「キャリア・コンサルタント」の資格を取得したのは10月8日こと。本当につい最近です。合格のキーパーソンがいました。それは「しんちゃん」。
 試験は1次は筆記、2次は論述とロールプレイ実習でした。ともに事前講習70時間の範囲から出題されたのですが、論述の山だった「キャリアシート・職務経歴書の作成指導」の7時間にわたる講習日、私は共同経営者のお父様の葬儀に出席するため、やむなく講習を欠席せざるをえなくなりました。
 あとから講習を主催していた事務局から当日のテープと補習問題を送ってもらったものの、資料を見ただけではちんぷんかんぷんで、まったくお手上げでした。

 翌週、講習に出席すると、しんちゃんが「よろしかったらこのノートをどうぞ」とノートの写し(しかも手書き!)をくれたのでした。そこには、こまごまと「このページ熟読!」「ここは試験に出ます」とアドバイスが書かれていました。そのあまりの親切さに涙が出そうになりました。
 そして試験勉強中はしんちゃんのノートを頼りに、論述問題のポイントを覚えました。すると合格発表後に送られてきた論述試験の採点結果はなんと満点でした。

 ふと思う。普通、自分が合格を狙っていたら人を蹴落とそうという発想のほうが強いのではないでしょうか。でもしんちゃんは違う。こういう優しい人が真のカウンセリング・マインドをもった人なのでしょう。そのしんちゃんも今回、当然ながら一緒に合格しました。ということで、結局私はいつも人に助けられながら生きているような気がします。
 
「恩は石に刻め。恨みは水に流せ。」 

 私の手帳に記されている一文です。どうしようもなく苦しいとき、人に対して優しく接する余裕がなくなったとき、私はこの一文を復唱します。何度も何度も。そして助けてくれた人たちの顔を次々と思い浮かべます。

 「まだまだ大丈夫。」

 そしてまた1日を戦うことができるのです。