昨年6月から、国内で製造販売される一般化粧品の動物実験が必要要件ではなくなった中国ですが、


化粧品の動物実験廃止に向け、中国政府が規制改正


海外から輸入された一般化粧品(メイクアップ、香水、スキンケア、ヘアケアやネイルケア用品を含む)にはいまだ動物実験が義務付けられいます。


しかし、中国へ輸入された際に動物を使った実験で再度テストを行うのは「時間・お金・動物の命の無駄」だとして、輸入化粧品に対する動物実験廃止へ向けて英国の科学者たちが技術協力を行っています。



the guardianの記事を翻訳しました。


UK scientists to help China stop animal tests on imported goods





中国で販売される化粧品についてすべての動物実験を廃止し、代替法に切り替えるために、イギリスの科学者チームが1年以上に渡り技術協力を行っている。


イギリスは1998年に化粧品における動物実験を廃止、2013年にはEUもそれに続いた。現在、安全性試験では人工皮膚細胞が使用されている。


中国も動物に替わる試験方法を模索し始め、イギリスの科学者たちに協力を仰いだ。こうした動きは、先月の習近平国家主席の訪英の際に、デイヴィッド・キャメロン首相との間で正式な合意に達したことや、昨年チームの協力により、北京で動物福祉に関する国際会議を開催したことなどを受けたものだ。


イギリス内務省が管轄するチームのジュディ・マッカーサー・クラーク氏はこう話す。


「中国に対し、動物の使用を中止したうえで安全性の確保ができるよう援助したい。中国の消費者は、もはや化粧品に動物実験は必要ないということを知る必要がある。


今後も、さらなる協力・援助を惜しまない。中国の長期的な目標は、化粧品における動物実験を廃止するための法改正だ。時間は必要だが、必ず実現するだろう」。


英国トイレ化粧品・香料工業協会の会長、クリス・フラワー氏は、こう指摘する。


「中国が動物実験廃止に積極的になった背景には、富裕層の増加と、エスティー・ローダー、ジヴァンシー、シャネルなど欧州の化粧品メーカーの人気の高まりがある」。


クラーク氏によると、中国では合計300,000頭の動物が実験に使用されており、通常動物たちは麻酔され、実験終了後は殺処分されるという。





自社製品を中国において動物実験されることに不快感を募らせている欧州のメーカーと、動物愛護団体からの圧力は強まっている。


動物愛護団体のクルーエルティーフリー・インターナショナルのニック・パーマー氏は、「化粧品メーカーと愛護団体は、必ずしも常に”味方同士”ではないかもしれないが、今回のケースについては同調している。


私たちは皆変化を望んでいる。目にシャンプー液を注ぎ込まれるウサギのイメージは、もはや許容できるものではない」。


中国のこうした動きは、動物実験をなくそうという世界的な流れに乗ったものでもある。「すでにブラジル、ロシア、タイ、韓国など多くの国が化粧品における動物実験を段階的に廃止する意思を示しており、EUの禁止措置が世界に波及している」とパーマー氏は言う。


加えて、クラーク氏によると、動物福祉問題への関心はより高まっているという。


「西洋化している中国社会は、以前と比べ確実に動物の扱いに目を向けている」。