ものづくりエンジニアのたまり場ブログ・・・【mono-B-LOGue】 -4ページ目

私のFE(Foundamentals Engineering)試験対策(2)

この記事は、「私のFE(Foundamentals Engineering)試験対策(1)」の続きです。

試験の大体の流れと参考書について解説してきましたので、ここからは具体的な内容です。

[勉強計画]

初めは全分野満遍なくやろうと思い、約2か月くらいでFE Review Manualが1周終わるようなスケジュールを立てて頭からスタートしました。Review Manualの構成ははじめに理論や公式の解説と例題があり、その後演習問題という流れです。また、各科目ごとに模擬試験が付いているのですが、この問題は総仕上げの時に一気にやるつもりで初めはスルーです。
予定では1周終わった時点で一度模擬試験を行い、その後は苦手科目を重点的に潰していくという方針で進めていました。

しかし、なかなか予定と実際とは合いません。
解説部分と例題も一からじっくり読んでしまっていたのが原因なのですが、予定が少しずつ後ろ倒しになってしまいました。今から思えば、まず演習問題をやってから解説を読むような形式にすればよかったと思いますが、残り1か月を切った時点で明らかに時間が足りないという危機感を覚えました。
もう一つ、Review Manualは実際の試験より問題のレベルが高く設定されているということもあり、1問2分では絶対に解けないだろうという問題が山積みです。それでも2分という時間のプレッシャーを感じて、何度も心が折られそうになりました。その場合には1001 Solved Engineering Fundamentals Problemsこちらの方がレベルが低く設定されているらしいので、いらぬ自信喪失から解放されるために良いかもしれません。

そこで解く問題を厳選しました。

NCEESJPECなどでも、試験問題に対する各科目の割合が公開されています。これを参考に、重点的に対策する科目を絞り込みました。すなわち、捨てる科目を決めた、ということにもなります。
ここで注意すべきなのは、FE Review Manualの科目構成が完全に出題されうる科目と一致していないことがあることです。私が試験を受けた際には、Biologyは0%となっていましたが、FE Review Manualにはこの分野の問題が掲載されています。
何も見ずにやみくもにやってると、それこそ無駄な時間を使うことになっていました。

したがって、勉強計画を立てる際に、科目ごとの出題率を把握しておくことが重要です。

ひと通り各科目の勉強が終わった時点で模擬試験を行いました。
これが予想以上にきつかったのを覚えています。
技術士試験よりも時間的には長いことと、問題を沢山解くということはめまぐるしく頭の中を入れ替えていく必要があるので、まさにフル回転という言葉がぴったりな状態でした。
私は直前まで取っておきましたが、長時間の試験などに慣れていない人は、早めに実施することをお勧めします。

それと、本番ではReference Handbookは試験会場に用意された新品の冊子をつかうことになります。
勉強中に付箋やマーカーなどで目印をつけて、それに慣れてしまうと本番では式などが見つけられなくなります。
したがって、できるだけ目印を付けないで、索引から知りたいページを見つけるくせをつけましょう。
そのうち、あの式なら何ページ、と問題を見た瞬間にページを開けるようになります。そうなれば新品で試験を行っても怖くありません。逆に、それくらいReference Handbookの記述をベースに問題を解くようにした方が良いと思います。


[勉強時間の作り方]

勉強していたのは、帰宅後と電車の中です。
直前2か月前くらいから、早朝と会社の昼休みも追加しました。
早朝の勉強を行うようにしてからは早めに寝て5時くらいに起きて始めるというリズムに意図的に変えています。

Review Manualは普段持ち歩くには非常に分厚いので、科目ごとに切り離して持ち歩くようにしました。
式などを使う必要のないEthicsは主に電車の中で勉強しました。

電卓がないととても勉強する気にならなくなるのと、機能をできるだけ使いこなすために自宅用と会社用として二つ電卓を持ちました。これは試験に向かう準備の時に会社に電卓を忘れてしまった!とならないという意味でも心理的安心を生みました。


