2月2日 ※記事を追記しました



朝日新聞sippoからです。

http://sippolife.jp/article/2016020100006.html


2016/02/02

生後8週まで犬猫は親元に 札幌市「飼い主の努力義務」全国初の条例化へ


日本の法律では現在、生後45日をすぎた子犬や子猫なら販売できる。一方、欧米先進国の多くで「8週齢規制」が常識だ(本文と写真は関係ありません)
日本の法律では現在、生後45日をすぎた子犬や子猫なら販売できる。一方、欧米先進国の多くで「8週齢規制」が常識だ(本文と写真は関係ありません)

 

 幼い子犬や子猫の適切な社会化を促すため、札幌市は、生後8週間までは親と子を一緒に飼育することを飼い主の努力義務と定める方針を固めた。条文を盛り込んだ市動物愛護管理条例案を2月17日に始まる市議会に提案し、10月からの施行を目指す。「8週間」と明記して規定する、いわゆる「8週齢規制」の条例化は全国初とみられる。


 幼すぎる子犬、子猫を産まれた環境から引き離すと適切な社会化がなされず、問題行動を起こしやすくなる。また生後40日過ぎくらいから母親からの移行抗体が減り始め、免疫力が低下するとされる。このため米、英、フランス、ドイツなど欧米先進国の多くでは、8週齢(生後56~62日)まで、子犬や子猫(国によっては子犬のみ)を生まれた環境から引き離すことなどを禁じる「8週齢規制」を法令で定めている。
 

 札幌市の条例案は「動物の福祉の向上」を目的に掲げ、犬と猫の飼い主に対して「生後8週間は、親子を共に飼養するよう努めること」を義務付ける。すべての犬猫の飼い主に適用され、繁殖業者やペットショップも例外ではない。


「動物が動物らしく暮らせ、飼養されるような条例案にしたいと考えた。施行後は、8週齢規制の努力義務化について、犬猫等販売業者に通知、指導していく」(向井猛・市動物管理センター所長)
 

 札幌市では現在、犬猫等の販売業者に対して動物愛護法で提出と順守が義務付けられている「犬猫等健康安全計画」に、生後何日まで自分のところで育てているのか、具体的に記入するよう指導している。条例施行後は、その日数を「8週間以上」に書き直すよう、指導する予定だという。
 

 札幌市議会では、主要会派の自民党が「動物たちの福祉を向上させることが大切。地域のためになる条例案でもある」などとし、民主党・市民連合、公明党も賛成の意向だ。
 

 大屋雄裕・慶応義塾大教授(法哲学)はこう話す。「動愛法の規定の仕方から、生後56日以下の犬猫を販売する自由を積極的に保障しているとは判断できない。札幌市の条例案は、法律の目的を率先して実現しようとするものであり、地方自治体の工夫ある取り組みとして、評価できる。今後は、こうした動きが他の自治体に広がっていくかどうかがポイントになる」


 2013年9月に施行された改正動物愛護法には、「出生後56日を経過しないものについて、販売のため又(また)は販売の用に供するために引渡し又は展示をしてはならない」という条項が新設された。だが、これに動物取扱業者らが作る業界団体や一部国会議員が強く反対した結果、付則がつけられた。付則によって、本則にある「56日」が16年8月までは「45日」、それ以降は「別に法律に定める日」まで「49日」と読み替えられてしまった。
 

 付則は自治体の取り組みの足かせにもなっている。東京都の動物愛護管理審議会では、一部都議や動物愛護団体が13年から14年にかけて、国に先んじて都条例による「56日(8週)齢規制」を実現する提案をした。だが、都は「地方自治体は法律を上回る条例は作れない。規制を条例に盛り込むことは検討しない」という姿勢だ。
 

 大阪府では15年から条例化を模索しているが、「府として8週齢規制を早期に実現したいと考えているのに、法律の付則にいつ実現するかわからない『経過措置』が書かれていることが、大きな壁になっている」(大阪維新の会の中野稔子府議)としている。


「8週齢規制」の主な導入例

【日本】
<動物愛護法> 出生後45日(※)を経過しない犬猫は、販売のため又は販売の用に供するために引き渡し又は展示をしてはならない
(※2016年9月から「別に法律に定める日」までは出生後49日)

