※記事の一部に誤りがあったとのことです。

 

J-CASTニュースからです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161025-00000001-jct-soci

 

牧場乳しぼり体験の牛、「ストレス死」ではなかった 飼育担当の「反論」ツイッターが波紋

10月25日(火)15時46分配信

 

乳牛の乳搾りイベントを行っている群馬県渋川市の観光牧場「伊香保グリーン牧場」で牛のストレス死が相次いでいる--。そんな新聞記事が出たためネット上で「動物虐待だ!」などと激しい批判が起きた。

 これに対して、この牧場の従業員がツイッターで「こんなデマが記事に」などと反論を投稿し、波紋を広げている。事実はどうだったのか。

■「乳搾り牧場は、虐待ビジネスを、辞めろ!」

 「伊香保グリーン牧場」は16年10月19日に公式ホームページで1970年のオープンから続いている「うしの乳しぼり体験」を16年11月23日をもって終了すると発表した。理由については、

  「人間の手で長時間搾乳することで牛に与えるストレスは大きく、乳房炎が多発し牛も苦痛を感じているのではないかということを懸念してまいりました」

などと綴っている。毎日新聞の電子版はこれについて16年10月20日付けで、「モーやめ...ストレス死相次ぎ 群馬の観光牧場」という見出しで記事を配信した。このイベントは年間2万人が楽しむ人気イベントだが、

  「4頭でローテーションを組んで乳搾り体験を続けてきた。その後、2頭が数カ月の間に乳房炎などの病気で相次いで死に、現在は2頭で行っている」

と報じ、「ストレスなどが要因ではないか」という牧場担当者のコメントを掲載している。この記事でネット上は「動物虐待だ!」などと荒れに荒れ、

  「乳搾り牧場は、虐待ビジネスを、辞めろ!」
   「日本の牧場は、犯罪者」
   「牛までストレスで過労死とは日本は凄い国だな」

などといった書き込みまで掲示板に出た。

1頭はケガによる安楽死、別の1頭は売却

 ところが、この記事と牧場側の発表文に対して、この牧場の飼育係と名乗る従業員が20日にツイッターを開設し、反論を出した。ツイッターでは

  「なんでこんなデマが記事になってしまっているのが。 本当のことは牛の担当しか知らない」

などと、牛が死んだのはストレスでも、過労でも、虐待でも、乳房炎でもない、と説明。

  「毎日たくさんのお客様に触れ合っていただいているので、人間は怖くありません。 乳搾り中もリラクックスしてはんすう(ごはんの噛み戻し)をしています」

と反論した。

 こうしたツイートを始めることにしたのは、この記事によって牧場や従業員への批判が起きていること。そして牧場を訪れてくれたお客さんが「ごめんなさい」と謝っているのを見つけたからだという。牧場には内緒で内情を書いたため、投稿主は「ばれないといいなぁ」などと心配していたが、24日になって「さー、呼び出されたゾ」と報告した。このため、インターネットでは、「牛のストレス死はデマだった」と騒ぎになった。

 J-CASTニュースが24日に「伊香保グリーン牧場」に取材したところ、乳牛4頭のうち2頭減った原因は、1頭が怪我による安楽死で、もう1頭は他の牧場に売却したもので、ストレス死とは違うのだという。

 また、「うしの乳しぼり体験」をやめるそもそもの理由は、15年4月に経営悪化のため酪農を休止したこと。乳牛は当初は数十頭いて、体験会に出す牛は体調を見ながらローテーションで出していたが、4頭しかいなくなったため、続けていくのは現実的ではないと判断したからだ、という。

 ただ、体験会に出した牛がストレスを感じ、乳房炎になりやすいのではないかという懸念があったのも事実だとしており、ホームページには、そうした「懸念」を書いたのだという。

