娘が生まれる以前はたまに先乗りで北京に行っていた。
そんな時たった3時間でも飛行機内を有意義に過ごしたいと思うものである。(私だけ??)
隣をふと見ると40~50代のおじさんが窓際に座っていた。
楽しく会話するには・・・どうかな~~。
それにしても北京に何しに行くのかな?
服装からしてどうみても仕事ではなさそう、まだ出発していない外の景色を
写真に収めたり落ち着きがない。
今日はお話相手にはなってもらえそうにもないか・・・
出発し飲み物についで機内食が運ばれてきた。
その男性、スッチーさんに何か質問しているけれど通じない様子。
私に通訳してくれと乗務員のほうから言ってきた。(ただ単に日本のビールをくれと言っていたんだけど)
それをきっかけにそのおじさんと会話をする事になった。
その人は一人旅をするべく北京に向かっていた。
えっ???何も中国語話せないのに?
北京の西駅に行って電車に乗って????なんという恐いもの知らずなんだ~~。
北京はおろか、初の海外旅行を10日間も中国国内を一人で列車で・・・・
独身だというおじさんは自分の考える中国人についてペラペラとしゃべりまくっていた。
その会話の途中・・・・???、それ?もしかして私の主人の事では???
いや・・・・・この内容からしてそれを発表するのはいかがなものかと思われた。
だってどう聞いても誉めてはくれてない!
でも聞けば聞くほどそれって家の主人の話じゃありませんか??
私は決して親切な人ではない、でも主人の事を悪く言われたとはいえ、なんだかこの人を
一人北京にほっぽり出す事はできなかった。
それは50才を目前にして一人で無謀な旅にチャレンジする、直前になって一緒に行く予定になって
いた人にキャンセルされたこの人がかわいそうになった、ただそれだけ
この無謀なおじさんは今だ列車の切符も手にしていなく、北京のオフィスに取りに行く
約束をしていたのだ。(日本の旅行会社にぼられてると思い込み現地に頼んだらしい・・・)
結局私は主人の話をしチケットをとる事になっているオフィスまで送って行く事にした。
北京空港には主人の母が迎えに来てくれている。
義母は私が見知らぬ男性と出てきたのでびっくり。たどたどしい中国語でなんとか
説明して送ってもらう事を了承してもらった。
するとそのおじさんが行方不明に。
「あ、すみません、ちょっと両替を・・・・」
終わってふと見るとまた行方不明!
探すとなんと外でタバコなんかのんびりと吸っているではないか!!!
あーた、そんな場合かい??
一応主人の携帯番号を教えてその人とはオフィスで別れた。
主人にその一件でしこたま怒られたことは言うまでもない。
「これ以上関わりたくない人だったのになんてことをしてくれるんだ、私の母まで巻き添えにして!!
家はタクシーじゃないんだよ、そんな田舎の人っぽい真似は止めてください」
一期一会・・・
あれから5年今でもその人は「奥さんはお元気ですか?」という問いかけと共に今だに主人にコンタクトを取ってきている。
あとは私知りません~~
おじさんは今でも無謀な中国の旅を続けているらしい、相変わらず、中国は・・・中国は・・・
と持論を展開しながら・・・。
いつの日か、自分がどれだけの
中国人に助けられて旅をする事ができたか気づいてもらえるといいけれど・・・