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300匹の犬を救え!犬肉用トラックに積まれた犬たちの救出作戦とは?

2016年8月31日

 

300匹の犬たちは、10時間以上も不潔な檻の中に閉じ込められていました。その日は猛暑。犬たちは空腹で脱水症状に苦しんでいました。病気のものもいれば、怪我をしているもの、狭い檻に押し込まれた状態からくる不快感に苦しむものもいました。犬たちはまるで貨物のようにぎゅうぎゅうにトラックに詰め込まれていたのです。そんな最悪の状況から犬たちを救ったある作戦とは?

 

犬たちを救え!携帯アプリを使用して一致団結

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それは7月23日。まだ暑さが感じられる夕方のことでした。

複数の中国人たちが、山東省からある目的地に向かう途中のトラックを路上でストップさせました。その目的地とは、中国北東部に位置する吉林省の犬肉市場。

事前にトラックの存在を知った中国人の有志たちは、メッセージを送ったり電話が出来るWeChatと呼ばれる携帯電話のメッセージアプリを使用し、泰皇島市で犬たちの救出作戦を提唱したのです。

目的はただひとつ。300匹の犬すべてをを救い出すこと。

Humane Society International(HSI)で活動する中国の政策専門家であるピーター・リーによると、その日まで過去一度も中国で2番目に大きな犬肉市場である吉林に向かうトラックを足止めした者はいなかったそう。

動物福祉に関わる人間がその情報を知ると、捜査当局に報告するかたわらトラックを追跡開始。中国では犬食は合法とされています。したがって、輸送途中の犬たちすべてに健康証明書が付随されているかどうか確認するという名目で警察官を呼び出したのです。

すぐにChina Animal Protection Power(CAPP)が一団に合流しました。彼らはHSIとともに犬肉ビジネスと闘っている団体です。

警察を巻き込んだ救出作戦とは?

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犬たちを載せたトラックは遼寧省に入るとすぐに警察に止められました。そして2時間に及ぶトラックの運転手、動物保護団体の人間たち、警察官との間のやり取りの後、ついに運転手に300匹の犬たちを引き渡すことに合意させました。

警察は犬たちを押収することはなく、業者にも罰金を科さずに後のことは保護団体に任せたのです。

この偉業は、6月の玉林市での犬肉祭り以来初めての大規模な救出であり、同時に2015年1月以来、遼寧省における初めての救出でもありました。

代表のリーによると、救出された犬たちはよく見掛けるようなペットの犬か、田舎の番犬のようだったそうです。犬たちは人に慣れていることは明白で、トラックから解放されると人間に触られたがったのだとか。

中国における犬食の実態

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リーは語ります。「中国には犬の養殖場はない。食肉として屠殺される犬の大部分は、誰かのペットだった犬か野良犬だ。吉林市では韓国系中国人の人口が多く、犬肉を調達して消費することに韓国の文化を言い訳にしているんだ。」

リーはさらに続けます。

「韓国系中国人は韓国の食文化として犬肉を食べると思われている。しかし、必ずしもそうとは限らない。中国人の大半がそうであるように、韓国系中国人も豚や魚を食べるのと同じ感覚で犬を食べるわけではない。吉林市における犬肉の消費は非常に小規模なもので、家庭料理というわけではない。しかし中国の犬肉業者たちは商売を促進するために、犬肉は韓国系中国人の好物だと誇張していることはよく知られているのさ。」

救出された犬たちは現在獣医師のケアを受けており、ほとんどの犬たちは中国で里親探しをする予定です。

大勢なら成し遂げることができる

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リーによると、今回大成功に終わった救出劇は、国中の動物愛護活動家たちに大きな励みとなっているそう。それはまた、警察が厳しく取り締まれば、犬肉の売買撲滅がなくなる可能性があることを証明してみせました。

この出来事は、ひとりでは大きな難関に立ち向かうことは困難な場合でも、多くの人が一致団結すれば成し遂げることができることをも証明しています。

それに加え、法を上手く取り入れ、警察を巻き込んで味方につけることが成功につながった、いわば頭脳戦ともいえます。

犬食ビジネスを撲滅するにはまだまだ時間を要するでしょう。しかし、動物愛護団体の地道な活動と啓蒙運動で、犬食がなくなる日がいつか来るかも知れません。

参照:Mobs Of People Stop Truck Carrying 300 Dogs To Slaughter