スペイン対ロシア【eoro2008準決勝】 | ワールドサッカー【スーパープレイの館】

スペイン対ロシア【eoro2008準決勝】

スペイン対ロシアのレポートです。当然のように見ました。


結果、スペインの圧勝でしたね。ロシアにとっては、「あのシーンで・・・」という言い訳の余地を

しても虚しいだけの圧勝でした。


予選でも、スペインが圧勝していたので、それをどのようにヒディングが挽回してくるかという点に

注目していました。でも、手も足も出なかったというのが、最終的な結果ですね。正直、スペイン

相手の場合は、しょうがないです。もうね、自力に余りに差があるんですよ。オランダ対ロシアの

試合で、ロシアは本当に良いサッカーをしていました。相手の良いところを消して、自分達の

持ち味を出すという素晴らしいサッカーです。しかし、スペイン相手ではそれが通用しないという

ことが、予選を含めて決定的に証明されてしまいましたね。スペインは、個々のポテンシャルで

言えば、間違いなく大会でナンバーワンです。本来、それだけではサッカーは勝てなくて、幾度と

無くスペインが負けてきた原因としては、チームワークが悪いということがあります。しかし、今回の

スペイン代表は、チームワークも抜群で、アラゴネス監督の戦術が浸透しているため、それぞれの

選手が同じ方向を向いてプレーできています。こうなると、自力に勝るスペインを倒すのは、ロシアに

とって不可能です。しかも、アラゴネス監督は、あまり細かい戦術に拘るというよりも、自分達の

素晴らしいサッカーを常に見せることができるチームを目指してチーム作りしてきた監督です。

どんな相手であろうと、相手に合わせずに、自分達のスタイルで「絶対的な強さ」を追い求めて

きた監督なのです。さすがのヒディングも手を出せなかったのは、仕方が無いことかもしれません。


それにしても、サッカーは本当に難しいなと思いました。サッカーでは、よく「小が大を食う」という

ことが良く起こります。そのようなシーンでは、戦術や戦略で相手を攻略することが多いですね。

個人的には、それこそがサッカーの醍醐味だと思ってます。相手を分析して、それを元に自分達の

チームを作っていく。例を挙げるならば、オランダは大きな矛を持ったチームでした。とても巨大な

矛で、フランスだろうとイタリアだろうと粉砕してきた矛です。しかし、ロシアはこの矛を無効化する

術を持っていたので、後は凡庸なチームを倒す作業をするだけでOKでした。一方、スペインは

どうでしょう?大きな矛を持っているというよりも、全身凶器の素手で攻撃してくるようなチームです。

攻撃力全般のレベルが非常に高く、どれかを無効化する術は無いので、撃ち合うしか道は残されて

いないというようなチームでしょう。DF陣に不安はあるので、一発当てればグラつくことは充分ありますが、

真正面から撃ち合うにしては、ロシアにとって相手が悪すぎましたね。策を弄する暇すら与えずに、

手も足も出ないまま、ロシアはスペインにKOされてしまいました。長くなりましたが、「小が大を食う」

というのがサッカーの醍醐味であるにも関わらず、今回の試合のように自力に差があり過ぎると、

戦術や戦略が虚しく聞こえるほど、圧倒的な力の差で押し切られてしまうんだなということです。

現代サッカーは、均質化してきていて、基本的に実力の差が出にくいスポーツになってきたと言われて

いますが、今回の試合を見る限り、時には実力の差オンリーで試合が決まることもあるんだなと

思いましたね^^;イングランドのおこぼれで本戦へ滑り込み、グループ予選を一度スペインに大敗

しながらも2位通過したロシアは、まだまだ決勝進出できるほどの「絶対的な能力値」が足りなかった

としか、今回の敗因を分析することはできないでしょう。褒めるべきは、イタリアのように守備的な

サッカーで、1-0の勝利を目指すわけではなく、しっかりと攻める意識を持って選手がプレーをしていた

ことですね。


これで、僕の希望通り「スペイン対ロシア」が実現しました。優勝国予想のスペインですから、もちろん

スペインが勝つと思っています。足元で繋ぐスペインと、高さを活かした攻撃を展開するドイツという

構図になりました。きっと、おもしろい試合になること間違い無しでしょう^^スピードに難があるドイツの

DF陣であれば、フェルナンド・トーレスが活躍するのではないかと思います。基本的に、スペインの

ポゼッションサッカーにトーレスは合っていないのですが、ドイツ戦はきっと活躍してくれると思います。

それにしても、イニエスタは上手かったな^^シャビが引退した後も、過不足なくゲームメーカーの座を

務めてくれそうなので、若いスペインの将来は明るいと言えるでしょう。