 J-CASTニュースは10月25日、毎日新聞に、どうしてこのような記事になってしまったのか、聞いたところ、記事の一部に誤りがあったことを認め、16年10月26日の夕刊に訂正記事を出す予定だと回答した。既にネットに配信した記事は修正していて、「モーやめ...ストレス死相次ぎ 群馬の観光牧場」という見出しが「モーやめ...ストレス配慮し 群馬の観光牧場」に変更している。同社社長室広報担当の回答によれば、グリーン牧場側は当初、「2頭の乳牛が乳房炎などの病気で死んだ」と説明していて、その後、牧場側から「こちらの確認不足だった。牛の飼育担当者に確認したが、事実が違っていた。1頭は骨折に伴い安楽死させ、もう1頭は他の牧場へ売却された」との訂正があった。ただし、「牛のストレスに配慮して乳搾り体験を終了した」という部分については牧場側が述べた通りだとしている。

 一方、牧場側は16年10月24日にJ-CASTニュースが取材した際、

  「このような記事が出たのはこちら側にも責任があり、しっかりと情報を伝えることができなかった」

としていた。また、「こんなデマが記事に」などとつぶやいていた従業員に対しては、不適切な発言としてきつく叱った、とし、そのツイッターも10月25日までにアカウントを停止し見ることができなくなっている。

牛にとってストレスはあるのか

 「牛の乳搾りイベント」は牛にとってつらいものなのだろうか。別の牧場の担当者にJ-CASTニュースが取材したところ、

  「ストレスはあると思います」

と説明した。

 そもそも搾乳は朝と晩に酪農家が機械を使って行うのが日常だ。それを手馴れていない人たちが手を使って乳を搾るという「非日常」が行われ、中には興奮して騒ぎ出す人もいるし、手に付いた黴菌が牛の乳に付いてしまう危険もある。イベントに出た牛はその後の1、2日間、乳の出が悪くなってしまうという。

 人間にとっては体験学習として貴重なものになるが、牛の立場からすれば迷惑なことなのだという。

 

 

~転載以上~

 

 

追記以上。

 

 

 

毎日新聞からです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161020-00000027-mai-soci

 

<乳搾り体験>モーやめ…ストレス死相次ぎ 群馬の観光牧場

10月20日(木)10時53分配信

 

群馬県渋川市の観光牧場「伊香保グリーン牧場」は19日、1970年のオープン以来続けている人気イベント「牛の乳しぼり体験」(有料)を11月23日で終了すると発表した。乳搾りに使っていた乳牛が2頭相次いで死んだこともあり、「ストレスが一因。苦痛を考慮すると取りやめた方がいい」と判断した。牛の体調などで一時中止するケースはあるが、「牛の立場」に立ってやめるのは全国的にも珍しい。

グリーン牧場は、酪農で飼っていた約40頭の乳牛の一部を乳搾り体験に転用していたが、酪農は赤字続きのため昨年4月に休止。残った4頭でローテーションを組んで乳搾り体験を続けてきた。その後、2頭が数カ月の間に乳房炎などの病気で相次いで死に、現在は2頭で行っている。牧場担当者は「体験者には消毒をしてもらっている。ストレスなどが要因ではないか。このまま続けて1頭当たりの負荷が大きくなれば病気になる恐れがある」とみる。

グリーン牧場での乳搾り体験はここ数年、年間約2万人が楽しむ人気イベント。乳搾り体験のためだけに飼育頭数を増やすのも経営的に難しく、同牧場の基本理念「アニマルウエルフェア(動物福祉)」に照らし、終了に踏み切った。

全国の観光牧場などでは、2010年の宮崎県での口蹄疫(こうていえき)の感染拡大問題や牛の体調を考慮するなどの理由で乳搾り体験を一時中止することはあった。年間約70万人が訪れるという千葉県富津市の「マザー牧場」の担当者は「乳搾り体験は、うちでも人気イベントの一つ。牛の苦痛を考えて終了するケースはあまり聞いたことがない」としている。【吉田勝】

 

 

~転載以上~

 

 

乳絞りに限らず、観光などで利用されている動物は多いですよね。

「アニマルウエルフェア」という理念、そしてこのように動物たちの立場に立った配慮が、もっと広がってほしいと思います。