朝日新聞からです。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11602866.html

レース前のむち、トラウマ? 京都競馬場での職員誘導、波紋 2カ月、今も出走できず

2015年2月15日05時00分


「京阪杯」に出走する直前のローブティサージュ。このときは落ち着いていた=2014年11月30日、京都競馬場、シルクレーシング提供


日本中央競馬会(JRA)が主催した競馬レースで、むちの使い方が波紋を広げている。といっても、ふるったのは騎手ではなく、JRAの職員。
むちを入れられた馬はトラウマからか、年が明けても出走できず、競馬雑誌も問題を取り上げた。

(略)

一連の様子は地上波でも中継され、「ビュッ」とむちがしなる音がテレビで生々しく流れた。
ネットでは「誘導のやり方がひどい」「虐待行為」といった書き込みが相次いだ。
今年1月中旬に発売された競馬雑誌「競馬ブック」は、「執拗(しつよう)にむちでたたく意味があったのか」とJRAの対応を非難する投書を約半ページ使って紹介した。

ローブティサージュにはレース後も影響が残っているという。1月下旬にゲートに入れるかを確かめる再審査を受けたが、ぶるぶる震えてゲートに近寄ろうとせず、不合格に。
2月1日の重賞レースに出られなかった。馬主「シルクレーシング」の米本昌史社長は「不要なむちがあったことには納得がいかない。馬は敏感な生き物。個々の馬に合わせ、愛情をもって接してほしい」と言う。


~転載以上~


★関連記事
http://hitokuchibanushibeko.blog.fc2.com/blog-entry-275.html?sp

アップより一部抜粋します。


まずローブティサージュがゲート入りを拒否。
三浦騎手が「覆面をすれば、すぐ入る。」と希望するも、係員が拒否。

尻っ跳ねして拒否する馬に対して、長鞭を持った係員が「怒って余計にムチを入れて来た」(三浦騎手談)。

さらにゲートと逆の待避所方面に後ずさりする馬。
すると、別の係員が反対側からまたムチ。

たまらず三浦騎手は下馬。(恐らく覆面の許可が出た為。)
その状態で今度は、じっくり狙いを定めてから皮膚の薄い腹に向けてムチ。

結局、係員が覆面を被せた所、あっさりゲート入り。
結果14着。

ローブティサージュはゲート再審査を課せられた。
陣営側は改めて、なぜ覆面を最初に認めなかったのか抗議したが、「こちらにも順序があるから。」と回答されたとのこと。

・・・いやはや、酷い。こういう意味の無い暴力行為を動物虐待というんですよ。
特に最後の下馬後のムチは折檻のつもりか知りませんが、レース直前にはまるで逆効果です。
間違いなく、今後もゲートが嫌いになるでしょうね。
馬が再審査なら、係員は再教育が必要です。
騎手にムチの回数制限を設けるのなら、係員も同様に無駄なムチ入れの制限が必要なのでは?


~抜粋以上~


こちらがその時の動画です。2分ぐらいから問題のシーンです。


http://youtu.be/ulUAC3NJSXg

ちょっと見えづらいですが、ベージュのジャケットを着た職員がむちを打っているのが確認できます。



以下、Keiba@niftyから転載です。
http://keiba.nifty.com/cs/column-detail/pdetail/mizukami220150212/1.htm


水上学の競馬雑記帳
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2015年02月12日

第10回 「これは動物虐待」

先日、シルクホースクラブのHPで、ローブティサージュについての記述を目にしました。その趣旨は、現在スタート地点で怯えるような仕草を見せていて、しばらくレースに使うのが難しい、ということ。恥ずかしながら私はその時まで知らなかったのですが、ローブティサージュは昨年11月末の京阪杯で、ゲート入りを嫌がった際に、係員から不当な暴力を受けていたとのこと。そしてそのトラウマで、ゲート入りに恐怖を感じるようになったのではないでしょうか。

 もしかしたら、読者のみなさんの方がとうに御承知の件だったのかもしれませんが・・・。

 当時の映像がサイトに出ているということで、私も見てみましたが、空いた口が塞がりませんでした。枠入りを激しくゴネたローブティサージュが一旦退避所に下がります。そこで三浦騎手が下馬したあと、長い鞭を持った係員(JRA職員)がいきなり前方から強く馬に叩きつけたのです。もちろんローブティサージュは恐怖でパニック状態。

 コメントによれば、三浦騎手は目隠しによる誘導を依頼したそうですが、「順序がある」として断られたのことです。

 今回の件から問題となる点をまとめてみましょう。

 1.枠入りしようとしている馬に対して用いるなら分かるが、枠入り態勢にない、しかも馬を制御できる騎手がいない状況で長ムチを振るった行為。これは感情でやったこととしか思えない。

 2.ムチを、馬の視界に入るところで振り被り、前方から打ったこと。これは馬に恐怖心しか与えず、虐待と言われてもやむを得ない。

 3.完全に馬をパニックにする行為を施行者側が行ったという点で、公正競馬の成立に影響を与える恐れが大きい。

 4.騎手の申し出を却下し、段取りを重んじた硬直性。

 ざっと思いつくだけでもこんなところでしょうか。

 すでに事件から3ヶ月近くが経とうとしていますが、クラブはこの係員の取った行動について、しっかり糾弾することが大事。そしてJRAも、レースでのムチの使用制限をするくらいなら、完全に虐待の範疇に入る(しかも痛さと恐怖はレース中のムチとは比べ物にならない)今回のような心ない行為こそ厳しく取り締まって、しかるべき処分を下さないとおかしい。この係員は配置転換をすべき。馬を直接扱う持ち場での適性がないことは、この蛮行で明らかとなっているのですから。JRAの管理責任も問われる重大な一件であり、マスコミが当時もっと扱うべきだったと思います。東京競馬場に居て知らなかった私が言えることではないのですが・・・。



~転載以上~


朝日新聞の記事によると、本来、誘導の際にむちを使うことは一般的なことで、JRA審判部は「感情的なむちではない。『これ以上下がるな』という意味だった。批判はあるかもしれないが必要な手段だった」と説明しているそう。


ひどいですね。。騎手が下りた後のむちといい、感情的なもので暴力にしか見えません。

ひたすら怯える馬さんの姿に心が痛みます。
多くの人が書いていますが、騎手のむちの回数制限だけでなく、係員の誘導の仕方などについてもきちんと制限したり、しかるべき処分をするべきではないでしょうか。

とてもデリケートな生き物でもある馬さんが受けた心の傷はどれほどのものでしょうか。
その傷は癒えるのでしょうか…。

そもそも、なぜ馬たちはむちで打たれてまで人間の娯楽のために使われ、走らされなければいけないんだろう。私には、競馬というもの自体が虐待だと感じます。
そしてその裏側には、残酷な現実があります。


海外競馬解説者の合田直弘さんは、「日本では中継放送や先に入った馬のことを考慮して時間を厳守し、ゲート入りを急ぐ傾向があるが、競馬発祥の英国など海外では、むちで追い込むのはまれで、時間をかけてゆっくり導く。これを機に、海外の取り組みも試してみては」と話しています。(朝日新聞)

私は競馬自体に反対ですが…命あるもの、感情あるものに接する以上、せめて携わっている方々には愛情や寛容さを持ってお仕事をしていただきたいと思います。