不法就労、偽装派遣、偽装委託…不法の棲家 | 雇用維新 派遣?請負?アウトシーシング?民法と事業法の狭間でもがく社長の愚痴ログ

不法就労、偽装派遣、偽装委託…不法の棲家

旅館の仲居に中国人派遣で逮捕 不法就労助長容疑


 警視庁組織犯罪対策1課は19日までに、入管難民法違反(不法就労助長)などの疑いで、東京都杉並区上荻、派遣会社社長菊池光子容疑者(61)ら日本人3人と中国人2人を逮捕した。逮捕は17日。


 うち3人の逮捕容疑は、4月初旬から同下旬にかけて、在留資格上、就労できない職種と知りながら、中国人の女(29)=同法違反(不法在留)容疑で逮捕=を富山県黒部市の宇奈月温泉の旅館に仲居として派遣した疑い。


 同課によると、菊池容疑者は中国人の女ら計5人を旅館に派遣した際、仕事内容を「通訳」と説明していたが、実際には仲居をさせていた。


 逮捕された中国人の一人は、約200人の在留資格を偽って申請し、工事現場や旅館に派遣する中国人を菊池容疑者に紹介するなどしていたという。


(山陽新聞 2009年11月19日)



昨日(19日)のテレビ朝日の夕方の報道番組で、このニュースを放送していた。


派遣していたのは、未来国際㈱ という会社である。


本来働くことが出来ない外国人に、仕事内容を「通訳」などとして、派遣し、実際には仲居をさせていたという

のだ。


会社案内を見るところ、この社は、紹介事業の許可しか認可されていない。


業態として派遣と同じことを闇でやっていたということであろう。




ニュースでは、仲居として働いている中国人に客を装い話しかけ、その場面を隠し撮りしたものをモザイク掛けて放映していた。


そのシーン自体にも、何か嫌な感じがしたのだが、もっと嫌悪感を覚えたのは、旅館関係者のコメント…


旅館側は、この会社に業務委託していたので、不法就労だとは知らなかったと話している。



んなわけあるかっ!!ヾ(▼ヘ▼;)



この手の似非ハケン会社は、入職させても管理などはしていないケースが多い。


要は連れてくるだけのブローカーである。


「知らなかった」「はい、そうですか」で納得できるわけが無いビックリマーク




隠し撮りしたシーンでは、明らかに中国人と分かるイントネーションで話している。


たしかに仲居さんは、ハードワークだし、なり手が少ない状態だ。


しかも仕事に見合った収入であるかも疑問…。


旅館側がこの会社に頼ったのも、苦肉の策だったのだろう。


だが業務委託だから、関係ないでは済むわけが無い。




この手の不法就労ハケン会社は、非常に多いと考えられる。


リスクはあるが、ニーズもある…リスクが大きい分、メリットも大きい。


これら本来働けない外国人は、不法就労であるがために、文句も言わず、キツイ仕事も厭わない。


ちょっとした病気では、休もうとすらしない。


さらに普通の労働者より低賃金、保険、年金関係なし。


口コミで集まってくるので、募集費もかからない。


住居も1Rに何人かで住むので、タコ部屋状態でOK。


ここにこの手の会社(?)が多くなる理由があるのだ。




こうした不法就労、労務供給は、ニーズがある以上、絶対になくならない。


逆に禁止すればするほど、禁酒法のごとく、ニーズが増えていく…


今議論にある製造業派遣の再禁止、登録型派遣の禁止などは、そこにあるニーズを無視している。


それでは、不法の棲家を増やすだけとなる。


そうなって苦しむのは、労働者であることを忘れてはならない。



ではまたパー