※署名追記しました。
ロイター通信からです。
http://jp.reuters.com/article/2015/08/04/delta-idJPKCN0Q90DP20150804
ライオンなど狩猟で殺された動物、米デルタ航空が輸送を禁止
8月3日、ジンバブエの人気ライオンが米狩猟愛好家に殺された問題を受け、米デルタ航空は、動物を剥製にした装飾品の輸送を直ちに禁止すると発表した。サンフランシスコで4月撮影(2015年 ロイター/Louis Nastro)
[3日 ロイター] - ジンバブエの国立公園で人気を集めていたライオン「セシル」が米狩猟愛好家に銃殺された問題を受け、米デルタ航空は3日、狩猟で殺されたライオン、ヒョウ、象、サイ、バッファローのハンティングトロフィー(狩猟の記念に獲物の首から上を剥製にした装飾品)の輸送を直ちに禁止すると発表した。
米航空会社のなかで、アフリカのヨハネスブルクに直行便を運航しているのはデルタ航空のみ。
デルタ航空はまた、合法な輸送を支援する政府機関や他の団体からのハンティングトロフィーの受け入れに関して、方針を見直すと明らかにした。
ミネソタ州の歯科医が7月に、ジンバブエの国立公園で観光客の人気を集めていたライオン「セシル」を銃殺したことを受け、各国から絶滅が危惧される動物の保護を求める声が上がっていた。オンラインで署名を集めるチェンジ・オルグによると、デルタ航空にハンティングトロフィーの輸送禁止を求め、40万人近くが署名した。
~転載以上~
デルタ航空は、今後禁止措置をライオン、ヒョウ、象、サイ、バッファローの通称「ビッグ・ファイブ」以外の動物へも拡大させる可能性も示しました。
また、その他に、アメリカン航空とユナイテッド航空、さらにエア・カナダも同様の禁止措置を取ることを発表しました。
また、先週にはエールフランス、KLM、イベリア航空、IAGカーゴ、シンガポール航空、カンタス航空も同様の規制措置を取ったとのことです。
Delta And American Airlines Ban Exotic Animal Trophy Shipments After Cecil The Lion (UPDATED)
Hunting trophies: Delta, United and American ban transport
3 Major Airlines Say No To Shipping Exotic Animal Heads
アメリカン航空ツイッターより
https://twitter.com/AmericanAir/status/628397606989918208
ユナイテッド航空のスポークスマンは禁止措置の理由を、「そうすることが当然だと考えた」と語っています。
★関連記事
射殺された偉大なライオン“セシル”。そのトロフィー(頭部)空輸を米航空3社が拒否。
一方、南アフリカ航空は先月、空輸禁止措置を撤廃しています。
IFAWニュースより。
南アフリカ航空が空輸禁止措置を撤廃、狩猟トロフィー再び機上へ
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fd2mlnkprj9wd81.cloudfront.net%2Fsites%2Fdefault%2Ffiles%2Fimagecache%2Farticle_image%2FWhite_Rhino_140_0_3.jpg)
サイ、ゾウ、ライオン及びトラのハンティングトロフィーの空輸禁止措置を開始してから3ヶ月、南アフリカ航空(SAA)は、血に染まった貨物を扱う仕事を再開したことを「知る必要に応じて」知りたい人だけに教えるような方法でひっそりと発表しました。
「今年4月、世界中の保護論者や動物愛護者は、特定のハンティングトロフィーの輸送を禁止することによって野生生物の違法取引に立ち向かおうと信念のある決断をしたSAAに対し、拍手を送りました。それが今、特定のハンティングトロフィーの空輸禁止措置を撤回するよう、航空会社に圧力をかけるように環境省(DEA)への説得を続けてきた狩猟賛成派のロビー活動が勝利したようです」とIFAW南アフリカ地域事務局長であるジェイソン・ベルは言います。
SAAは、ハンティングトロフィーが「機械器具」と誤表示されてオーストラリアに出荷されたとされる事件において、貨物部門がイギリス民間航空局より罰金を課されたことを受け、空輸禁止措置を講じました。
