モンゴルだるま@モンゴル語通訳・エコツーリズム普及仕掛け人兼業遊牧民です。

ウランバートルも大分暖かくなってきました・・・と書こうとするとどか雪が降るという・・・
さすが「女心と春の空」と言われるだけのことはある、というモンゴルの春です。

でも、この時期の降水というのは植物にとっては、甘露。まさに天の恵みです。
モンゴル語では、「春の雨雪はバター」といい、とっても貴重でありがたいものなのです。

さて、ようやく我が家の家畜の出産シーズンもピークは過ぎたようです。
まだ牛と馬の出産が若干残っているようですが、羊・山羊の出産はたぶん、もう終わりです。

まだ子羊・子ヤギは小さいのですが、そろそろ遊牧作業の年間ルーティーンワークである「子羊(子ヤギも)去勢の儀式」の時期がそろそろ近づいてきました。

子羊の去勢は、「夏の最初の月の3日=バルジンニャムの日」に行われます。
今年は5月31日土曜日がこの日にあたります。

今年の冬ー春に生まれた子羊・子ヤギとともに2歳の牛(去年生まれた牛)を去勢します。
去勢とは交配・出産のコントロールのために、種オス以外のオスの若い家畜の睾丸を取り出すのですが、あまり暑くなってからだと、傷口が膿んだり、ウジがわいたりして衛生面で問題があり、あまり早いとまだ睾丸が発達していないため取り出すことができないのです。

モンゴルでは、大体、ツァガンサルと呼ばれる陰暦のお正月が春の最初で、このお正月が終わったあたりから羊・山羊の出産が始まるように群の交配の管理をしています。

なので、夏の最初の月といえば、生後3か月前後ということになるのですね。
家畜の生態と縁起担ぎがうまく連動しているなぁ、と遊牧の知恵に感心します。

去勢は午前中(辰の刻から午の刻まで)に終わらせることになっています。

午前中の取り出した睾丸を、粟・黍やお米と少量のミルクと一緒に煮たお粥をいただきます。
あとはちょっとした宴をして、羊やヤギの健康や群の繁栄などを祝います。

大きな声ではいえないけれど2013年の子羊・子ヤギの去勢の儀式のときに大失敗してしまった「ご馳走=羊と山羊のたまたまお粥」は今年は絶対、おいしく作りたいと思っております。

いってみれば、白子粥ですね。
上質のタンパク質とミネラルがぎゅっと詰まったたまたまちゃんは、カキが「海のミルク」なら、羊のたまたまちゃんは「大地の生牡蛎」でございます。濃厚でなめらかな舌触りと歯ごたえ、癖はないのに濃厚でふわーーーっとした幸せが広がる極上の味。塩も砂糖もコショウもその他香辛料も使いません。

いわゆる「何も足さない・何もひかない」ナチュラルな味でこんだけ美味しく上品な味わいが楽しめる料理はモンゴルでは、非常に貴重です。



去勢作業をしてくれる方にも御祝儀をお渡ししたり、家畜のオーナーたちも「御祝儀」をいただいたりするらしいです。

でも、この儀式からまる3日間は「家の外に何も出してはいけない」という厳しいタブーがあります。
なので、恒例の「搾りたて牛乳」とか「フレッシュ自家製ヨーグルト」とか「クリームやチーズといった乳製品」も肉も毛皮も何も誰かに「プレゼント」することが許されないのです。

そういう意味では、この「羊の去勢儀式」は参加した人だけが味わえる美味しいイベントといえます。

今年はまだ馬を連れてくることができていないのですが、そのかわりにモンゴルの伝統的なゲーム(ナーダム競技にもなっている)を披露・伝授するコーナーも設けようと思います。
これは新企画で私もどういう段取りにするのかはわかりませんが・・・なんだかおもしろそうです。



【参加料金】
50,000tgで(車両送迎・通訳ガイド解説・儀式参加・遊牧体験・ウェルカムドリンク&おやつ・羊パーティー・タマタマ特製ポリッジ・希望者のみの無料プチ乗馬教室(1回20分程度)という一日プログラムにします。


10歳以下のお子様連れの親子ペアは、二人あわせて60,000tg(ただし、安全管理上、お子様の乗馬は引き綱をつけての10分以内の体験乗馬のみ)とさせていただきます。
現地まで自家用車でおこしいただける方は60,000tg(参加者1名様のプログラム全般と運転手さんのお食事・飲食込)

留学生の方 30,000tg

【定員】10名様

【スケジュール】
ウランバートル市内出発:8:00 (市内戻り:19:00くらい)
雨天・強風の場合は延期(参加確定のお客さまに直接ご連絡いただします)



参加希望の方は、
メール(mongolhorizon☆gmail.com(☆を@に変えてくださいね)までご連絡ください。
折り返し、申込みフォームをお送りし、詳細のご案内をいたします。
(アメブロメッセージによるお申込みは受け付けません)


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