夜に虫の声が聴こえて、もう初秋だなぁと思うのに、日中は蒸し風呂のよな暑さで、夕立と言う言葉の風情もない豪雨だったり。

 北海道で農業をやってる方の悲嘆のツイなど見ると、農家の方々の被害はただ収益だけの事でもなく、手をかけて育てた物への痛ましさを感じて、なんとも言えない。自然と云うのは時に残酷だよね。

 日本は、四季の豊かな国ではあったけれど、ここ数年特に気候も尖ったようなのは日本だけではないだろう。地球も怒っているのかもしれないよね。

 今の日本は、理想の世の中とはほど遠い、むしろディストピアのようなありさまだけど。人の傲慢や欲は計り知れなくて、大地や海を汚しつづけて人さえも傷つけて恥じないし学ばないものだよね。自分もそう思いながら便利を手放せなかったりするんだけどね。

 「幼年期の終わり」って海外ドラマを観ながら、理想郷とはなんだろうなんて考える。

   

 この作品はアーサー・C・クラークの原作で「地球幼年期の終わり」1969年か「2001年宇宙の旅」が上映された年だったか、創元社から出たとうるおぼえの記憶。SFは好きだから読んだんだけどあまり記憶が残っていなかった。映像化や映画化は難しいと云われていたのよね。それがドラマ化されて、ほむほむと観てまだ最終話は観てないが、結末は思い出してしまった。

 強大な力を持った異性人が、巨大船団で地球を支配するんだけど、カレルレンと名乗る宇宙人総督は、全ての争いや戦争を無くして地球に平和をもたらすと約束するの。

 初めね、異性人に支配されるなんてとんでもない、闘うべきって軍人達も多いんだけど到底かなうわけがないのね。ミサイル打ち込んでもびくともしないし、報復を怖れた人々に対してもまったく攻撃してこない。

 ただ、アフリカの人種差別を撤廃しなさいとのメッセージに従わないと太陽が翳ったりしちゃうの。指示に従えばエネルギーが充分もたらされる。

 それで徐々に変わって行き、米国船団は食糧貯蔵や運搬にあてられて、アフリカや貧困国に派遣され、石油パイプラインは無用になって水を世界中に送る。気候は穏やかで食糧危機もなくなって、格差もなくなり人々は好きな仕事を愉しむ。

 世界連邦になって。世界市民はストレスも飢餓も貧困も無いから、寿命まで健康に暮らして出生率も寿命も延びるユートピア。

 地球人の全の知恵に勝る「オーバーマインド」(主上心)というものを、かつての神ではない、別の「ありうる可能性」として見せてくれた作品なのね。

 総督のカレルレンは、ずっと姿を現さなかったけど20年後に姿を現す。その姿は人間が悪魔と表現してきた、角のある赤い全身で翼を持ち足はひずめなのね。ネタばれみたいで悪いんだけどね。それでも驚きつつ人間は彼を受け入れていき、子供達とカレルレンの集ってるポスターとかフイギュアなんかも出回るの。

 そうなると人は、働くなるだろうし科学も学問も進歩しないだろう。って意見もあるだろうね。ベーシックインカムの議論の中では必ずそういう方がいる。実験的なベーシックインカムの試みでは、人の労働意欲や知的好奇心は失われないという結論だが。果たして地球と人間はどうなるのか。とても面白いドラマシリーズだったね。

 人間は、精神の悪性腫瘍にかかっている状態だ、ってカレルレンが言うのだけど。なんだか納得してしまうのよね。

 息子の進学が、自分の思うようにならないからって包丁で刺すかね。殺しちゃ何にもならないだろう。四人の子供を絞め殺した母親もね、親が病んでるよね。

 この母親も子供の構成を見れば、かなり育児が大変だったろうね。9、6双子、3歳ってものすごく手の掛かる時期だしね。周囲のサポートは、連れ合いはどうだったんだろう。通り魔的な傷害事件やら若い人の精神の痛みも、全てが社会的要因とは云えないんだけど。

 全ての労働者を、非正規にしようって人材派遣会社の親玉が言って、貧乏を愉しむ自由があるんだから成功者の足を引っ張るな、だそうな。
 非正規もいいよ、自由労働者もいいよね。それで食べていけて文化的な愉しみも持てるならね。経団連とか政権が、好きなように使えて、賃金格差を更に下げようとする意図でなければね。

 貧困女子学生のバッシングを眺めても、貧乏人は貧乏ったらしくしていなければならないらしい。PCやスマホは贅沢だと。実名を出して意見を言う人に、匿名のネトウヨが群がって、その先頭に立って煽る議員とかあさましいよね。その内、貧乏だっていうのがタブーになる。黙って耐えろかね。毎月、月末に家賃を考えると胃が痛くなるけど。PCもエアコンもあるから貧乏ではないんだろう。

 もっと大枠で云えば、資本主義的民主主義ってとか金融システムとかね。人間の我欲みたいな事もあるんだけど。人間の学習能力とか知性を、時々疑ってしまうのよね。

 昨日、リハビリがてら商店街に行ったら、めまいと背中の痛みで倒れそうになったんで、もうしばらく引き篭もっておりますが。ネットで知った方が枇杷の葉を送ってくださったんで。家で塩玄米麹やら枇杷の葉エキスなどちまちま作って、合間にシェスタしてせちがない世間をやり過ごしていますの。