年末に書きたかったのですが他のネタを優先し書けなかったものに、スピードスケートの清水宏保選手の引退があります。取り分けてスピードスケートが好きな訳ではないのですが、清水宏保選手は印象に残る選手でした。しかし走り自体(フォームとか)が印象に残っていると云うよりも、あの小ささで(162センチしかないそうです)ハイデンに勝ったという事実。どのレースだったか忘れましたが、ハイデンの左に立つ清水選手は、そのカラダ全体がハイデンの右足と同じくらいの大きさだったことを、その映像を、今でも鮮明に覚えています。

 そして何よりも清水選手が云った(とされている)言葉。「限界は自分の脳が作る」・・・まずイメージの世界で記録を破らないと、仮に体の能力は記録を破れるレベルに出来ていても、記録の壁は超えられない。私はこの清水選手の言葉が、単に記録を作るための秘訣であるだけでなく、いやむしろそれよりも、果敢に世界に挑む、自らの限界を越えていく決意と勇気に聞こえて、とても好きでした。今でも好きです。

 PUSH THE LIMIT. 精神的な・心理的なJUMPがなければ人は壁を越えられません。そして精神的なJUMPをするためには、やはり勇気が必要でしょう。清水宏保選手は、とても勇気のある選手でした。清水選手引退。肉体が精神の設定した壁を越えられなくなったのか?或いは精神が高い壁を設定できなくなったのか?清水選手は多くを語りませんでした。でもそれはいいのです。また違った形で清水選手がLIMITをPUSHしていかれることを信じ、心の中で応援したいと思います。清水宏保選手、感動をありがとうございました。