併願と男子校について質問がありました。

ご家庭の方針によります…としか言えないのですが。

 

まず、一般的に併願の話。

 

<併願校の考え方>

「大学付属がいい」「絶対男子校!」「共学じゃなきゃいや」という希望がある方は、ほぼしばりになる感じですが、それ以外だと一般論も含めて併願を考えるのによく言われるのが

・W型

・M型

・上昇型

・下降型

という言葉。

受験雑誌などでみかけたり、保護者会できいたりします。

 

上昇型は、最初に合格をもらってはずみをつけて上を狙っていくパターン。

下降型は最初に第一志望、もしくはチャレンジ校を受け、そのあと足場を固めるパターン

WとMはチャレンジと適正と抑えを組み合わせていくパターンですね。

 

自分の適性値の所だけを受けてしまうのではなく、バランスを考えて受ける必要が出てくるのです。

最初が崩れたらガタガタになりそうな子は上昇ラインがいいし、都内有名難関中をうけるのならば必然的に3日まで縛りができてしまうので、下降型になってくるのは仕方ない。

 

そのあたりの状況を想定しながら組んでいくのが併願です。

 

都心に住んでいて、1月校含め

「全方位迎え撃てる!」

「1月で通学先を確保して、2月ははずみをつけてのチャレンジ」

という地域の方はラッキーですが、神奈川も下のエリアの方になると

「1月校で埼玉受けても千葉受けても通学は現実的ではないしなぁ…」

という感じで、本当に通学する学校は2月勝負になってしまうので、どこで合格をもらうのかという選択はとても大事です。

併願校は本当に悩みます。

 

都内に隣接した所はともかく、神奈川男子は成績と居住地によって割と似たような受け方になってくるのではないかと思います。(慶應は別格でお願いしますね)

神奈川男子御三家(栄光・聖光・浅野)にはどこかでチャレンジしたいよね…という気持ちのある子は結構いる。

私の主観と、このエリアでよく聞いたパターンでは

 

●神奈川二光(栄光&聖光)に余裕~適正層

前受→海陽(給費)、灘(遠征)、栄東(東大)、渋谷幕張

1日 どーんと都内の難関校を受ける。

2日 栄光か聖光(問題傾向的に、1日開成→2日聖光派か、1日麻布→2日栄光派が多い。)

3日 浅野か都内難関校

4日 聖光②(栄光は2日の1回のみの入試だが、聖光は2日と4日の2回入試があるので、2日に栄光を受けて4日に聖光を受け合格という二校ダブル合格もやろうと思えば可能)

※この偏差値にある子は、とにかく午前中だけに集中し、翌日の勝負に備える的な感じで午後受験は勧められなかったりします

 

もちろん連日連戦難関校受験になります。

一応4日のサレジオB(61)、5日の逗開③(60)をとり候補にいれてはおく…という話はいくつかお聞きしました。

 

●神奈川二光適正~-5以内
前受→海陽(給費)、栄東(東大)、栄東A、函館ラサール(東京)、愛光(東京)、渋谷幕張、市川

1日 午前は慶應普通部、サレジオA、逗開①、都内にでる

午後 余力があれば、鎌学算数、都内などの午後受験

2日 栄光か聖光

3日 浅野(公立中高一貫校もいくつかあるが、対策時間がとれるかどうかにかかっている微妙なライン)か都内

4日 聖光②かサレジオB

5日の逗開③

 

3日に栄光か聖光の合格がどちらかわかって終了!という家庭もいらっしゃいました。

2日が勝負なので、1日に確実にとりたい逗開、サレジオ、鎌学ラインで合格をとると安心ではあるのですが、いずれも発表は翌日。なので、不安があれば1日の結果をみて2日の午後受験をいれる必要もある

 

追記(2017/12)

我が家はこのグループでした。

一月の千葉を受けなかった理由は、渋幕→問題傾向があわない(過去問にさく時間を2月にあてるべきではないか)、R4的におちるの前提になるということで受けず、市川は場所的にメッセで練習とは違う空気、点数配分が4科均でうちの息子のが2月にうける学校傾向と違う…ということで受けませんでした。

 

●チャレンジ層

1日 サレジオA、逗開①

午後 場合によっては午後受験

2日 栄光か聖光、もしくは鎌学、

午後 1日の結果が出ているので、場合によっては午後受験検討

3日 浅野も出願済ではあるが、1日の結果が悪ければひっこめてギリギリまで出願できる逗開②に修正(浅野&公立中高一貫で盛り上がる裏をつく)。

もしくは、2日午後を受けて結果が〇なら浅野でいく

4日 サレジオ 鎌学③

5日 逗子開成③

 

的な?
結構極端にかきましたが、終了母にきくとこのパターン多かった気がします。

 

合否によって、上り調子に変更パターンの方、早期終了の方、思わぬ苦戦で長引いた方…などいらっしゃいましたので、型にしばられずに色々なパターンで想定しておくのは大事なことかと。

 

追記(2017/08)

息子の受験した年の予想R4は聖光68、栄光67、浅野64と差があったので、神奈川男子御三家でまとめず上では二光として書いています。

 