【札幌市】
<市動物愛護管理条例案> 犬及び猫については生後8週間は、親子を共に飼養するよう努めること

【アメリカ】
<連邦動物福祉法> 最低8週齢以上および離乳済みの犬猫でない限り商業目的のために輸送または仲介業者に渡されてはならない

【イギリス】
<犬の飼養及び販売に関する1999年法> 生後8週間に達していない犬を販売してはならない

【ドイツ】
<動物保護法 犬に関する政令> 8週齢未満の子犬は、母犬から引き離してはならない

【フランス】
<農事法典> 犬猫については8週齢を超えた動物のみが有償譲渡できる
(諸外国の事例は環境省調べ)


(太田匡彦)



2016.0131asahis.jpg
画像:HOKKAIDOしっぽの会さん

<画面クリックで大きくなります>


~転載以上~



以下は、塩村あやか都議のホームページより。
http://shiomura-ayaka.com/2016/02/01/animal-1435.html


札幌の動物愛護 視察と要望に伺いました(1)




札幌市が「本気の殺処分0」を目指していると聞き、視察に伺いました。

◆議会と職員が本気(日本初の新条例制定間近)

◆主力の動物愛護団体が本質を理解している


昨年度は殺処分0を達成していますが、行政として大きく喧伝することはないそうです。なぜなら、「負傷動物など手の尽くしようがなく、どうしても安楽死をさせたほうがいい場合もあるため」とのこと。いまは年に3頭程度のため、負傷動物でも責任ある団体が引き出して治療や看取りなどをしていると言います。

また、無理な譲渡をして行政発表の殺処分が0になっても、団体で長く抱えんこでもよくありません。


猫も本年度は48頭(病的子猫45)に留まっています。元々北海道という越冬が難しい土地柄はありますが、


◆離乳前のボラ譲渡 ◆土曜を開所して成猫の譲渡が進んだ ことが大きな理由です。
【条例が上程されます】


◆8週齢規制の努力義務が盛り込まれている

◆特定犬の飼い主の順守義務と規制強化

◆多頭飼育の届け出義務(10頭)



が、含まれており、全国でも1・2を争う画期的な「動物福祉先進条例」になります。


本当に素晴らしいと感じました。視察後の本日の新聞に書いてあるとおり、議会の方によると、全ての会派が賛成に意向だとのことです。丁寧な調整をかけている様子もうかがえます。


上記のうち2つ「8週齢規制」「多頭飼育の届け出」は、昨年の東京都動物愛護管理審議会で私も取り入れるべきだとして、発言をしたものです。しかし、両方とも蹴られてしまいました。意識の高さでいえば、もう札幌のほうが東京の数倍上だということになります。


【意見交換会&勉強会】

北海道獣医師会会長、札幌市小動獣医師会長、同左常務の方を含めて、しっぽの会主催で勉強会を開催しました。



私の主張である「ベース2規制」を早く取り入れなくては、「行政が喧伝している殺処分0」は「闇に流れてしまっている命を無視した殺処分0である」という話をしました。獣医師会としては前向きではない印象を受けました(意見の食い違いはありますが、とても紳士で建設的な話ができました)。問題は飼い主が捨てるから、殺処分が減らないという意見ですが、私の主張は表の数ではなく裏の数だということを再度説明をしました。



様々な意見が飛びましたが、私は週齢規制に100%の納得が得られなくても、実際に機能している国があるのだから実行するのがいいと思います。参加してくださった弁護士の方は「何か数値基準がないと、法律でも正直何もできないのと同じ。だから、ある程度コンセンサスが取れているものでスタートしてほしい」との意見で落とし所が見つかった感じです。


勉強会の後の懇親会でも、小動物獣医師会の方と激論をしました。

そして、2時間では話足らず、雪が舞い散る中を歩きマクドナルドで11時近くまでコーヒーを飲みながら動物愛護法の改正の焦点や、札幌の現状や東京の現状などを話し、意見交換を熱く行いました。とても有意義な日でした。みなさん、お疲れ様でした。



~転載以上~



関連記事リンク しっぽの会さんより


都議会議員 塩村あやか先生のブログに札幌市視察記事


いよいよ明日審議!! 札幌市動物愛護センター建設要望