とてもレベルの高い話なんだけど・・・

よく「感情を込めて歌う」って言うよね?
歌詞の意味を表現するために歌い手は自分の個性とその歌への想いを込めて唄う。
勿論それは正しい。
でも
それだけでは「本物ではない」のです。


これを読んですぐに理解出来る人はあまりいないと思うのですが、
本物の歌を唄う人は
「感情を込めない」ものなのです。

感情を込めて唄うと歌詞本来の魅力より歌い手の感情が前に来てしまい曲を殺してしまうのです。
つまり「感情が邪魔をする」と言うこと。
意外に思うかも知れませんが超一流のシンガーはこの域まで行きます。
そしてそこまで行けるのはほんのごく僅か。
テクニックや歌唱力は勿論、年齢を重ねないと出来ない事だとも言えます。

もし今度テレビで八代亜紀が雨の慕情を唄うのを見る機会があったら気をつけて見て欲しい。
感情を押し出さないように実はサラッと唄ってる事に気がつくと思う。
#9に来た吉田美奈子さんもそうだった。
感情を込めなくても伝わる歌唱と個性、そして「曲は聴く人によって完成する」と言う事がわかっているから出来る高度なテクニックなのだ。

今年の1月に新譜を出した浜田麻里。
オレよりひとつ年上。
{543D2269-5F0F-4A48-B9D2-A08AC4A423A6}

その浜田麻里の新譜にORIONと言う曲があり初めて聴いた時、感動して動けなくなった。
浜田麻里と言えば抜群の歌唱力はあるがクセのある唄い方をする人。それは特にバラードの際に顕著で極端に感情を込めて唄っていた。
ところがこのORIONはそれがない。
とても楽に力を抜いて唄っている。
なのに歌詞の世界観が自分の中で広がってドンドン入って来る。勝手にイマジネーションが働き最後には号泣していたぐらい。
実はオレ後藤沙千佳ちゃんとリンクしてしまった。


あぁこれだ!と思った。
浜田麻里もここまで来たんだと(笑)。


人それぞれに音楽感があり評価の仕方は違うとは思う。
しかし年齢とともに出せる凄い表現方法、歌唱法があるのは間違いない。


感情を込めずに感情を表現する!

やっぱり音楽って深い。