月曜日に発行された内部統制報告書では、環境省が「必要な許可及び書類すべての順守を確保するためにさらなる対策を講じるという安心感を与えてくれた」ことを受け、SAAカーゴは空輸禁止措置を撤廃すると発表しました。この報告書は「知る必要に応じて」配布されました。
「SAAはわずか3ヶ月という短期間で、勇気のある会社から強い相手の言いなりになる弱い会社に変わってしまいました。南アフリカ政府の半官半民企業であるSAAが、空輸に賛成のDEAに威嚇されて当初の決断の撤回へと追い込まれたことは明らかです。サイの密猟が管理不能に陥る中でDEAはそれを打開する成果を何一つ出せていないというのに」とベルは言います。
「禁輸措置は違法トロフィーと合法トロフィーの間のグレーゾーンを取り払いました。SAAがサイ、ゾウ、ライオン及びトラのトロフィーを輸送すること自体が単純になくなったのです。野生生物の違法取引は世界でもっとも高利益の犯罪活動の一つであり、市場規模は年間190億米ドルと推定されます。麻薬、人身売買、石油、偽造品などの有害で危険な世界の犯罪と並んで、その規模は上位にランクされます。」
「SAAが、トロフィーの輸送を行わないことにより違法取引を食い止めようと努力してきたエアフランス、KLM、エミレーツ航空、ルフトハンザ、シンガポール航空、カンタス航空など先進的な考えを持つ航空会社との結束を乱したことは残念です。」
IFAW(国際動物福祉基金)について
1969年に設立されたIFAWは世界各地で危機に直面する動物の救援活動を行っています。40カ国以上でプロジェクトを展開しながら、個々の動物を救助し、動物虐待防止に尽力し、野生生物保護と生息地保全を提唱しています。詳しくは www.ifaw.org をご覧いただくか、Facebook やTwitter でフォローしてください。
~転載以上~
オーストラリアでは、世界で初めて、トロフィーとしてのライオンの輸入禁止を宣言しています。
ジャパンワイルドライフセンターからです。
http://www.jwc-web.org/news_world/topics.cgi
2015/04/06
世界初*トロフィーとしてのライオンの輸入禁止(豪)
この決定は、ハンティングトロフィーを国に持ち帰るハンターを防ぐため、動物福祉団体からは賞賛されました。今回の禁令は、アフリカのライオンの保護にとって初の試みであり、世界の先駆けとなります。
即効性のある今回の禁令は、オーストラリアの環境大臣であるGreg Hunt氏により宣言され、南アフリカのライオンの**キャンド・ハンティング地域一帯への怒りをあらわにしました。
「この新法は、もし外国に行き、恐ろしいキャンド・ハンティングを行えば、オーストラリアにライオンをトロフィーとして持ち帰ってくることができない内容となっています。ライオンという素晴らしい生き物の虐殺を許すようなことをしてはいけないのです。」とHunt大臣は公文書で述べました。
「キャンド・ハンティングでは、人間との触れ合いに慣れた飼育繁殖のライオンが、逃げる間もなく近距離で銃殺されます。毎年最低1000頭ものライオンが、この野蛮な産業で殺されています。」と、繁殖・狩猟牧場や動物園、サーカスなどから動物救助を行い、南アフリカにライオンサンクチュアリを計画している動物福祉団体FOUR PAWS UKの地方代表であるJulie Sanders氏は述べます。
「2010~2013年で、91頭のライオンとライオンのパーツがオーストラリアに輸入されました。2007~2012年でアメリカに年間平均400頭、EU諸国に年間平均200頭のライオンが輸入されたのを比べると、これらの国々はオーストラリアの例を見習う事が重要でしょう。オーストラリアに次いで英国政府がこの問題を重く受け止め、輸入に対する禁令を取り入れてくれることを望みます。南アフリカでは飼育繁殖されたライオンに対する法的な保護はなされていないため、英国が同様の決定をなせば、この非倫理的なアフリカのライオン産業や野生に生息するライオンに希望の光を与えるでしょう。」
オーストラリアの新法は、違法な野生動物取引に関して最大で10年の禁固刑と17万ドル(約2000万円)の罰金を科し、法に反する団体には、85万ドル(約1億100万円)の罰金を科します。
※トロフィー…ライオンなどの野生動物の頭や毛皮、シカの角など、ハンターが娯楽のために狩猟して得た勲章のようなもの。
※※キャンド・ハンティング(canned hunting)…家畜のように人間に飼育されたトラやライオン、アンテロープ(レイヨウ)などを銃やクロスボーで撃ち殺すというもの。
ノーモア・セシル★ストップ・ハンティング! ライオンと野生動物を守るための署名まとめ