消費税増税と派遣業界
事実上の3党連立となったことにより、正常化したかに思われた国会ですが、領土問題で雲行きが怪しくなってきたようですね。
さて、もう誰もが知っていることですが、消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法が、10日の参院本会議で採決され、民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決、成立しました。
これにより、現在5%の税率が、2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げられることになります。
改めて言うことではないかと思いますが、消費税という税は、すべての商品、サービスなどに掛かるもので、当然、労働者派遣の請求にも付加されます。
この増税法案の成立により、我々は、何もせずとも、派遣元に対し、現在の5%から、2014年4月に8%、15年10月に10%と引き上げなければならないことになります。
製造系では、なかなかない単価ですが、わかりやすく請求単価が、2,000円/hとしますと、8%で、消費税が、100円から160円に、10%では200円になる訳です。
年度ごとに単価交渉している派遣元が多いでしょうが、正直、こんなにアップをさせて頂くことは、至難の技ではないでしょうか。
それが、税として、我々のベースアップとは無関係に付加されることになります。
税なんで当たり前ですが…。
我々派遣業では、支出は、労働者への給与などが主となりますので、支払う方の消費税は、結構少なくなります。
求人広告や車や備品などの購入やリースに係るもの…etcというところでしょうか。
つまり、派遣先から請求に乗じてお預かりする消費税は、ほぼスルーで、納税することになります。
これ、実は結構な額になります。
だから、あんなことやこんなことやの香ばしい手法で、納税をごまかそうとする輩が現れるわけですが、それは違法なので、ダメダメです。
ただ、間違いなくそういう輩が発生するんだとは思いますが…。
また、増税時の派遣先のコスト意識の変化も要注意事項です。
派遣元のせいではないですが、現場では1円、2円のコストを下げるために、必死に頑張ってるのですから、いくら税とは言え、このアップは非常に憂慮されるものとなるでしょう。
事実、前回の3%から5%への増税時も同じことを経験しています。
当時、契約を継続させて貰うために、派遣元同士が派遣料金ダウンのチキンレースが発生させてしまったのです。
そして単価が下落してしまいました。
本来、だからこそ、マージン率という部分が何に、また適正に使われているかが分かること、また適正にさせること…が必要だったのですが、今回の法改正でも、それは盛り込まれませんでした。
だからこそ、あの時と同じ過当競争を繰り返してはならないのです。
業者同士の過当競争は、自らの首を絞めるだけなのですから…。
ではまた