日銀総裁に関しては、今迄に何度かつぶやいたことがあります。代表的なものは2003年1月15日<日銀総裁 その1>、翌1月16日の<日銀総裁 その2>、更に翌1月17日の<日銀総裁 その3>、同年2月24日の<福井総裁>などです。日銀総裁は専門職であり、経済・金融に関する深くて広い見識が必要で、強い意志と、時間軸を含んだ巧みな戦略を考えられる能力があり、且つ極めて高いモラルが要求されると考えてきました。

 しかし更に、もう一つ大変重要な資質が必要であることに気が付きました。今日、「量的緩和解除の可能性」に関する報道の中で、福井総裁との一問一答を新聞で読みました。デイリーの活字媒体で、久し振りに感動を覚えました。金融市場に対する深い理解は言うまでもなく、更にその慎重且つ緻密で堅牢な論理展開に留まらず、福井総裁が市場との対話を如何に重要視しているかがヒシヒシと伝わってきました。

 そして何にも増して驚いたのは、その日本語の美しさです。コミュニケーションの大切さ、言葉という道具の可能性と重みを知りました。お世辞を言っている訳ではありませんが、一つの尊敬すべきスタンダードとして、忘れないでいきたいと思います。