2018年は鎌学が1日入試に参入してくるので、志望順位によってはまたちょっと変動でるかな?という気もします。

ちなみにSFCも二光志望あたりにはいいR4なのですが、2日に1次、4日に2次…となるので、自動的に二光は受けられないパターンになってしまいます。

1次通っても必ずしも安全ではないことをどうとらえるか…

という訳で、慶應希望な方は慶應系&大学附属で固めていらっしゃった印象があります。

 

神奈川某限定エリアでの説明になってしまいましたが、それ以外にお住まいでも

「このエリアならで併願組むとどんな感じが多いの?」

「うちの子の志望校と似た感じの問題の学校で受験すると、どこがいいですか?」

というのがお知りになりたい場合は、塾の先生にお聞ききするといいと思います。

だいたい先輩方が似たような悩みを絶対もっていたはずなので、納得できる答えがかえってくるかと。

例えば、同日受験でR4的にも立地的にも大丈夫と思っている学校が2つあった場合、先生にお聞きすると

「○○君は性格的にはこっちかな」とか「問題傾向的にこっち」という提案があったりします。

 

普通にしていても、併願作戦的な保護者会(昨年は9月下旬開催)がありますし、毎年進学レーダーが併願校特集を組んだりもするので大丈夫です。

 

合格をもらったあとの手続き締切や返金などをあらかじめチェックしておくのも大事です。

「ここの発表の前にこの学校手続き締切っちゃうの?」とかの悩ましい問題も出現します(笑)

 

<男子校について>

我が家は別に「何がなんでも男子校!」と思い定めた訳ではないですし、むしろ母としては「共学楽しいよ」と自分の経験を踏まえてすすめる部分もありました。

ただ、エリア的問題とでもいいましょうか…神奈川でもこの地域はR4的には上位にあるのが男子校群になるので、ある程度のR4を越えると自然とその流れにのって、男子校を多くうけることになります。

そして、併願では共学も検討する方が成績的には楽。

なので

「絶対男子校!」「共学以外考えられない」となると、受ける学校に結構しばりはでてしまいます。

 

追記(2017/06)

息子が受験したのは2017年なのですが、今公式にみられる予想R4が2018年版なのでそれで書きますね。

R4が50以上の学校をピックアップすると…

 

聖光1(男)→69

栄光(男)→65 

浅野(男)→64

慶應普通部(男)→63

慶應湘南藤沢(共)→63

サレジオA(男)→60

逗子開成①(男)→58

※県立相模原(共)→58

※横浜サイエンスフロンティア(共)→58

※横浜市立南(共)→57

中大横浜①(共)→56

神奈川大A(共)→55

鎌倉学園1(男)→54

青山英和A(共)→54(2018 共学化で新設)

公文国際A(共)→54

桐蔭中等①前(男)→54

法政第二①(共)→53

※県立平塚(共)→52

森村学園①(共)→51

山手学院A(共)→51

湘南学園A(共)→51

 

わかっていただけますでしょうか。(複数回入試のところは回数によって上下する…というか後期日程は上昇する事が多いのですが、とりあえずどこも初回R4で)

男子校と共学の配置…

60以上だと慶應湘南藤沢をぬくと男子校しかない…

※は公立なので、内申書的なものも左右するし試験も独特なので我が家は除外しました。

 

共学か別学にこだわりすぎるとバランスをとるのに難しくなるし、かといって受ける以上はその学校に入るという可能性もある訳で。

上にあがっていない他の神奈川男子校も、校風や教育方針は魅力的なんですよ。

ただ2年間この世界にいるとやはりなんだかんだ偏差値にしばられてしまう哀しさよ…「全く偏差値気にしません!」とはなりませんよね。

男子校以外考えられないから、持ち偏差値よりかなり余裕のある学校に進学するか…悩ましい問題です。

 

我が家の息子は鋼のメンタルの持ち主ではなかったので<最初手堅く1日をとり、その後チャレンジする>パターンにしたのですが、なんと受験直前に体調を崩して高熱を出すという事態に陥り、体力も回復しないままスタートをするという何とも不安な感じで始まりました。

 

前半で合格をとる予定だったけれど、もしそれがダメだった場合、残りの学校は限りなく怪しくなります。

ひょっとしたら全滅パターンもあるかも?という不安に(私が)襲われました。

今の体調の悪さ、集中力のなさ、体力消耗具合をみたら、R4的に余裕のある学校でも、とても安心だとは言えない。
もっと下げるべきか、午後受験を更に投入するべきか…どうしよう、どうしよう。この併願、間違っていたのかな?という考えがグルぐるとまわりました。

 

1月校は違いますが、2月校は偏差値に差はあれど親的には「この学校に通ってもいい!」と納得して組んだ併願でした。

また、子どもと相談をかさねて決定したと思っていたのですが、実は違ったようで…

本人どことなく、

「絶対自分は志望校に合格できる」

的に考えていた様子。

体調が悪かった中合格をいただけたので、全滅は免れたと安堵しながら

「進学先1校確保できたね」

と声をかけたところ

「この学校、本当にいい学校だよね?」

的な確認をしてきました。

合格がわかった学校に進学可能性があるかも?ということがわかって初めて現実を認識したようです。

 

