モンゴルだるま@モンゴル語通訳・コーディネーター・エコツアー仕掛け人兼業遊牧民です。
先日、ツァガンサルの年始周りの一環で、自分の家畜を預けている草原にいったときのこと。
全部で400kg弱の補助飼料(ふすまと燕麦)を運んだ、という記事を先日書きました。

前の記事はコチラ

でもね、、、せっかくあんなに欲しがっていた補助飼料なのに、「ふすまはいるけど、燕麦は今のところいらない」と言われちゃいました。


なんで?

というわけで、今回はクイズ形式にしてみますね。
一応、燕麦ってなんぞ?ということ含め、経緯などをご紹介します。

燕麦は馬の大好物なはずだったのです。

ツァガンサル前は、お隣の遊牧民から「借り」てまで与えていたはずの高級飼料なのです。

燕麦は1袋が約40kgで25,000tgでした。(最高ピークの厳寒期は30,000tg、ツァガンサル後は23,000tgになってました。需要状況で相場の変動が大きい餌であります。馬の餌です。)

フスマは、1袋が約40kgで6,000tg。(最高ピークで8,000tg。わりと安定していて、収穫期直後でも4,000tgくらい。馬、羊・山羊・牛など全ての家畜に与えます。)

馬は反芻胃を持たないので、一日中ちびちびと餌を食べ続けます。
暑さに弱いので、夏は夜、放牧して一晩中、草を食べさせます。
じゃ、冬の寒さに強いのか?というと、ある程度の寒さは耐えられるのですが、長期間続く寒波などだと、反芻胃を持たない分、すぐにおなかが空いて衰弱してしまう。
とっても繊細な家畜なのです。
家畜の中では多分、イチバン、神経質。

というわけで、毎日の使役に使う馬や体力が衰えている馬には、「フィードバッグ(餌入れ袋)」を首からぶら下げて、いつでも食べたいときに栄養価の高い穀類を食べられるようにしておくのです。

私のイメージではそういう使い方をしていただきたかったのです。

「フィードバッグ」をつけた馬ってこんな感じ。
新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-フィードバッグ
新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-フィードバッグをつけた馬


実はこの子たちは、お隣のカザフ人一家の競走馬。
ツァガンサルに村で行われる競馬に出場するってことで、11月くらいから調整を始めていました。

新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-チャワナ君と競走馬


同じ毛色で、同じ顔、瞳はボロルヌド(水晶の瞳)を言われる透明の碧眼の2頭です。元気そうでしょ?
夏の間は、私が行うエコ乗馬ツアーでも活躍してくれる馬であり、この馬たちのオーナーはお隣のカザフ人一家の末っ子・チャワナ君です。
彼も、乗馬ガイドをしてくれるシャイで陽気な青年。

モンゴル国での競馬は、いわゆる少年草競馬。
冬は10km程度(これでも短距離扱い)を6-14,5歳くらいまでの少年少女が騎手となって、雪原を一気に駆け抜けるレースです。

夏の競馬の競走馬の調教は、かなり食餌制限と汗をかかせて身体をしぼる、かなり厳しいものになりますが、冬の競馬では、汗をかかせるときはかなり気を使います。そうしないと、汗が凍って体力を落とすし、風邪をひいたりする危険もあるからです。

暖かくなってきたので、そろそろ在留邦人の方や卒業旅行とかでモンゴルにいらっしゃるかもしれない旅行者向けに乗馬ツアーも企画しようと思っていたので、馬達の体力をつけて欲しかったんだけど・・・

なぁんで、燕麦いらないんだろ?

なんでだと思います?

大好物のはずなのに、、、?


ヒントは下の写真を参照してくださいませ。

コチラはツァガンサル前の冬営地(ベースキャンプ)の北側

新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-雪の冬営地



コチラはツァガンサル後の冬営地(ベースキャンプ)の東側

新モンゴルまるかじり☆旅と暮らしの生情報☆-あったかくなりました


こういう遊牧民の知恵というか、家畜の性質を見極めたうえで餌を調整するっていうテクニックは、経験と伝承とセンスの賜物なんだろうなぁ・・・。

というわけで、正解は夜ぐらいにアップします。

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