春に息子が帰省した時、あるアドバイスを送った。
それは『QRコードを使え』と。
息子は芸人なので当然そういう話になり聞いてると昔のバンドマンと話をしてるようだった。
ライブ、ノルマ、吉祥寺、仲間との友情と切磋琢磨、バイトしながらの共同生活
そしてライブ後のアンケート
出てくるワードはまるで20年前下北沢のバンドマン。
何だか青春を謳歌してるようで嬉しくなった。
ただ今と昔が圧倒的に違うのは集客の方法。
当時はメールが主流だが今は様々なSNSを使って告知し発信している。
それなのに集客には苦労している。
見てると「明日ライブ」「本日!チケットまだあり」的な告知ばかりでそんな直前じゃ無理だよ〜と思ってしまう。
そこで息子に言ったのはまず先々のスケジュールのわかるSNSを作れ。そして各種SNSやYouTube、HP、物販に飛べるGRコードを作りそれをカードにしろ!
と。
お客さんはいつでも「おみやげ」が欲しいもの。それがチラシとかカードでも全然良い。その時その場所にいた証が欲しいのです。
家に帰って部屋で自分のバックの中からQRコードが出てきたら10人に1人ぐらいはスマホで「どれどれ」と見てくれるはず。
恐らくこれってアーティストにも言える事。
物販コーナーにCDを置いてるけど自分は今年どれほどCD買っただろうか?
自分が買わないのに買わそうとしてるのはビジネスとしてどうなんだろう?
それよりも自分のサブスクサイトに飛べるようにGRコードを作りそれを手軽なカードにしてはどうだろう?少なくともCDを買わせるハードルより自分の音楽を聴いてくれるチャンスは広がるはず。
勿論そのカードにはSNSにも飛べるようにする。
CDを作りたい気持ちはわかる。アーティストとしてモノがある事は誇りでもある。
でも今や海外アーティストはCDは勿論、アルバムさえ作らな苦なってる。
それより単発で多くリリースした方が合理的。
昔の人間からすると寂しい気はするけども・・・

QRコードもサブスク登録も簡単に出来る時代。
使わない手はない。





昨年ビートルズがAIを駆使して最後の新曲と言う触れ込みでNow And Thenを発表し大いに話題になった。楽曲そのものはずっと前からファンには馴染みの曲だったし驚きはなかったが「AIをビートルズが最初に使った」事にとても大きな歴史的意味があると思ってる。
おそらく現代音楽は大きな転換期に入りここから一気にAIを駆使した流れになっていくと思われる。
既に沢山のソフトが開発されてAIで作る音楽はとんでもなくクオリティーが高い。以前のようなぎこちない機械的な感じではなく人間が作ったとしか思えないまで技術が凄い勢いで進歩している。

音楽を芸術・作品たらしめたのは「楽譜の時代」から始まりその後「録音再生の時代」を経てきた。レコードCD、そしてデジタル配信、サブスクリプションがそれだ。ビートルズは録音再生時代の最も重要なアーティストでありそのビートルズが声だけとは言えAIを使ったという事は録音再生の時代を自らの手で終わらせたとも言える。
そして録音再生の次に来るものは音楽そのものを聴く側がAIで作業出来る「操作の時代」。
様々な事が考えられる。
スマホでの簡単リマスタリング。声の変換。自分の嗜好する曲のAI検索。古い楽曲を現代風にする。等考えたらキリが無い。
聴く側はメリットしかないように思う。
しかしアーティスト側はどうだろう。
激しいAIとの戦いになるか融合して行くか・・・
恐らく融合するしかないと思う。AIを使った楽曲も増えて行くはず。
ただアーティストの権利をどのように守るのかをもっと真剣に議論しないと手遅れになる。
命を削って作った音楽がサブスクでタダ同然で扱われAIの登場でその音楽をおもちゃのように操作される・・・
「心配し過ぎ」と言うかも知れないが法整備しなければ損をするのはいつもアーティスト側ばかり。

AIによって聴く側のライブラリーは圧倒的に増えるはず。楽しみも多くなる。
しかしアーティストをしっかり守らないとミュージシャンを目指す人が増えないだけでなく良質で健全な音楽が日の目を見なくなる。
それを思うと危機感しかない。
そしてもう
時間がない。








いつ退院ですか?とよく聞かれます。
実はヘッドギアの到着待ちなんです。
オーダーメイドのヘッドギアなのですが加工場所が広島。
でもってGWがあったので通常より時間がかかってます。
恐らく退院は今週の土曜日かと思います。

毎日窓の景色を見て、友達にLINEして、大谷翔平のホームラン映像を見ながら御飯食べ、必要以上に時間はあるのに無造作に一日が過ぎて行きます。

同級生や友達のグループLINEを見るとこれからの人生や病気や怪我、夫婦や家族のこれからに不安と悩みを訴えているのが散見します。
みんな大なり小なり疾病を抱え経済的な老後の不安をぼんやりと、しかし沁みるほど実感している。中には終活を口にする人もいるぐらいだ。
そういう世代になったんだな〜と思う。

いつの頃かオレはずっと人生の第3コーナーにいる気がしている。
爆走していた第2コーナーからの直線。今緩やかな曲がり角をゆっくり回ってる。
「まだ四分の1ある」と思うか「もう四分の1しかない」と思うか。
アホなオレは当然「まだ四分の1ある」と考えるし未だに「こんな大人になりたい」と二十歳のガキみたいな事を考える。
ここまでの手術を何回もしてる以上長生きは出来ないかも知れない。
でもまだまだやりたい事がいっぱい。老いを実感する事もあまりない。

暫くは第3コーナーをゆっくりと楽しみながら走って行きたい。