[まとめ]
個人的な感覚では、工学系の大学をちゃんと出ていて、要領よく勉強すれば十分受かることのできる資格だと思います。純粋に問題が解けるかどうかの評価であり、しかもひねった問題ではないということが根拠です。
もちろん、慣れは必要です。しかし、基本的な公式などを参照できる分、技術士1次試験よりもある意味合格しやすい、対策しやすい試験だと思います。

また、一緒に目指す同志や、経験者が周りにいることが大きな励みになりました。折れた心を無理やり(?)押し戻してくれたみなさんに感謝です。

FE試験受験を考えている人、がんばってください。
私は2010年の春のPE試験験を受験する予定です。


[更新履歴]
2009-07-31 12:00:00 初回投稿
2009-08-07 07:00:01 再掲

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私のFE(Foundamentals Engineering)試験対策(1)

以前記事で書かせて頂きましたが、今年4月に受験したFE試験(米国の技術士資格であるPEの一次試験)に合格しました。
PE/FEってなに?って方はこちらの記事を参照ください。

ざっと、検索したところ、この試験対策に関する情報というのはあまりないようなので、少しだけ書かせて頂こうと思います。PE/FEを目指そうという方の役に立てれば幸いです。
ただし、試験問題などについては他人に漏洩すると罰せられますよ、という書類にサインしていますので、あくまでどんな勉強をしたかというレベルで書かせて頂きます。

まず、FE試験について簡単に説明すると、試験の解説・問題・回答はすべて英語です。マークシート問題なので回答で文章を書くことはありません。しかしながら、そこそこの英語力は必要でしょう。ちなみに私は社内のTOEIC(IP試験)で605点ですので、公開試験に換算すればもう少し低いレベルになるはずです。それくらいでも一応大丈夫という目安になると思います。
受験を申し込むと、試験時にしてはいけないことや持ち込み許可されないものなどの注意書きが届きます。これを正しく読んで(読めて?)いないと試験すらできないこともありますので、それくらいは読解できる必要があります。

試験に持ち込めるのは許可された計算機のみで、筆記用具とReference bookという公式などが掲載された本は準備されたものを使います。
このあたりのルールをよく理解していないと、勉強していても当日そんなはずじゃ・・・となりますので注意が必要です。

試験時間はAM4時間、PM4時間の計8時間です。この間にAMは120問、PMは60問を解きます。1問あたりに掛けられる時間はAMで2分、PMで4分です。いかにせわしないかわかると思います。合格の基準は公開されていません。人によって感覚もまちまちなので、なかなか明確なことが言えないのが残念なところです。


さて、ここから本題です。
私が試験勉強に使ったのはこの2冊です。

FE Reference Handbook

FE Review Manual: Rapid Preparation for the General Fundamentals of Engineering Exam (FE Review Manual)

Reference Handbookは書店などでは購入できません。JPECで中古品の販売を行っていますのでこちらに申し込みます(上記リンク先参照)。

FE Review Manualは市販されています。書店で探すのは難しいと思いますのでAmazonなどネット通販で購入する方が便利です。ただし日本で買うと割高。アメリカに受け取ってくれる人がいて、転送する費用と手間を比べて条件がよければ現地のサイトで購入するのもありです。

私の同志でPEまで合格した人たちの中には、こちらの問題集も使って勉強している人もいました。

1001 Solved Engineering Fundamentals Problems

長くなりましたので、実際にどんなふうに勉強したかについては次の記事へ→「私のFE(Foundamentals Engineering)試験対策(2)

続きはこちら
(2009-07-31 12:00:00公開)

