less and less | やんぬるかな

less and less

 「一年前と何にも変わってないっすよね」

 「バカ、一品、料理が増えてるだろ」

 二人が見た携帯の画面に映っていたのは絶望か

 それに見てみぬフリをするぐらいの鈍感さは身に付けた



 「出て行けないんじゃないんだよ、出て行かないんだよ」

 見えない敵に苛立ちを隠せない

 立ち上がる煙は煙幕ではないはずだ

 


 代わり映えのしないメニューは悲劇の台本だろうか

 どうでもいい問いのスケープゴートにされた酒

 

 杯を掲げる気力すら持たない

 終わりを待ってるよ