夕暮れと衝突する飛行機 | やんぬるかな

夕暮れと衝突する飛行機

 花が、萎れていくのを眺めている


 誰もが名を知る、あの花だ


 自分は、知っているのだ

 その花が、皆に名を知られ、持て囃し、弄べるだけ弄び、飽きて鑑賞するのを止めた直後が一番美しかったのを


 その花は萎れていく一方で、美しい盛りを知っている人間には、眺めているより忘却の方が楽なのではと思われた

 歳月は残酷である

 

 しかし、目を背けることはしない

 いつまでも、いつまでも飽くことなく眺めている