2015年 6月24日
私学のナカミを知る会

鵠沼海岸の駅から徒歩8分の住宅街を通り、信号が間に一つもないというロケーション。

知り合いのお子さんが通われていて、私も一度授業参観について行った事があります。
カフェテリアは生徒の保護者がNPOを立ち上げて、地産地消を心掛けて、ワンコインで薄味で健康にもいいものをと提供していておいしかったですよ。
この精算はカードにチャージして使うシステム。アレルギーもあらかじめ登録してあるので、ダメなものが含まれている時ははじかれるそうです。

では本題。

説明は校長先生と広報の先生の2名。
この校長先生マメなお方で、ほぼ毎日校長通信を書かれています。
校内をよく巡回されていらっしゃるようで、私が行った時も色々な場所で何度もおみかけしました。
机などを片づける時は率先して動かれるフットワークの軽い校長先生です。

湘南学園は今までいった学校と大きく違うのは、幼稚園、小学校からの持ち上がりがいるということ。
1学年200人のうち内部進学は80名前後。(すぐに仲良くなるそうです)
学年は基本5クラス。

学校は保護者、教員、卒業生、近所の人のかかわりで生徒を見守るスタンス。
先ほどのカフェテリアなんかもそうですね。カフェテリアはあるけれど、弁当持参率は高いそうで。他に弁当やパンを売る場所もあります。

●学校生活
8:50 朝読書
9:00 始業(他校に比べるとちょっと遅め?)
3:45 6時間目終了
6:20 最終下校(中学・高校とも→部活が合同だったりする為)

テスト前は8:30に朝自習や小テストなどをして弱点克服につとめる
実験の多い学校なので、理系志望の子が多い
文化祭は高校2年生まではクラス参加あり。(高3は勉強)

部活は中1だと参加率90%くらい
兼部は運動×文化 文化×文化に限ってOK 。運動×運動の兼部は認めていない
高校での部活参加率は80%
参加していない子はクラブチームだったり、バレエの練習だったりそれぞれやりたい事がある。
東大に今年現役で入った子も、陸上部部長で行事が大好き。彼は中1では席次は70番台だった。高校1年の時に東大うける宣言をしたそうです。

体育祭は縦割りで高校2年生が2週間で200人まとめる。
全部で5チームがオリンピックの五輪カラーにわかれて競技。
体育祭は実行委員が考えて管理。1日をどう構成するかデザインする。これらの経験は将来仕事をする時の絶対生きる。
他にもチャリティーイベントやマナー向上など生徒主体で動く事が多い。

また<学年の日>として日帰りか1泊で学年の交流を深める機会がある。これも生徒がなにをするか提案して教師に交渉する。

中1と中2では特にクラスに差はないが、中3では上位生徒40人がSクラスになる。
このSクラスは特進ではないし、テストも共通である。ただ授業内容が深くなる。高1でSクラスの見直しをする。習熟度別は中学はなし。ただ総復習はグレード別でおこなう。
高2と高3は文理別。

3.11の経験からスマホと携帯は持ち込みOK。ただ校内では電源オフ。
海近くではあるが、1.2キロ離れているし、江戸1600年の時の地震でも波はきていない。
何かあれば最上階か屋上に逃げることになっている。

3.11当日は96名と5名が学校に泊まった。PTAが炊き出しをしてくれておにぎりと味噌汁を作ってくれた。
何かあったら自分で判断して自分の身を守るように指導している。

●卒業生
サポーターバンクに登録して、在校生にかかわる。
学部別の相談会、大学のキャンパスツアーの案内、定期試験の前のアシスタントなど。
本当によく学校にきてくれるそうで、成人式の日は卒業生が学校に集う習慣があるくらいアットホーム。

●PTA
活動は盛ん。理事会に保護者が入る事もできる。
役員は6年に1回やってもらうのが理想だが、やりたい人が多くて何とかなるので心配しないでください。
合唱や読書会などグループ活動している人もいる。

●国際交流
スーパーグローバルハイスクール アソシエイト校でもあり、グローバル社会への対応を心掛けている。
学年全員でいくことはないが、オーストラリア・カナダ・リストニア・イングランド・台湾などのコースが用意されている。オーストラリアなどは選抜試験があるが、ダメでも翌年の優遇措置があったりする。
チャンスは多くあるので、行く気があればいける。
またホームステイで国内で受け入れたりして海外の人に接する機会は多い。

