モンゴルだるま@モンゴル国暮らし10周年で委託遊牧民の不正行為が次々と露呈して、やれやれ状態です。

無断で羊の数が足りない、とか、競走馬を勝手に転売されちゃったとか、子馬が狼に襲われて死んじゃった牝馬を食われちゃったとか、まぁ、それはそれで大きな財産的ダメージが大きい悪さなのですが、何よりも我々の怒りというか「こりゃ、もう妥協して春までなんて任せておけない」って決断させたのが、「繁殖用の種オス」を勝手に処分したり、群の種付けが終わってないのに自分の家族が別の場所で飼育している群のところに持っていったということや、勝手に種オスを取り替えたり、去勢してたという、繁殖作業がまともにできないようにしていたこと。

ツートン(2009年に初めて兼業遊牧を始めたときに購入したお尻以外が真っ黒なツートンカラーの種オス羊)は、知らないうちにいなくなっていました。

ガナーくんが今年9月購入したフフホツという名の体が蒼白色の大きな種オスは私たちの群ではほとんど交尾できていません。

さらに、2011年秋にあった改良品種・優良品種展示即売会でゲットしたスフバートルアイマグの名産種であるカシミア用の赤毛ヤギ「モートン」は、他のおじいさん種オス山羊に取り替えられていたのです。

11月末に私が一時帰国する前に取り替えられているのを私が発見して、「これは違う」と主張したところ、12月にある村一斉の家畜統計用の登録作業の際には、本来の「モートン」が戻ってきたよ、という話を日本できいてホッとしてました。

ところが、また12月下旬に馬の数が足りないことが発覚してもめた際に、モートンがいなくなっていることが発覚。かわりにやっぱりおじいさんの赤毛ヤギが・・・

警察呼んでくるって言っているあいだに、またモートン戻ってきてて・・・

完全に悪役キャラに徹することを決意したような委託遊牧民オラーナ&ローヤ親子は、ガナーくんをおちょくっている模様。

諜報活動をしてくれているご近所さんたちの話だと、ローヤおじさんの故郷ゴビアルタイ出身の遊牧民がちょっと離れたところにいて、そこにモートンをあげちゃっているらしい。

とにかく1月10日にすべての家畜の数・種類を揃え、足りない分はバイクと現金で弁償するぜ、と豪語していたオラーナ&ローヤ親子ですが、結局、当日は不在。

1月13日にあらためて出直したところ、足りなくなっていた羊16頭のうち、やっぱり10頭足りなくて、さらに「モートン」がいませんでした。
これがモートンだと主張されたのが、この方。

$新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-偽モートン正面


$新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-偽モートン



えっと・・・そもそも角の角度も太さも、違うし。おじいさんだし。


本物はこれ。

新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-リアルモートン正面
 

新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-リアルモートン

毛色違うし、足と体と頭のバランスとか全然違うっす。1年経って体が大きくなったとはいえ、角の形は変わらないし・・・




新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-リアルモートン耳環アップ

上、リアルモートンの耳環。

大体、耳環がついている位置も色も違うじゃないっすか
偽モートンの耳環
新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-偽モートン 耳マーク


この個体を「モートン」だと主張されても困ります。
そもそも、年齢が違いすぎるから。
ヤギの角はオスもメスも基本的には生えているもので、一生同じ角がくっついています。
だから、成長したからといって、生えている角のつけねの間隔が狭くなったり、角度が急になったり、ねじれ方が変わったりしないのです。

という比較写真をフェイスブックに出してみたところ、即座に「日本人のお友達」から「どこが違うのかわかりません」とのコメントが・・・

え、マジ?私には全然違うように見えるけれど、家畜を知らない人からすると、「おんなじに見える」ものなんですか?

似たように見えるから、がんばって主張してればバレないって思われても仕方がないレベルで酷似してますか?

まぁ、ともあれ、こういう不正をいろいろしてきたんですね、オラーナくんとローヤおじさんは。

外国人で家畜に慣れ親しんでない人にとっては、パッと見わからないかもしれないけれど、展示即売会で10何頭もの種オス山羊を見て回り、1時間もの値切り交渉で粘りに粘って苦労してゲットした「モートン」をオーナーである私やガナーくんが見間違うわけがありません。

切り札的には「今いる種オス山羊はこいつだけだから、文句を言わずにこいつを引き取れ」っていう居直り、開き直りでうやむやにするってことなんでしょうけれど・・・

ともかくも経緯について、今日、「家畜泥棒・詐欺撲滅協会」というNPOだか国のプロジェクト団体だかに電話相談しながら陳情書を作成し、電話で地元警察や地元の家畜登録係に説明した上で、ほんとにモートンを返してくれないようならば、法的措置に訴えるしかありません。

頭数的なところでは諦めかかっていた私ですが、固有名をつけて可愛がってきた家畜についてはやっぱり妥協はできません。

もう今回の冬の繁殖での成果はあまり期待できないけれど、無事にモートンと再会したいです。



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