エミ、旅のおわり? | 5年さいくる               ~ふたたび~

エミ、旅のおわり?

エミがレストランを辞めて、日本に帰りたいと言い出した。


だからって、俺が寂しくならないよう、俺のために次の彼女を見つけようと?


俺は聞いた、エミが本当にやりたかったカナダ生活はあったのかい?


モントリオールで得るものは、何もなかった、との答えを聞いてショックを隠せず。


そして、言ってしまった。


エミがこれ以上居たくないのなら、日本に帰国しようと止めはしないと。




彼女とは、2月の終わりに初めて会った。


すすきのホールステアーズ、薄暗闇の二階席で初めて声を交わした。


初めてみる表情は、目を見て人と会話する楽しさを教えてくれていた。


3ヶ月もヒキコモッテる毎日だったから・・・。


チャットでリハビリされつつあった俺も、本人目の前にまだキーボードさがしてる。


エミのほうは買いに来たコンタクト屋が閉まってて、早くから待っていたみたい。


眼鏡姿を見られたくないから、大きな裸眼で俺をみつめる。


照れ隠しに、またつまらない会話をしてしまう。


恋人と別れたばかりの彼女、奥さんに親友を盗られてしまった


「もう、しばらくは恋愛とかいらないよね」 なんて打ち明けて、すぐに親友になった。



マニー。が元気になるまでは、私が一緒にいてあげる、そういうエミに心を融かしはじめた。



エミのこと好きじゃなくなってもいいんだよ、マニー。が元気になれたら私はそれでいいの。


この先恋愛する気力のないに、そう言って励ましてくれたエミ、とても愛しい彼女だ。


エミが出て行ったら、・・・・・、去年の秋のフラッシュバックに怯えている自分が情けない。



モントリオール1年過ごして、一緒に帰ることになれば、そのときは最後の結婚してもいいかな。


本気でそんなことを考える自分と、結婚やら恋愛から逃げようとする臆病な自分との葛藤かな。


も、ワカラナイ。



本当に彼女を留めておくことが正しい選択なのかどうか。


でも、辞めちゃうあきらめちゃうなんて、いつでも出来ることだよね。


だから三十路の経験で励まして、彼女はもう一度仕事をさがしてみるって立ち直った。


も、できるだけのことサポートしてあげたいから。


マニー。31歳。


無償の愛って信じてみることにします。