象亮 第七話「カメレオン網」(前編)
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亮は、自室で原作版仮面ライダーを読みふけっていた。
綾「しかし亮くんほんとに仮面ライダー好きだね…よく最初のコミックなんか持ってたね」
亮「何年か前にコンビニで売ってたからな、それを抑えたのさ。それにしても…」
亮が読んでいた話は「13人の仮面ライダー」という話である。
この話の内容は、本郷猛がショッカーライダー軍団に敗れ戦死するという内容だった。
そして、この回のラストから主人公は一文字隼人にバトンタッチする。
亮「おい、バッタ…まさかお前と同種類の仲間ってあと12人もいねえよな?」
象飛蝗(しょうほっぱー)「確か俺と色違いがあと十何人か…」
亮「おいおい…いんのかよ;;」
綾「なんかビビってるみたいだけど…なんで?」
亮「死にたくねえからに決まってるだろ」
綾「なに、漫画見てビビったの?」
亮「そりゃあビビるさ…仮面ライダー名乗ってる以上いつ死ぬ目にあってもおかしくねえんだから」
綾「それもそうか…」
意外と臆病な亮であった。
亮「死んだら綾ちゃんいじることもできなくなるし^^;」
綾「亮くんの場合死んでも意地悪しに夢に出てきそうだよーー;」
第七話「カメレオン網」
翌朝、学校に行ってみると…皆何かを必死で探していた。
亮「どうしたんだ?」
亮は例によって戸次を捕まえて、事情を聴く。
戸次「いや、昨日忘れてったモンハン入ったPSPがねえんだよ…」
洋井「俺のもなくなってるんだ」
亮「そんなもん学校に持ってくるおめーらが悪いんだよ」
戸次「そういう問題じゃない!いま学校中のみんなが忘れ物・置きっぱなしにしてるものが行方不明になって大変なんだよ!」
綾「えー!」
小梅「そーなのよ、あたしは備え置いていたフリスクがなくなってて…綾かな?」
綾「あたしじゃないよ!」
小梅「綾だったら空箱だけ残してるからわかる^^;」
山彦「おれはハルヒの消失が消失した」
亮「綾ちゃん、広瀬の座布団持ってけーー;」
綾「あー!あたしの体操着がないー!」
亮「んだと!うらやま…じゃなくてとんでもない奴がいやがる!」
綾「おーい!今最初なんて言おうとした!?」
みんなして何らかのものがなくなってる中…
亮「おれは机になんも残してってないから大丈夫^^」
と、ひとり余裕綽々の亮。
亮「さてと、もう始業だから席に座るか…よっこいしょういち」
ズッテーン!
亮「いって!なんだこりゃあ!」
綾「亮くん、椅子もないのに何やってんの?」
亮の席からは椅子が消えていた…つーか机もなくなっていた。
亮「なんでやねん!」
綾「盗むものがないから席を持ってったんだね^^」
戸次「一人だけ余裕ぶっこいてるからだw」
皆の笑いの種になる中、亮は切れた。
亮「ふざけたことやってる野郎がいやがるな…おれが見つけ出してぶっ飛ばしてやる!」
この一連の騒ぎは象変色蜥蜴(しょうかめれおん)の仕業であった。
象変色蜥蜴「ハッハッハ、パニクれパニクれ…」
この象変色蜥蜴の目的は、犯人探しによる混乱を引き起こすことであった。
そして、身体がカメレオンのように保護色となっているため、校内にいるのに皆には見えない。
象変色蜥蜴が陣取るのは、亮のクラスの横にある階段の踊り場。
象変色蜥蜴「犯人探しで消耗しきったところを学校ごといただかせてもらうぞ…」
そのとき、象変色蜥蜴の前を、亮が通りかかった。
亮「くそっ!犯人はどこにいやがる!」
ボカッ!
象変色蜥蜴「いてっ!」
亮は壁を殴ったつもりが象変色蜥蜴を気づかずにどついていた。
亮「あれ?今壁がしゃべったような…気のせいか」
亮は他のフロアへ向かう。
象変色蜥蜴「おーいてて…人間のくせになんてバカ力な野郎だ」
しばらくすると、綾も通りかかる。
綾「まったく…亮くんも猪突猛進なんだから…あら?貼り付けの校内新聞が落ちてる」
綾は新聞を拾うと、壁に貼ろうとした。
綾「あれ?なんか人がいるような感触が…」
象変色蜥蜴は耐えた。
綾「なんかきもちわるー…」
綾は不気味そうに壁を睨む。
そのとき!
亮「くそ!見つかんねえじゃねえか!」
ドグワシャ!
亮が舞い戻り、再び見えない象変色蜥蜴に蹴りを入れる。
綾「どこまで行ってきたの?」
亮「行きすぎて隣のコンビニまでジャンプ立ち読みに行ってた^^;」
象飛蝗「おい、なんか象外鬼の匂いがするぞ…」
亮「なぬ?」
象変色蜥蜴「いい加減にしろー!」
象変色蜥蜴は、とうとう正体を現した!
<後編へ続く >