(証券取引等監視委員会による当社に関する処分勧告については、つぶやきの末尾に追伸として記述しております)

 米国のスノー財務長官が辞任し、替わりにゴールドマン・サックスの会長であるポールソン氏が就任するそうです。クリントン政権時のルービン氏に続いて、ウォール・ストリートの投資銀行の現役経営者からの抜擢です。ルービン氏の評判が良かったので、ブッシュ大統領としてもそれにあやかりたいというのもあるでしょうが、それ以上に実質的な理由があるように思えます。

 米国は世界の銀行のようなものです。国としての借金をどんどん増やす一方で、世界中に投資という形でリスクマネーを供給しています。銀行にとっての預金は借金ですから、預金をどんどん増やす一方で、貸付けという形でリスクマネーを供給する商号銀行とそっくりです。投資銀行に到っては、貸付けよりも「投資」でリスクマネーを供給しているので、更に酷似しています。その投資銀行の経営者が、世界の銀行である米国の金融サイドの責任者になるのは、「むべなるかな」という感じがします。

 米国の銀行化を理論的に肯定し裏付けたのはルービン氏ではないかと思うのですが、クリントン政権とブッシュ政権とでは金融を重視する姿勢が随分違う気がするので、新財務長官の負担はかなり大きいでしょう。お手並み拝見ですね。


 追伸:当社は、昨年11月から証券取引等監視委員会による定例の検査を受けておりましたが、本日、当社の体制に不備があり法令違反に該当するとして、同委員会から金融庁に対して、行政処分等の適切な措置を講ずるよう勧告が行われました。

 体制の不備とは具体的には、お客様の勤務先の親会社又は子会社に上場会社等がある場合の内部者登録体制が構築でてきていなかったこと等、「顧客の有価証券の売買等に関する管理が不公正取引の防止上不十分な状況」と、本年2月27日に実施された大阪証券取引所の売買システム変更に先立ち、当社の夜間取引「マネックスナイター」への影響範囲について適切な確認および必要なプログラム修正を行っていなかったことに起因して、同日の「マネックスナイター」において大阪証券取引所を主市場とする銘柄の一部について取引価格を誤って算出するという障害を発生させたこと等、「証券業に係る電子情報処理組織の管理が十分でないと認められる状況」の2点であります。

 日頃より内部管理体制の充実に努めて参りましたが、このような勧告が出されたことについて心からお詫び申し上げます。当社では今回の勧告を厳粛に受け止め、今後、更なる内部管理体制の強化に取り組み、役員・社員一同、証券会社としての社会的責任を果たして参る所存です。