますので、久しぶりに地方の故郷の姿を目にする方も多いのではないでしょうか、、


私は仕事で多くの地方都市や農村、漁港、観光地を見てきていますが、ここ10年の間で非常に目に余るのが

地方の駅前商店街の壊滅的状況です。
いわゆるシャッター通りです。

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そして独立系の中華屋さん、喫茶店、街角のタバコ屋さんとか雑貨屋さんの廃業店舗の姿です。

ちょうどそこだけ時間が止まってしまったような、昭和40年代のオロナミンC、ボンカレーの看板、宮崎美子のポスター、さび付いたモノトーンのポッカ自販機、瓶タイプのコーラ自販機などなどが打ち捨てられているさまです。

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で、ありながら夜でも田んぼの真ん中で煌々と光っているコンビニ店舗、国道やバイパス沿いのチェーン型ストアの原色倉庫型店舗、表面に狂ったような電飾と王宮を模した装飾のパチンコストアなどが並んでいる。

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河川の護岸はひし形のPCブロックで覆われ、山に刻んだ道路脇の斜面を覆う幾何学模様の崩落防止ネット、農地の一部を同じ面積で仕切った新興住宅地に地域と関係ない名前を冠されたニュータウン。

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そういった光景がいたるところで展開されています。

そんな状況の中に突如として現れるガラスの箱型、シルバーの円蓋、窓のない黒いモノリス、モザイクに外壁を彩り、むき出しの鉄骨オブジェ、コンクリートの塊が目に付くようになったのは80年代の後半からでしょうか

それらは必ず、ほぼ間違いなく、その用途が判別できないような名前がついている。

市民会館でなくシティ交流センター、もしくはホール、公民館でなくコミュニティ、フォーラム、体育館ではなくオペラシアター、博物館ではなくアーカイブス、遊歩道ではなくプロムナード、共同浴場でなくスパ、セラピー、それらを組み合わせた造語の交雑物。

「シティフォーラムプロムナードコミュニティセラピーセンター」とか
「エコ共同タウン参画アートメディアシアタースパコンプレックス」とか
「ル・グラン多世代オペラドゥ・アーカイブス交流ポルティコ」とか

ひどい場合は意味の類推できる英語ですらなく、イタリア語やフランス語のネーミングをほどこされた、名前からも外観からも用途も意味もわからない構築的な交雑物体。

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いったいこれらはなんなのか

そういった感想をもたれる方々も多いのではないでしょうか

実はプロであるわたくしでも
これらがいったいなんのためにあるのか
一瞥では判別できないんです。