中1・中2は国内でイングリッシュキャンプをする。
以前は韓国も行先にあったが、国際情勢などで応募が少なかったりした。安全を考えて台湾に今年から変更する。

●入試
湘南学園はここ5年で入試スタイルを大きくかえてはいないのですが、神奈川の入試が前倒しになる傾向にあった為、その余波をうけてこの5年で結構大きくゆれ動いています。

2010年では最少人数の551名まで出願率が下がりましたが、2013年では前年の進学実績がよかった為1581名に出願率はあがり約3倍に。
今年は東大1名でしたが、医学部も多かったようです。
ただ、最高人数を出したあとは偏差値もあがったためか、難化傾向にあってここ2年は正直志願者は減少傾向。その分受かりやすくなったともいえます。

2月1日 A入試(午後) 日能研偏差値50
国・算2教科150×2=300点満点
実入学が12%と予測より低めだった

2月2日 B入試 日能研偏差値 一昨年47→昨年50→今47
4教科入試 理科と社会が100点満点で加わり500点満点、足きりなし
前倒し校が増えた為、今年落ち込んだ。結果一番合格しやすい日となった

2月3日 C入試 日能研偏差値46
4教科2日目 1番厳しい予測だったが、当日出願が30名以上いて結果B入試より回復
今までと受験者層が違う(他校も含めうかった人は抜けていくので)

2月5日 手続き締切→ここから人数調整に入る

2月6日 D入試
2教科 集合を8:00から10:15に変更した。
幼稚園に預けてからゆっくり来られる、公文や逗子開成の上位校の発表が9:00にあり例年受かった人が抜けたりした。なのでその発表をまってからすれば本当に入りたい子が来るだろうということで遅くした。
(実際手続きは90%がした)
関東学院などがこの日に前倒ししたので3校がぶつかる。逆に合格は出やすいのでは

優遇措置はマックスで10名。
6日を含めてあわせて3日以上入試をうけた子は一番良かった日の算数と国語を拾いだし、総合で上からとっていく。3年連続優遇措置で入学者を出してはいる。
ただ、データをみていると受け続けた子は自分の力で入試を突破してくる。入試期間で力をつけての合格だろう。
神奈川は入試の前倒しが今後もすすむだろうが、後半最後まで頑張って欲しい。
当日出願は6日は10:00までうけつけているので、併願の人も頭にいれておいて欲しい。

と何とも正直でありました。

●進学
大学は指定校推薦も56大学ある。
が、理系は学科指定もあったりして使わないでお返しするケースもある。
MARCH以上だと166名中5人に1人が使える環境にあるが、使わないことが多い。(自分の実力でうかっていく)
2割以上は浪人する。
予備校は、刺激や情報が欲しい子が通うケースがある。単科利用の子もいたりする。Z会なんかも人気。

高校にあがるには成績の進学基準がある。
全員クリアできる年と、1~2名クリアできない年もある。
不登校の子だったり、小学校からあがって勉強についていけない子の場合がある。
大学受験を見据えると高校での勉強には推薦できない判断になる。
受け皿として他の学校にいったり、高校認定などをとったりするケースもありバックアップはしている。

説明1時間で30分ほど質問の時間を設けてくださいました。
とにかく学校生活が楽しそうな印象でした。

この5年で志願者が大きく変動したとあって、学校側では大学進学実績を結構重く見て、勉強する事も大事にしている印象。高2まではじけて高3から集中するのかな。
アットホームな感じで、自由だけれど公文国際ほどはとんがっていない印象。

校長先生は「使命感のある子」にしたいと。
1流大学に入ることはアドバンテージがあるとおっしゃって、その学力をこの6年間でつける。社会に出てもやっていけるようにみんながリーダーになれる環境を目指しているようです。校長先生もまだ20代のお子さん2名をもつ父親であり、校長先生に就任して6年目とか。
「生徒に任せればちゃんとやる」
そんな感じでとても生徒さんを信頼されていまし。
色々やれる事はチャレンジしていく…そんな印象をうけました。
(2016年度に湘南学園は校長先生がかわられました)

帰りに2014年版学校紹介のDVD(?)を1枚いただきました。