モンゴルだるま@モンゴル語通訳・翻訳・コーディネーター・エコツアー仕掛け人兼業遊牧民です。

今日は日曜日。
干草がなくなった、と委託遊牧民のオラーナ君から連絡があったので、届けてきました。

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出発はなんと朝の6時半。

日が長くなってきたとはいえ、まだ真っ暗です。

未明の3時半ごろ「お前は連れて行くのはやめた」という意地悪な携帯メッセが入っていたので、「あ、そうですか。」と完全に寝坊する気満々で寝ぼけていたため、寝込みを襲われた感じで出発です。

なんでこんなに出発が早かったか?というと・・・

今日は、いろんな事情から、今シーズン最後の狼狩り(巻き狩り)とすることになっていたからです。

大体、狩りのシーズンは9月の下旬くらいからシカやイノシシなど肉に脂が乗ってくる頃からスタートし、11月末くらいにキツネなどの毛皮動物の毛並みがよくなる頃からピークになります。
12月から1月にかけては、オオカミ(ハイイロオオカミ)が発情期を迎えて、群を形成し、集団で家畜を襲います。オオカミについては、特に「シーズン」というよりは、「家畜が襲われたら、報復する」という姿勢でオールシーズン闘い(狩猟)が繰り広げられていますが、まぁ、ウィークエンドハンターにとっては、オオカミの毛皮や肉が目当てなので、やはり晩秋から初春くらいまでがシーズンといえましょう。

狩猟仲間の空軍将校さんとその部下たち総勢12名という豪華な狩猟となりました。
最初は、スナイパー部隊の青年たちが同行することになっていたようですが、急遽、練兵隊長の意見で、「行軍訓練中」の小隊をひっぱっていくことに・・・

スナイパーとか練兵隊とかって書くと、ものすごーくイカツク、おっかない感じなのですが、皆さんいたって気のよいナイスガイなのです。


キャリアと荷物いれのスペースが干草でいっぱいなため、ジープ2台に総勢15名+シェパード1頭が鮨詰め状態。

こういう状態でも、狩猟に行くなんてチャンスが少ない若い兵隊さんはかなりハイテンション。

「オレ、銃剣持って来ちゃった。オオカミと出くわしたとき、身を守らなきゃいけないからさ」とか、
「オオカミが人間を襲うのは、厳寒期の発情期だけらしいぜ」とか
「これからいくとこ、熊も出るのかな?」
「ばーか、熊はまだ冬眠中だろ」

などなど、すごく嬉しそうでほほえましいのです。
私はシェパードのソートン君と助手席に座らせてもらっていたのですが、、、後ろを振り向くと、ほほえましい会話とは裏腹に皆、むっちゃイカツイ体育会系の面構え・・・


そして、いつもはウランバートルからの出発時間であろう時間にベースキャンプとなる冬営地に到着です。


私や干草が下ろされると(もう私なんか、文字通り、お荷物扱い!)、早速、出発です。
というのもいつもはミルクティーとかでもてなしてくれる、オラーナ君の奥さんのムーギーさんが不在だから。

昨日、体調が悪いってことでウランバートルの病院に診察に行ったのだそうです。

オラーナ君のちゃっかりした目論見としては、朝イチバンの診察が終わったところで、私達の車に奥さんを便乗して連れて帰ってもらおう、ということだったみたいです。
というのも干草も、切羽詰って、今日明日でなくなるってほどの減り具合ではなかったから。

でも、そういうチャッカリした野望も男達のギラギラした狩猟本能の前には完全に崩れちゃいました。

そんなわけで、羊も放牧に出発しておらず、家畜小屋の中は羊と山羊のおしくらまんじゅう状態。
そして、奥さんがいないためオラーナ君が家畜の面倒を見ることになり、狩りにもいけませんでした。

さて、サッカーチームより大人数で挑んだ今シーズン最後の巻き狩りの成果はいかに?

(続く)


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