[更新履歴]
2009-07-30 12:00:00 初回投稿
2009-08-07 07:00:00 再掲

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【機械設計】電気-機械連成系の共振現象について

現在、機械を動かすのに制御装置の存在は欠かせなくなっています。
例えばエレベータのように人や物を上下に運搬するような機械では、原型は牛馬に引かせたり人力だったりしたはずです。
それが産業革命後、蒸気の力で動くようになり今のように電気の力で動くようになってきました。
当初はただ動く、止めるだった動作も、階に着くと自動的に扉が開き、同時にフロアの扉も開くようになったり、どの階でボタンを押してもそこに自動的にエレベータが到着するようになる。また、複数台のエレベータがあれば、各フロアで待っている人全員が不満が最小になるようどのエレベータをどこのフロアに向かわせるか、といった制御も行われています。
更に最新の高速エレベータでは、瞬間最大速度は増大する一方、乗ってる人に衝撃を与えないよう初動や停止時に減速するような配慮など、日々制御が高度化していきます。

基本的な動作や性能は機械構造によって決まりますが、利便性や乗り心地は制御方法に大きく依存していると言っても過言ではありません。

機械、特に可変速の回転機械の運転においては、制御装置が寄与するところは非常に大きくなります。ローター形状が複雑になればその分共振点が増えるため、加速時に共振点を如何に早く通過することや、またある範囲の回転数には固定しないことなど、非常にシビアな運転条件も制御装置によりクリアできるので操作する人の負担が大きく減ります。

このように、機械系と制御系の組み合わせで新たな価値を生む製品が世の中には沢山あります。
最近では自動車に制御技術は無くてはならないくらい重要なウェイトを占めるようになっています。

ところが、制御系の影響で機械系に悪影響を及ぼす事象も確認されています。

発電機や電動機の制御にて、制御回路のフィードバックループを構成する回路やソフトウェアから出る制御信号の周期と、回転機械のねじり固有振動数がマッチしてしまうことでも振動・騒音が問題になることがあります。
通常、回転数に起因する起振力と軸系のねじり固有振動数がある割合以上離れるよう軸系の設計を行います。また、発電機や電動機ではトルクリップルと呼ばれる微小トルク変動が常にあるので、これとねじり固有振動数がマッチした場合にも振動が大きくなる可能性があります。

この場合、ねじり固有振動数をずらすためにねじりばね定数を変えたり、制御装置内の制御パラメータや時定数を変えるなどして対応することが可能です。

なぜ制御信号程度で、と思うかもしれません。
制御機器が出す信号自体は非常に微弱です。しかし、その信号の出す指令通りに機器が力を出します。この司令が1秒間に10回、20回と出るわけですが、誤差も含めて常に同じ力を出すような指示にはなかなかなりません。その変動分があたかも振動をある周期で与えているようになり、共振という現象で増幅されてしまうのです。

ところでこの共振現象ですが、エンドユーザーに引き渡せる完成状態ではなかなかお目にかかることがない現象だと思います。

私自身も、自分が担当する製品で経験したことはありません。たまたま社内で振動問題に対して相談があったとき一般的な振動問題解決手順を伝え、解決したかどうかを確認した際に制御系との共振が原因だったと聞かされたのが初めてです。

しかも、制御パラメータをちょっといじるだけで解決してしまうということに驚きを覚えました。

このような現象は実はよくあることで、フィールドエンジニアの間では常識だったりするかもしれないと思いもしました。
ちょっと制御パラメータやフィルタの時定数をいじればよい、というノウハウがあって、機械系の設計部隊にはあまり知られずにきた可能性もあります。

一度ある現象について知ると、講習会などでその現象を話題にしたテーマが見つかると敏感に反応するようになります。ところが、電気-機械系の連成振動について話を聞いたのはこれ以降2回だけです。
私の情報収集の網がズルズルなのか、実際に話題に上ることが珍しいのか分かりませんが、あまり問題として一般的に認識されていないのではないかと思っています。

これからはとても重要な問題になっていくはずです。

このような現象が、こんな場で起きたと聞いたなど、差し支えない範囲でコメント頂けたら嬉しいです。

[更新履歴]
2009-07-14 19:00:00 初回投稿
2009-07-18 21:50:00 単独記事として再編集

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