経営統合とは中々難しいものです。

 何が難しいかというと、2社が一旦くっつくと、相手方の問題も自分の問題になる訳で、文句を言うことは自己否定、天に唾を吐くような行為になる訳ですから、文字通り引き返しようのないイベントです。しかし相手の問題点が当初から全て分かる由もなく、これは悪意がなくても、会社によって文化も常識も違うので、結果として相手が見たかった点を見せてないということも起きうる訳です。

 だからこそ、駆け引き・打算を超えた、全体として相手を理解・受容し、お互いに丸飲みする覚悟が必要だと思います。そしてそのような決意のないM&Aは、中々実現出来ず、或いは実現しても、行く末はあまりうまく行かないのでしょう。

 M&Aは「ディール」ではなくて、もっと根本的な融合であり、人と人との作用だと思います。 先ず最初に価値観の共有が語られるべきでしょう。

 幸い当社は複数回の経営統合・合併を無事に行ってきましたが、最近の世間の動きには疑問があります。一方であるべき方向に軌道が修正されつつあるようにも見えるので、当面は静観したいと思います。