校風だ、進学実績が良い…などで理解はしていても、我が家みたいに幼い子どもは、はっきり言えば自分の平均R4より上の学校に行きたいんですよね。

チャレンジ校に受かったらそりゃ最高。

その他は受けるけれど、進学先としては本気で考えていなかった…こんな感じでしょうか。うちの子こだわらないと思っていたので、そこは「へー」って感じでしたが。

 

確かに今までの受験生活、4科平均の1ポイントをあげるためにどれだけ努力したのかっていうのを思うとまぁ、その気持ちもわからないではない。

5ポイント下、10ポイント下の学校だったら、ここまで追い込みかけなくてもよかったよね…って話もありますし…母さん公開模試で一喜一憂しておいて何だよ!って感じもあるのかもしれない。

とは言え…もちろん全滅してしまうよりは合格は欲しいもの。(これ前提)

吟味に吟味を重ねて、2月の連戦のご自分とお子さんの状態(絶好調&絶不調など)を色々想像して組んでください。

 

併願といえば…5年生の時の保護者会で

 

「逗開→鎌学→逗開(浅野)→鎌学→逗開か鎌学っていう感じでひたすら同じくらいの学校ばかりを受けるの危険だからやめてくださいね」

という話を聞きました。

(今はちょっと差がついていますが、この時の逗開と鎌学は接戦だったのです。)

参考:2015年予想R4 2016年予想R4 

熱望だからそこで固めたいって気持ちはわかるけれど、だったら午後受験でもいいから確実な合格をとりなさいよ…的な。

(複数回受験の点数優遇的なメリット(いいとこどり的なもの)は、上位校ではほぼありません。複数回うけた子に合格が多い!入試期間中も確実に伸びている…という説明はありますがその日の実力勝負です)

 

その時は

「そんな併願組む訳ないじゃない」

って思いましたが、今ならわかる。

R4適正がそのあたりなら、そこで何としても落ち着いてくれないか?という親の願いですよね。

ただまぁ、実際やるとなるときついものがありますが。

 

入試が終わってみると意外と人間、割り切っているようで欲に縛られていきているんだなぁという感想です。

(身も蓋もないか?)

 

その欲の原因の偏差値表(笑)

※四谷の結果。

http://www.yotsuyaotsuka.com/njc/

 

※日能研の2017年結果R4はこちら

 

その併願リストにある学校名をR4表で日にちごとにチェックしてみると、現在どう受けたらいいのか全くわからない場合でも併願候補としての学校がわかるので考えやすいかもしれません。

 

あとは学校説明会でも意外と併願状況なんかは話題にするところもあるのでチェックです。

 

男子校に話を戻して…

 

「今は女子が強いから、人数で女子をおさえても結果的には役員なども積極的に女子がうけてしまい、男子はおされがちです…」という話を色々な学校で聞きました。

あとは、共学の場合は1クラスの人数少なかったりしますが、男子校はある程度むれないと意見がでてこないから1クラスの人数が多い所が多かったり。

共学では高校になるとお互いを尊重しあって役割分担も自然にできるようになりますよ…っていう美しい話も聞きました。

 

男子は中2くらいまでは「男サイコー!」「うるせー女子いないパラダイス」的に盛り上がるけれど、中3で「女子がいない!」という(悲しい)現実にぶちあたるとか。

それを解消するために高2くらいで理由をつけては予備校にいって女子がいる環境に身をおく子もいるとかいないとか。

 

まぁ、でも…姉妹がいるとか、登下校でもてるとか、なんだかんだ免疫がある子はどの環境に身をおいてもうまくやるんじゃないの?って気もします。

うちは絶望的だけれど…(笑)

 

追記(2017/05)

別学をうたっていた神奈川でも共学化の波がきてるなぁという気がします。

2018年は横浜英和(青山英和)が共学化されますし、先日桐蔭学園が2019年から男女別学を共学のうえ中等教育学校に一本化という予定も発表してましたね。

横浜高校も2020年から高校は共学化して、中高一貫コースは男子校として継続するということのようです。

男子校の説明会で 「男子校出身者は、もはや絶滅危惧種と呼ばれてもおかしくない状況 」なんてお話もききました。なので今後の10年20年でまた大きくかわるのかな…

 

男子校、ご興味あるかたは毎年やっている

神奈川私立男子中学校フェア

にお子さんといかれるのもいいかもしれません。

 

また、今現在の偏差値だけではなくて、過去のR4の変動をご覧になりたければ、上記にあげた日能研R4をさかのぼっていくとみる事ができます。

http://www.nichinoken.co.jp/np5/schoolinfo/pdf/r4/expect/r4_1806_e_m.pdf


この1806の所が、2018年受験者の方用の6月のR4ということです。

毎月でる訳ではないのですが、出る月は決まっているので

1806 → 1706

にかえれば2017年のが見られます。

最終的には2009年までさかのぼれるかな?

時代でどう学校選びが変わってきているのか、のびた学校はどうなのか?など個人的に楽しむにはいいかと。(対お子さんに関してはそんなに役だたないかな?)