No.243「ニッポン無責任時代」

基本的にあまり面白さを感じない作品だった。接待とお世辞だけでのし上がっていく調子のいい男の話に思える。高度成長期らしく、今考えられているマーケティングとか、業界分析とか、生産コストの削減とかテクニカル的なことはいっさいない。サラリーマンの哀愁をコミカルに描いた作品だ。当時はかなり人気だったというが、ジェネレーションジャップのせいだろうか、共感するところが少ない。

少し主人公の平均について考えることにした。彼は、タイミングとC調(調子)と無責任が大切だと言っていた。

しかし、行動力はある。思ったことはすぐに実行する能力がある。情報収集能力にたけている。ほとんど盗み聞きや相手にカマをかける手法だが、自分に役に立つ情報を手に入れるのがうまい。人を喜ばすのがうまい。宴会の達人。人を使うのがうまい。だたし、女には軽々しく手を出さないし、駆け落ちしようとする学生を手を貸したりする人柄がある。最終的には、会社は合わないとやめて、一人、孤独になる。

ある突出した能力があるのは確かだ。またこのように生きていけるのは羨ましく感じる。

それにしても、社長というのは女好きなのだな、いつの世も。

最近では、若者でも飲まない人が増えているというが、「芸事」「酒」の発展には貢献しない。そのことが少し惜しいと思う。